マイルスは、新クインテットに採用したコルトレーンの評判が悪く、「代えろ」という声が高かったのに庇い続けました。その庇護の甲斐あってか、確かに、在籍の後半期は誰にも指差されない見事なフロントに成長しました。その後の自己名義のカルテットは、Prestige、AtlanticそしてImpulseで聴けます。Atlanticもので頭角をあらわし、その後のImpulse盤も含めて徐々に完成度を高めていく過程が如実に示されています。いわゆる「Sheet of Sounds」と言われた音階練習のような音群が、時間を追って、摩訶不思議な魅力を持った、ミニマルな音群に昇華され、音の氾濫ではなく、意志を持った音の連鎖になる過程は興味深いものです。後者では、上記「John Coltrane Quartet」などが名演とされる他、バードランド、ヴァンガードでのライブ録音も大評判となりました。
John Coltraneは、何と言っても彼以降のテナーサックス奏者の殆どが、何らかの形でその影響下にあると言う程の偉大な人です。気楽に楽しむと言うというよりは、むしろ聴いているとつい没入してしまい、色々な事を考えてしまうという種類の音楽だと思います。このサイトには、以下のセクションにこの人の情報があります。