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「Equinox/ Dwight West」再々訪(2): Equinoxのヴォカリーズ版
  • 「Equinox/ Dwight West」についてのメモの第2回目です。前回の分はここにあります。
    インスト曲への歌詞の付加
  • 右掲の「Coltrane's Sound」盤に収録の「Equinox」はジャズ界の耳目を惹いたようで、多くのカバー版が出ています。Youtube でも、息子であるRavi Coltraneがやったモノや、弟子のPharao Sandersがやったモノ等の代表例が聴けます。ジャズメンだけでなく、この曲を聴いたヴォーカリストも、この曲にかなり惹き込まれだと思え、多くのブルース、そしてゴスペル歌手が、この曲を唄っています。
  • ・・・とは言え、この曲自体はインスト曲ですから歌詞はありません。そこで顔を出すのが「ヴォカリーズ」という手です。クリックしたら出るリンク先の説明にあるように、インスト曲にヴォーカリストが歌詞を勝手に付けてしまうのです。そんな勝手なことを・・・と思われるかもしれませんが、まぁ、ちょっとパロディーに似た活動です。
    ジャズメン、著作権、そして財団
  • その昔、マッド・アマノ氏と白川義員氏との間で起きた「パロディー裁判」のことを覚えていらっしゃる方がいらっしゃるでしょう。この裁判の主題は写真のパロディーでしたが、音楽のパロディーは成立します。ジャズに限らず曲には著作権があって、作曲者に道義的にも、経済的にも敬意を払わねばなりません。「Equinox」はインスト曲であり、歌詞は無いから少し様子が違いますが、パロディ−に似た弱い権利関係が成立するようです。つまり、ある作品のパロディーは、原著作権者の権利こそ及ばないものの、道義的には原著作者から好意的な了解を取り付けておくべきだと言うことのようです。以下に、この曲のヴォカリーズ版を列挙しますが、その多くの人のサイトに行ってみると、トレーン財団に「認証を求めている」という記述があります。
  • この財団は、John Coltrnaeの著作権などの遺産を管理する財団法人で、多くの物故ジャズメンには、こういう財団が以下の通りにあります。
    1. The John and Alice Coltrane Foundation : http://www.johncoltrane.com/index.html
      いわゆる「トレーン財団」で、権利認証について次のような条項が定めています。
      「Licensing Items
      Artists, music managers, record company executives, and publishers require mechanical licenses for use of music. Licenses can be issued for a photo, poster or likeness shown in a filmed sequence. Also, clearance is required for the mention of John Coltrane name in any commercial media.
      Those interested in obtaining a license for use of the music of John Coltrane or other Jowcol music can contact: Jowcol Music 」
      「トレーンの名前に商業的な場で言及する場合には許可が要る。」ってのもスゴイですね。しかし、どう読んでも、トレーン作曲の曲に歌詞を付けたら、許可を取りなさいとまでは書いてありません。無論、「Equinox」を公共の場で演奏すれば、クラブは然るべきお金は払うのでしょうが、自作の歌詞に使用料は必要ないのです。まぁ、トレーンに敬意を表するためにも連絡をしている・・・というくらいの事なのでしょうか。
      他のジャズメンにも、同様の財団が以下の通り、あります。
    2. Estate of Charlie Parker : www.cmgww.com/music/parker/
    3. Bill Evans Estate : https://ja-jp.facebook.com/billevansestatepage/
    4. Estate of Miles Davis : https://www.milesdavis.com/news/estate-of-miles-davis-official-site/
    5. Duke Ellington Estate : www.dukeellington.com/
    6. Count Basie Estate :
    7. ・・・・・

    これはつまり、自分は勝手にトレーンの領域を犯す気は無く、こういう歌詞を作って唄っていると申告してあり、認証をくれるように財団に要請している、ということを付記して、正当な原著作者であるJohn Coltraneの権利を尊重するだけの常識があると言っているわけです。調べた限りでは、その結果として、「財団が正式に当該歌詞を公式の歌詞と認定してくれた。」と報告しているサイトはありませんでした。それでも、そのことを書いておくことは大事なのでしょう。
    ヴォカリーズ版の数々
  • 結果として、Nelsonは「Equinox」のヴォカリーズ版としては、「Dwight West」のものが、曲との馴染みが良く、しかも歌詞の内容がトレーンの目指したジャズと、彼の(かなり抹香臭い)生き方とを上手く表現していると思います。しかし、中にはこういうヴァージョンも悪くないなぁ・・・と持ったのもありましたので、ご興味がある方は以下のリストから、ご自分の好きなヴァージョンを探されるのも良いかも知れません。
    「Equinox」のヴォカリーズ版の動画一覧 (調査中)
  • リストは今、鋭意作成中orz

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