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この曲は、一応、Miles Davisが作曲者にクレジットされていますが、Bill Evansも相当に仕上げに貢献したような記述を良く見かけます。
- 恐らくは、Bill Evansの演奏がいちばん有名で、しかもこの人の得意曲となっていますから、彼の持ち歌と言っていいんでしょう。
- 御大マイルスの録音がないといわれていますが、なーに、ライブではやっている筈で、それは大したことではないはずです。それと人気曲ですから、御大自身の著作権料収入はかなりな額に上る筈です
- 初演はCannonball Adderleyの盤であり、良い曲なので採りあげる人が増えてきて、色々入れると50近い演奏があります。
取り敢えずは、この曲を最も愛でたと思われるBill Evansの演奏を時代を追って。
- 1960: A Rare Originals, Live at Birdland/ Bill Evans
- 1961: Explorations/ Bill Evans
ピアノトリオ。ジャズファンにNardisという曲を認識させた、恐らくはピアノトリオ形式による最初の名演。ゆっくり目のテンポで、少しぎこちなさげに演奏されているのが、今となっては又好もしい。
- 1964: Live/ Bill Evans
ピアノトリオ。大体この辺でこの曲の演奏スタイルが固まっている。リズムやテンポもこの感じが一番しっくり来る。
- 1965: How Deep Is the Ocean, Live in Paris/ Bill Evans
- 1965: Stockholm 1965/ Bill Evans
ピアノトリオ。録音は良くないが、Pale Danielson/ Rune Carlssonといういつもと違う面子とのGolden Circleでのライブ演奏が興味深い。この時期に典型的なノリが眩しい。
- The Secret Sessions: Recorded at the Village Vanguard 1966 - 1975/ Bill Evans
ピアノトリオ。私的録音で音は良くないが、3つのヴァージョンが聴けます
- 1969: At the Montreux Jazz Festival/ Bill Evans
冒頭のNardisでこの人に初めて会った人が多いはずで、一部のジャズファンではなく、一般的な音楽愛好家に、ジャズがこんな素晴らしい音楽なんですよ、と知らしめた功績は絶大です。盤自体はというと、フランス訛り丸出しの司会の後にOne for Helenで始まり、4曲目のNardisで更に場内が盛り上がるという仕掛け。
- You Gonna Hear from Me/ Bill Evans
ピアノトリオ。晩年に比べれば短めの序奏から、トリオ演奏に一気になだれ込む。Eddie Gomez/ Marty Morellコンビの出番もちゃんとあるCafe Montmartreでのライブ。
- Live in Buenos Aires 1979/ Bill Evans
ピアノトリオ。晩年の演奏スタイルか。長めのヴァースと言うか序奏があって(これが7分(^^;)、今日はどの辺を膨らまそうかなぁ、と探っている感じがあり、徐々にテーマの断片が形を取り始めて、テーマが現れてトリオ演奏になだれ込む。
- 1979: Paris Concert/ Bill Evans
ピアノトリオ。このNardisも序奏が長いが、やはり最初のテーマが現れるところが手に汗握る場面。意外と絡み合いは少なく、特に最後のドラムソロなんかは、やってやろうじゃない、と潔く叩きまくっているのが微笑ましい。
- 1979: The Sesjun Radio Shows/ Bill Evans
ピアノトリオ。Marc Johnson期のNardisで13分弱と長いが、このモヤモヤとした霧の中から、主旋律の断片が幾つも現れて来て、それがテーマ提示になっていく時の感じ・・・それが好きな人には堪らん瞬間ですね。ハモニカおじさんがこの曲には参加していたのが珠にキズですが、まぁ、そんな感じのセットだったのでしょう。
- 1980: Turn Out the Stars, Final Village Vanguard Recordings, June 1980/ Bill Evans
この最晩年の4日間のライブ録音で、Nardisは4回演奏されており、どれも15分を超える長尺である。ノー・リズムのヴァースで心行くまでお膳立てをしていくので、アレが出るのが今か、今かと思わせて憎い展開。
次にその他の手持ちの盤の演奏を、、、
- Portrait of Cannonball/ Julian Adderley Quintet
2管クインテット。これがこの曲の初録音と言う記述を見る事が多い。これはCannonball AdderleyのRiversideデビュー盤で、当時のマイルス・バンドのピアノとドラムスとが付き合った上、このNardisを御大がワザワザ書き下ろして与えた、とされている。
- Candy/ Chet Baker
Chetの見事なアレンジが嬉しいNardisの演奏です。
- Eon/ Richie Beirach
初リーダー作で、冒頭にEvansの曲を持ってきています。
- Elegy for Bill Evans/ Richie Beirach
Evansに捧げる盤なので、当然ながら欠かせないNardisの演奏です。
- What Is This Thing Called Love/ Richie Beirach
この人の最近の作品ですが、原点であるNardisを忘れていないようです。
- Trio Today 1987/ Ray Bryant Trio
ピアノトリオ。この人らしいスィングするNardisの演奏です。
- North of the Border/ Ray Bryant Trio
ピアノトリオ。これは97年のライブ録音。黒っぽく、スィングしながらの演奏に面食らい、オイ、オイ、こんなの有りかよ、とも思うが、Evansを離れてこの曲を題材にすれば、無論これはこれで立派な、楽しい演奏。ただし、楽しいNardisなんて聞きたくねぇぞ、という人は聞くだけ時間の無駄です。
- Ginparis Session, June 26, 1963/ Masabumi Kikuchi
懐かしい銀巴里セッションで、菊池プーさんがピアノトリオでやっています。
- Dedication/ Gomez, Eddie
ピアノにStefan Karlsson、フルートがJeremy Steigとまるでエヴァンスのようなアルバムで、その通りエヴァンスに捧げた盤。それらしい曲が並んでいて、その中でもベースがぐんぐんリードするNardisは、ゴメツは本当はエヴァンスともこんな風にやりたかったのかなぁ、と考え込ませる演奏です。
- The Great Jazz Trio at the Village Vanguard
ピアノトリオ。このヴァージョンは、Hank Jonesらしい演奏で、Evansのような切迫感はなくゆったりした演奏です。しかし、ロンが実に良いアドリブを聞かせて、さすがぁ、と思わせます。
- Equilibres/ Gilles Hekimian
欧州系ピアノトリオの特徴をもつ人の演奏です。
- Music of Bill Evans/ Kronos Quartet
弦楽四重奏。Evans芸術理解のために、一度は聴いておくべき演奏。ヴァイオリン2、ヴィオラとチェロ各1と言う4重奏団がNardisを含むエヴァンス曲を聞かせる。Nardisでは、Eddie Gomezが参加してビートをしっかり入れている。個人的には、弦ものは引きずるのがイヤですが、これは時々引っ張り出して聞く。
- Eddy Louis Trio
Kenny Clarkeに強い影響を受けたフランスのオルガン奏者によるトリオ演奏です。
- First Meeting/ Milcho Leviev + Charlie Haden
デュオ物ですが、良い味です。
- Don't Be Shy/ Pete Malinverni
溌剌としたトリオ演奏です。
- Goodbye for Bill Evans/ Shelly Manne
エヴァンスの死の直後に来日した時のライブ。共演したことがあるだけに、色々と感じる所があったのか、と。
- Live at the Village Vanguard/ Michel Petrucciani
ピアノトリオ。冒頭曲のNardisの出だしから、エヴァンスと共通点はありながらも、やっぱ違うペトさんの音選び。Those Groovy Cats/ Michel Petruccianiでも指摘したように、もっと人生を楽しむ人のジャズという印象が強い。それ以外にも、実際は兎も角、ペトさんの方が指が太そうな音がする。ドラムスが、Eliot Zigmundという点は共通しているが、、、
- Conversation/ Michel Petrucciani
ピアノ・ギターのデュオ。ペトさんと親父さんの共演盤。ヴァンガード・ライブと展開は共通するが、実に熱の入った良い演奏で、弾き方は違うが、エヴァンスもこういう演奏なら脱帽と言った筈。
- Outlaws/ Jeremy Steig
ピアノ・ベースのデュオ。ECMらしさとスタイグらしさとが巧くはまったNardisです。
- All of You/ Trio Acousitc
東欧風に料理したNardisです。
- Portrait of Bill Evans
その他では、以下のものがあるようですから、手持ちがあれば改めて聞き比べて見ると、又新しい聞こえ方がするかも知れません。
- I Remember You: the Legacy, Vol. 2 / Baker, Chet
- Exploraitons and Impressions/ Beirach, Richie
- Live at Maybeck Recital Hall, Vol. 14/ Broadbent, Alan
- I Remember You/ Catherine, Philip
- This One's for Bill/ Drew, Kenny Jr.
- Now and Then: a Tribute to Bill Evans/ Forman, Mitchel
- In the Same Breath/ Frisell, Bill
- After Hours/ Hardy, Hagood
- Kicker/ Henderson, Joe
- My Reverie/ Kawasaki, Ryo
- Free With Lee/ Konitz, Lee
- In Zurich/ Manne, Shelly
- McJolt/ McClure, Ron
- Catching Up/ Mraz, George
- Maestro/ Parlan, Horace
- Musically Yours/ Parlan, Horace
- Jazzbuene Berlin '83/ Parlan, Horace
- O Grand Amor/ Perry, Rich
- Nardis/ Raney, Jimmy
- Ezz-Thetics/ Russell, George
- As If/ Satoh, Masahiko
- Music Is My Life/ Schuur, Diane
- Bop City/ Sidran, Ben
- Standards (and Other Songs)/ Stern, Mike
- In a Different Light/ Swartz, Harvie
- Solo Concert/ Towner, Ralph
- Introducing the Trio/ Werner, Kenny
- Let's Play/ Willis, Larry
- At the Vanguard/ Woods, Phil
- Embraceable You/ Woods, Phil
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