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「Equinox/ Dwight West」(4) : Equinoxのヴォカリーズ版に付けられた歌詞
  • 「Equinox/ Dwight West」についてのメモの第4回目です。御本人にメールをしてどこかに歌詞を掲載していないかを聞いたんですが、なしのつぶてですので、詮方なくCDのトラックからの聴き起こしで、このメモを締めることにしました。前回の分はここここここにあります。
    「Equinox(彼岸)」への歌詞の付加
  • 右掲の「Coltrane's Sound」盤に収録の「Equinox」には、各界のヴォーカリストがそのメロディに合わせて自分なりの歌詞を作り、かなりの数のヴォカリーズ版が世に出ました。前回のメモでも書きましたが、その中でも、まぁ、ジャズ畑の人と言って良いDwight Westのヴァージョンと、それよりももっとブルース寄りだとアノPeter Barakanが言うJose Jamesのヴァージョンとに、触れずには置く訳にはいきません。
    ヴォカリーズの正式認証?
  • (一寸余談になりますが・・・)「Equinox」のヴォカリーズ版に限らず、既にあるインスト曲に後から歌詞を付けて発表する時、時折問題になるのが原作曲者との折り合いです。Coltraneの場合、彼の死後に財団が出来て、そこが彼の著作権関係の取り扱いをしており、一時期は妻のAliceが一手にやっていました。彼の曲を演奏すると一定の演奏料が財団に入るのは、我が国のカスラックのやり方と同様ですが、神経質な財団の場合は原曲者の権利として改変等に対して厳しい態度を取ります。Jose Jamesは律儀な人なんで、自身のヴォカリーズ版の公式認定を財団に申請舌と言います。しかしAliceがOKと中々言わず、数年経ってからやっと実際に彼の送ったテープを聴いて、条件付きでAlice自身が認証を与えたようです。ヴォカリーズをパロディの一種と見れば、マッド・アマノ対白川義員の「パロディ作品訴訟」があるように、場合によっては訴訟になる面があります。(白川さんは、自分でも会心の出来と信じる雪山の斜面の素晴らしい写真に、自分の了解も得ずに「タイヤを転がすという改変」を加えられたのが、我慢できずに訴訟に及んだのでした。)インスト曲に勝手に歌詞を付けて唄っても良さそうですが、原作曲者の名誉を傷つける形でやったとしたら、道義的にマズイ面があります。所が「名誉を傷付ける」と言うのは曖昧な概念で、凄くシビアに考える(あるいはとにかく何が何でも故人を守りたい)場合は、財団の担当者が嫌だと思えば、名誉問題だと難癖を付けることが可能です。ヴォカリーズの世界では、現実には皆が好きにやっていますが、このように訴訟にする気なら出来なくはないのです。そしてColtraneに尊敬置く能わざるJose Jamesは、律儀に財団の公式認証を求め続けて、了解されてからレコードにしたと言います。Dwight Westの場合は、自分の歌詞の認証請求をして蹴られたらしいですが、それはそれとして、CD自体は発売されています。
    Dwight Westの付けた歌詞
  • 「Equinox」にDwight Westが付けた歌詞ですが、元のCDトラックから出来るだけ多くを聴き取った積りですが、文末や口ごもり部などで不明瞭なところがやはりありました。不明瞭な部分にもし否定的な語句が入っていれば、読み込みが大外れになるんで、ご本人が眼通しした歌詞を見たかったのですが、仕方ありません。以下が、NelsonがCDから聞き取れた部分です。不明瞭な個所は「・・・」で示しています。
    1. From John Coltrane... from John Coltrane,
      More love has came from John Coltrane.
      He was such a guy, music was ... split and mighty large.
      If you ever have any doubt, to what jazz music is about.
      Equinox played by Trane, opens up both sides of your brain.
      Listen and just don't feel the same at the head of your musical train.
      ...
    2. Autumnal Equinox, Vernal Equinox, in September and March.
      Night and day has equal part.
      It has been twice a year, equinox in the atmosphere.
      We're livin' in the times of war.
      Bush Administration finishin' his father ...
      Scores of people condemned to death.
      Capital punishment is so unjust.
      When you think it's OK, we keep Bush wax....each and every day.
      ...
    3. When God created the Equinox,
      the plan was for man to stand for equality and ...
      after crops he got.
      We must feed the hungry to sustain the humanity.
      ....
    4. God gave a gift to Trane.
      Covers a lot of plain.
      Trane's music is such songs.....
      For me, Equinox is one of those.
      ...
    5. For Spetember 23rd, God for Trane to this world.
      He was ahead of his time.
      Trane's music blows every body's mind.
      There's only one time.
      Coltrane might be the same, music might be the same.

    拾い聴きですが、何となく・・・
  • 完全な聞き取りが出来ていないので和訳など出来ません。それでも断片的に読み取った部分だけでも、Coltraneを敬愛して止まないDwight Westの気持ちが判る気がします。
    1. ジャズ、コルトレーン、愛・・・と言ったことに思いを馳せるのなら、この「Equinox」を一度は聞いてみるべきだ。
    2. 秋分(Autumnal Equinox)と春分(Vernal Equinox)・・・9月と3月に夜と昼の長さが同じになる。神がお彼岸の日を作られたのは、人が平等に暮らし、飢えに苦しまずに済むことを願ったからだ。
    3. コルトレーンが「Equinox」等の素晴らしい曲を書けたのは、神の賜物だ。
    4. 神は正にその秋分の日に(誕生日として)コルトレーンを世界に送り出した。彼は時代の先を行っていた人で、全ての人は彼の音楽に心撃たれる。

    ・・・ということで
  • Dwight Westのヴァージョンの何よりの魅力は、サイドメン等がトレーン流を弾きこなし、吹きこなす人たちである点です。歌詞を低音タップリの声で聴かせた上に、脇が付けるフレーズがトレーン流なのですから、立派にジャズ・ヴォーカルとしての体をなしており、こたえられません。
  • もう一人の、Jose Jamesの方は前掲したYoutubeの動画でも判るように、ジャズ一本の人では無さそうです。しかし、Coltraneへの敬愛の度合いはかなりなもので、実際にも「Naima」、「Equinox」、「Central Park West」等、多くのColtraneの曲に歌詞を付けて、唄っていると言います。
  • こういう、Jose Jamesのような若手の音楽家が、ジャズ一本じゃないけども、Coltraneの辿った道、残した偉業を讃えていると言うこと自体が、Coltraneの偉大さの生きた証しであると言える筈です。

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