At the Montreux Jazz Festival/ Bill Evans Verve J33J-25001 | ||
1 One For Helen 2 A Sleepin' Bee 3 Mother Of Earl 4 Nardis 5 I Loves You Porgy 6 The Touch Of Your Lips 7 Embraceable You 8 Someday My Prince Will Come 9 Walkin' Up 10 Quiet Now Bill Evans p Eddie Gomez b Jack Dejohnette ds Recorded in Jun 1968 | ||
Bill Evansへの入門作としてよく紹介される。この城のジャケットによって、ジャズと縁の薄い人にも知られているライブ盤中の名盤。フランス人の訛りの濃いMCによって導かれて、製作のヘレン・キーンに捧げられた冒頭曲「One For Helen」が始まると、誰でも最初は「何じゃこのベースは」と言ったものだ。ギターか、と思える程速い運指に加えて、ライブではそれほど聞こえない弦の弾奏のビビリにも似た音が異常に大きく録音されており、ベースは新しい時代に入ったのです。これ以降、ベースのコマのところにマイクをつけて、このような音を付加することが当たり前になったが、それはこの盤が嚆矢でしょう。ともあれ、演奏はBill Evansとしても、ピアノトリオとしても一級品であり、Eddie Gomezのベースも妙味たっぷりです。Eddie Gomezは、長年、いつかはBill Evansトリオのベースを弾きたいと渇望していて、願いかなってその位置に収まり、その後数年、活動をともにしました。好きな盤を繰り返し聴くうちに、曲が終わると次の曲が耳の中に聞こえてきて、全体の流れで自分は聴いているんだ、と自覚させられることがありますが、これもそういう盤。 |