MILES DAVIS

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MILES DAVISの好演盤

1926.5.26 in Illinois - 1991.9.28 in California at age 65

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モダントランペットの巨人。故郷から出てきて、音楽院で正統的な勉強をしながらも、モダンジャズの萌芽の現場に身を置いた。初期にはパーカーらに使ってもらった時期があるが、その代わりに大分クスリ代をカモられたらしい。その後、上記「Bag's Groove」、「Miles Davis and the Modern Jazz Giants」、「Walkin'」といった結構元気の良いセッションを多く発表して、モダントランペットの一角を築くに至った。しかし、経済的には未だかなり惨めだった時期である。その後、沈静的なミュートが売り物で、Red Garland等によるオール・アメリカン・リズムセクションという言葉を復活させた最高のトリオを擁した自己名義のクインテットの活動を開始した。このバンドは史上最高の人気を博し、好きな衣装に凝る余裕も出来た。この時期契約していたプレスティッジは、ジャズメンとの折り合いが良くなく、マイルスの場合も同様であった。解消しようとした専属契約の義務を果たすために、マラソン・セッションと呼ばれるイッキ録りの盤を作る等のゴタゴタがあった。しかし、その時の演奏が「Relaxin'」、「Steamin'」、「Workin' 」、「Cookin' 」で、長年暖めてきたアイディアを実際の演奏に具現化することに成功している。今も、それらが不滅の名盤とされるのだから面白い。この時期に、世界的にヌーヴェル・ヴァーグ映画隆盛の気運があり、「死刑台のエレヴェーター」の音楽で、「ここにマイルスあり」と世間を瞠目させた。ジャンヌ・モロゥ、ジュリエット・グレコらとの艶聞が、ゴシップとなったのもこの時期である。
並行して次の専属先のコロンビアへの録音も進めており、それが「'Round about Midnight」であった。この中の「'Round about Midnight」は大変な評判になった。そして次の「Milestones」、「Kind of Blue」が日本では「モードの探求」と題して2枚組みで発表された。コード進行に従ったアドリブという制約を緩めて、演奏に一層増した自由度によって、モダンジャズに新しい世界を開いた。この「Kind of Blue」（何だかブルーな気分、とでもいう意味）をマイルスの、いやモダンジャズ最高の作品とする意見が多く、Nelsonも首肯する。マイルスは音楽理論にも精通しており、種々の新規の試みに積極的であったので、ギルエヴァンスとの集団演奏にも見るべき物は多い。
更に、じっくり練ったスタジオ録音とは異なる魅力が多い、ということで発売に踏み切ったライブ録音のが、「In Person at the Blackhawk」である。この盤の人気が高かったので、メンバーの変遷こそあれ、演奏のテンポを速めた辛口のスタイルでの盤の発売が続く。更に、ハンコック、トニー、ショーターらの俊英の参加後暫くして、演奏にロックを取り込み、電化スタイルにも挑んだ。ジャズよりも、ポップスのギャラ相場の方が段違いに高いのはおかしいと、斯界最高のギャラを要求しながら、常に満員札止めでその妥当性を証明した。このようにして克ち得た金銭的な余裕にも裏付けられた自信に満ちた演奏は、攻撃的にすら映った。当時、西新宿の再開発前の空き地を使った来日公演があった。
このロック等に接近した時期に関しては、いつも時代の先端に居続けなければならないという強迫観念が強すぎたのでは、あるいは、いつも新しいことに挑戦する姿勢が素晴らしい、等両面の声がある。また、制作のテオ・マセロが複数のテープの切り張りで、正に演奏を作り出していた時代である。
一貫して、あまり音符の無駄遣いをしない流儀を貫いた（ので、実は下手ッピなんだと難癖を付ける馬鹿も居た）。育てた若手は枚挙のいとまがない。上記の期間のもの(^^;には、全く駄作はなく、そんな人は他に居ないから、やっぱり巨人としか言いようがない。
この人のサイドメン物は、独立する前にバード等とやったものの他、晩年にポップス系の人をサポートしたものくらいで、殆どが自己名義である。
Miles Davisは、何と言ってもモダンジャズ界最高のスターであり、実に多くの感動的な名盤を世に送り出しています。この人は、楽器の吹奏能力に感心するというよりは、正に一番重要な「何を言うのか」という点で群を抜いている、と言う点が最大の魅力であり、あえて言えば出来るだけ少ない音符数で、必要十分な、しかも最大のことを言ってのけた天才です。Nelsonがジャズを聞き始めた最初の切っ掛けがこの人とRollinsであり、今もマイルスは一番良く聴く人です。このサイトでは30枚程度をデータベースに入れており、これは恐らく一番多い収録です。個人的には百枚近く持っているので、もう少し入れたいのもあります。でも、最近も殆ど全部を聴き直す機会があったのですが、なかなか良いチョイスだと確認しています。このサイトには、以下のセクションにこの人の情報があります。

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