(Home - 「ご当地ジャズメン列伝」 /「Philadelphia」 / BACK)

Kenny Barron (1)

  • Barron家には、兄弟姉妹合わせて5人おり、有名なピニストのKenny Barronは末っ子です。この人は1943年生まれというからLee Morganよりも5コ下です。「Philly出のジャズメン」として、若手と言えないまでも、中堅くらいであり、実はNelsonと同い年です(^o^)。母親のRellaは、若い時にピアノを習得したことが何かと役立ったことから、子供に音楽教育を施すことに熱心でした。大学等の学校教育を受けるのはかなりの学費が要るので困難であり、音楽、スポーツなどの分野で活躍するのが通例な時代で、Barron家の子供は全員が、自宅のアップライト・ピアノで音楽に親しむ様に躾けられたようです。Kennyは兄弟が弾く曲を耳コピで直ぐに覚えて、楽譜無しで弾いて見せたこともあり、6歳からクラシック・ピアノを習わせて貰えたと言います。10代になると、あのRay Bryantの姉である、ゴスペルのオルガン奏者、Vera Bryantの指導を受けたというから、世の中は狭い。(上記写真は、近年良く一緒にやっているベースの北川潔とのKenny Barronトリオの面々)
  • サックス奏者になったBill Barronは、Kennyと16歳も年が違う兄です。Cecil Taylorと共演するなど、 新規の音楽理論に傾倒していて、地元のTed Cursonと組んで、尖ったバンドをやっていました。
  • Kennyは正統的な本線モダンジャズのピアニストです。Kennyは早熟で、14歳の時からもうジャズの仕事をして、10ドルくらいは貰っていました。そういうギグは、殆ど兄貴のBillと一緒でした。 地元のジャズメンである先輩格のPhilly Joe Jones、Jimmy Heath等に良くギグで使って貰っていました。後に、Yusef Lateefがピアニスト抜きで街に来た時には、Jimmy HeathがKennyを使ったらと助言しています。それやこれやで、Kennyは1961年、18歳の時には、もうNew Yorkに出ています。
  • NYCではマンハッタンの真ん中で、一寸東のバワリーにあるアパートに住んだんですが、そのご近所の様子が面白いことこの上ありません。先ず隣の部屋が兄貴のBillなのはご愛嬌ですが、下の階にはElvin Jones、Pepper Adamsが居ました。Ted Cursonが近くに夫婦で住んでおり、同じ通りにはLee Morgan、Al Tootie Heath、Spanky DeBrest、Reggie Workman(この4人全員が、Philly出身の同郷ジャズメン)がいました。アパートの近くには、「Five Spot」があり、Freddie Hubbard、Aretha Franklin、James Moody等を見かけたそうです
  • 70年代初め頃には、兄弟でバンドを持ったこともありますが、80年代に入るとKennyが本線のピアニストとして引く手あまたになって、別々の道を辿ります。Kennyの盤は100枚以上あるそうですが、我が棚にはリーダー作が30枚強、サイドメン物が20枚程度あるのみです。(上記写真は、Red Mitchellとのデュオ盤での2ショットです。この盤では、彼のオリジナル曲「Sun Shower」の名演が聴けますから、本線モダンジャズがお好きなら座右に置くべき盤)
  • 上記したこの兄弟の簡単な記述だけでも、Philly絡みのジャズメンが、Ray Bryant、Philly Joe、Jimmy Heath、Yusef Lateef、Ted Curson等々が何人も出て来るのには、Nelsonも調べていて驚くばかりでした。これが、米国におけるジャズメンの強みに他なりません。
  • BillとKennyとが兄弟で共演した録音には、「The Tenor Stylings Of Bill Barron (1961)」、「Modern Windows (1961)」、「The Leopard (1962)」、「The Hot Line (1962)」、「West Side Story Bossa Nova (1963)」、「Jazz Caper (1978)」、「Next Plateau (1987)等があるようですが、恥ずかしながら全部未聴です。(録音と記したのは、市販ではなく私家盤もあるためです。)
  • Kennyには同郷のジャズメンと共演した録音も多くあります。 調べた限りではPhilly Joe(2枚)、Jimmy Heath(10枚くらい)、Ted Curson(4枚くらい)、Yusef Lateef(10枚くらい)と結構あります。
  • 以下は、ここにあります。
(Home - 「ご当地ジャズメン列伝」 /「Philadelphia」 / BACK)
アクセスカウンター