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John Coltraneの墓参(5):蓮の花と共に(2015)

  • Coltraneの墓参に関するメモ(4)の続きで、メトロからLIRRに乗りついで墓地に着き、墓石を探すところまで来ました。

  • 事務所のオジサンが手渡してくれたカードは上掲のようなもので、名前だけで没年月日と所在番号が検索できるようです。今回は行きませんでしたが、ここにはCount BasieKing Curtis等も埋葬されていて、以前にメモしたMilesEllingtonHawkinsBagsRoachなどが埋葬されているWoodlawn Cemetary(Bronx)に次ぐ、NYC絡みで他界したジャズメンの御用達墓地です。

  • 墓地は国立(?)公園の一部で、墓地はLIRR線の北になります。米国ではこれが普通なんでしょうか、兎に角広大であり、お墓の場所が判っていないと迷うこと請け合いです。オジサンはそれが仕事らしく、上掲した墓地の全体図を呉れて、ここが、現在いる事務所で、ここからメインの道路に出て・・・云々かんぬんと所在番号を追って探していく方法を丁寧に教えてくれました。それでも、その近くに着くと、辺りは似たような墓石ばかりですぐには見つかりません。やはり基本に戻って、所在番号の座標軸を丁寧に追って行くと、カミさんがお目当ての墓石を見つけてくれました。




    左の真っ白なプラスティックで、真四角の板が、数年前に見付けた仮の識別票で、街区番号が上掲のカード通りに「1−13−3−4−31」であるのが見て取れます。右は今回の夫婦としての墓石の脇にある識別票です。識別票の奥にある花はカミさんが摘んできたものです。その下の黒い丸穴は奥から引き出すと花瓶になっているのですが、そこは遠慮して使いませんでした。
  • 何とも立派な墓石で、Coltrane家のお墓と言うことなのでしょうか、姓のみが彫り込まれていて、本人とアリスの他に、家族も埋葬するのかも知れません。簡潔に蓮の花だけで装飾された良い墓石だと感心しました。蓮の花、Lotus Blossomというと、Kenny Dorham、そしてインドと連想できます。Coltraneは名曲「Lotus Blossom」(別名は、Asiatic Rae)をライブなら兎も角も、録音はしていないみたいですから、そっち方面ではなく、一時傾倒していたインド音楽のラビ・シャンカール、それからヒンドゥー教、仏教等の宗教の線から、息子さんが選んだアイコンかも知れません。またご本人だけのことを考えれば、瞑想なんて言葉が好きだったようですから、ゆっくりと蓮の花の上で瞑想し続けていてくれという思いかもしれません。




  • 取り敢えずColtraneの正式というのか、公式というのか、立派なお墓に行って、アイフォンで彼の名演である「I Want to Talk about You」を流しながら、しばしその偉業に敬意を表して来ました。ご興味が無い方には、「何ともご苦労さんなこって・・・」と言うことなんでしょうが、Nelsonにとっては格別のことなのです。恐らく、彼のOriginal Quartetが編み出した本線モダンジャズにおける「アドリブの展開と解決の、新たな典型の提示」は、もう没後半世紀近くが経つ今でも比類のない偉業ですし、誇張ではなく聴く人に勇気を永遠に与え続ける、とNelsonは信じています。そんなことに思いを致しながら、帰途にはクイーンズの103丁目、Corona Plaza駅を降りて直ぐのメキシコ料理店、「Tulcingo」を再訪して、精進落しをしました。
  • 更にもう一言、我がサイトなどは足元にも及ばない大手サイト、「ジャンパラ」さんのことに、ここで触れないわけには行きません。同サイトは、今や来訪者数が5千万ヒットに達していますが、ホトホト感嘆するしかないほど精力的な、主催者Kajiponさんは、墓参分野でもスゴイ方です。今現在は「文芸ジャンキーパラダイス:欧州墓巡礼オフ」と題して、6月20日から8月29日にわたり、欧州39か国の約800人もの偉人の墓参巡礼をなさっている筈です。そして、この方が2009年になさった同好の墓参巡礼も物凄くって、「全米一周大巡礼:40日間35州230名」と言う感じで、お二人でレンタカーを駆って、「根性、根性、ド根性!」と標榜されているのが頷ける過酷な行程をこなされたようです(重要人物マークが、John Coltraneには無いのはご愛嬌(^^;)。Nelsonのように、NYC滞在ついでに数人のジャズメンの墓参をしたなんてのは、ヒヨッ子も良い所と、恥じ入るばかりですが、せめてそのサイトをここで御紹介するくらいは許されるかと思い、ここに付記しました。詳細は、上記のリンクをお辿り下さい。

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