Live Trane --Nelsonの場合
この盤の詳しい内容は、ココをどうぞ。
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今回発売されたLive Traneは、Afro Blue Impressions前後のJohn Coltraneの訪欧楽旅の記録で、米国では正式には 発売されていない録音を7枚に集大成して、Pabloが発売したものです。これらはこれまでも何らかの形で発売されていたものが多く、ココ1,2か月色んな場所で、そして掲示板でその出典について議論が盛り上がっていました。即ちこれらの中には、欧州及びその他の国でBootlegに近い形で既に発売された録音が多く含まれています。現物を手にしてみて、余りBootlegに手を出して来ていないNelsonの場合には、手持ちの盤とどれ位重なるのかをチェックしてみました。太字はこのボックス付属の解説だけでは判らない、既発売とのダブリに関するNelson手持盤の追加情報です。筋金入りのファンの方は、Nelsonよりももっとダブる筈です。
先ずは、1,2枚目のDolphy入りの分からです。以下、改行までがPablo情報で、改行してカッコ内に入れたのが、Nelsonの追加情報です。
- 1961年11月18日、パリ録音、Impressions/ My Favorite Things、未発売 (以下全て「未発売」と記載されているのはPabloの編纂者の見解に過ぎず、市場では既発売のものがあり、それをここでは追加情報としてカッコ内に太字で示しています)
(これは、持っていません。)
- 1961年11月23日、ストックホルム録音、Blue Train/ Naima/ Impressions/ My Favorite Things、未発売
(これは有名なEuropean Impressions( Bandstand BDCD1514)で、持っています。)
- 1961年11月25日、ハンブルグ録音、Mr. P.C./ Miles' Mode/ My Favorite Things/ 、未発売
(これは、持っていません。)
- 1962年11月17日、パリ録音、Norman Granz's Introduction/ Bye, Bye Blackbird/ 、未発売
(これは、持っていません。)
- 1962年11月17日、パリ録音、The Inch Worm/ Ev'rytime We Say Goodbye (Paris Concert Pablo/OJCCD781で発売済み。)
(これと似た録音で、John Coltrane on Stage 1962 featuring Eric Dolphy( Accord 556632)と言うのを持っていますが、この盤にはもう一曲Improvisationという11分の演奏が入っています。)
残りは全部、Dolphy無しのカルテットの分です
- 1962年11月17日、パリ録音、Mr. P.C./ My Favorite Things/ The Inch Worm/ Mr. P.C.、未発売
(これは、持っていません。)
- 1962年11月19日、ストックホルム録音、Naima、Impressions、未発売
(これはVisit to Scandinavia( Jazz Door 1210)で、持っています。)
- 1962年11月19日、ストックホルム録音、Traneing in/ Bye, Bye Blackbird、(Bye, Bye Blackbird Pablo 2308-227で発売済み)
(これはVisit to Scandinavia( Jazz Door 1210)で、持っています。)
- 1963年10月22日、ストックホルム録音、Swedish Introduction/ Traneing in/ My Favorite Things、未発売
(このうちTraneing inは、Live in Stockholm - 1963( Charly/Affinity 33)で、持っています。)
- 1963年10月22日、ストックホルム録音、Mr. P.C./ Naima/ The Promise/ I Want to Talk about You (The European Tour Pablo 2308-222で発売済み)
(このうちMr. P.C./I Want to Talk about Youは、Live in Stockholm - 1963( Charly/Affinity 33)で、持っています。)
- 1963年10月22日、ストックホルム録音、Spiritual/ Impressions (Afro Blue Impressions Pablo PACD2620-101で発売済み。)
(これはAfro Blue Impressions、Live in Stockholm - 1963( Charly/Affinity 33)で、持っています。)
- 1963年11月1日、パリ録音、Mr. P.C. (Paris Concert Pablo/OJCCD781で発売済み)
(これは、持っていません。)
- 1963年11月2日、ベルリン録音、Lonnie's Lament, NAima/ Chasin' the Trane/ My Favorite Things/ Afro Blue/ Cousin Mary/ I Want to Talk about You (Afro Blue Impressions Pablo PACD2620-101で発売済み。)
(これはAfro Blue Impressionsで、持っています。)
- 1963年11月4日、ストゥットガルト録音、Impressions、未発売
(これは、持っていません。)
記録が不正確
- どうも色んな所でファンが語っているのを聞くと、Norman Granzが倉庫に残した情報が不正確で、暫くは上記の情報も最終版とは言えないようです。つまり、録音物のボックスに書いてある内容の記述が不十分で、どこで、どういうメンバーで演奏したのかが判らないようです。よく知っている研究家が、音源を実際に聴きながらでしか、出所が決められないことに原因があると、書かれています。彼の藤岡さん自身がこのボックス物の編纂に協力してますが、本人も自信がない情報が一部にあるようです。
これ以外にも結構ある
- 手持ちのチェックでも、1961−1963の間には、これ以外にもNormaのGrazライブ、Magnetic、Historic Performanceなど、結構出ていますから、訪欧時の記録の完全盤と見るのは筋違いのようです。あくまでもPabloの見識で発売に値する録音を纏めたと言う事でしょう。現に正式には発売できないような、ヒドイ音質の録音がBootlegで売られています。それに、米国内の未発録音がまだ一杯あるらしいから、そっちもどこかがやってくれると良いなぁと思います。
熟練者はダブリに注意
- 上級者の方は、Nelsonの情報を鵜呑みにせずに、自分のコレクションとよく見比べて、購入の要否を確認されるべきです。既発売とのダブリがありますから。Nelsonのように、Paris Concert、European Tour、Bye, Bye Blackbird盤をまだ持っていない程度の軽度のコルトレーン患者なら購入の価値があります。「一曲でも未発があるんなら、1万円払うょ」なんて方は勝手にしてください。完全ビレバンの中古を見かけないことから察すると、これも中古で出てこないかも知れませんし、また結構ダブるので処分する人もいるかもしれません。
それでも、お宝、、、
- Discographicalな情報が合っていようが、いまいが、ジャズファンにはどうでも良いことで、要は「聴いてみて良い演奏かどうか」ということでしょう。これだけの盤が纏まって発売されたことは、ジャズファンとしては朗報に違いなく、先ず暫くはこれを聞き込んで、ということになりそうです。あり難いこってす。
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