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「お宝」音源の固定

  • 市井のジャズファンでもジャズを少し長く聞いていると、CDとしては売っていない音源が溜まってくるものです。Zenでは出来ませんが、Nomad Jukeboxではアナログ音源から直接にデジタル化が出来ます。
  • マスコミに勤めている人ならば、いろんな機会にライブ公演の生撮りヴィデオなどのコピーが手に入るものだそうです。そのようなツテの無いNelsonでも、こまめにテレビなどのヴィデオからとった音声のテープが結構溜まっています。ライブの放映があると聞いて、ヴィデオで採りながら見ていると、結構良い演奏があって、感激します。また、ジャズの歴史的な映像や、あるジャズメンに焦点を合わせた番組が、頻繁ではないにしても、たまにあるものです。こういうのを溜めて置いて、大事にしている人は多い筈です。
  • Nelsonも、ベータがあった頃からそれなりに録画はしており、また市販のビデオテープ自体を買ったこともあります。これらは、多くは音声をカセットに落としてあり、カーステレオなどで楽しんできました。でも相当の年月が経ち、その音質の劣化が気になっていました。「デジタル化してしまったら、もう劣化しないだろうになぁ」と、常日頃から考えていたのです。こういう「お宝」音源の固定も、今回Nomad Jukeboxを買った大きな理由です。
  • ということで、大したことはありませんが、Nelsonにすれば大事なお宝音源を、以下のとおり、今回Zenを使ってデジタル化しました。全て、CD化はされておらず、そういう意味で大事なお宝です
    • Song from the Old Country: George Adams、Don Pullen、Cameron Brown、Danny Richmond
      これは、87年のマウント富士からのものだと記憶しています。George Adamsの狂いぶりが会場は言うに及ばず、その後のメディアでも大評判になったものです。それに加えて、Don Pullenがまた舞い上がったアドリブを聞かせて、会場はヤンヤの喝采です。これは、何度聴いてもすごい演奏です。
    • Song from the Old Country: Michel Hendricks、George Adams、Don Pullen、Cameron Brown、Louis Nash
      これは、前年のマウント富士での上記熱演に続く大熱演です。Michel Hendricksがヴォーカルでリードしますが、柔らかいながらも切れの良い声で、スキャットも凄い活舌ぶりで、ア然としたものです。George Adamsも、前年と同様に熱いアドリブで、会場は彼らがこの曲をやるかどうかと、固唾を呑んでいただけに熱狂しています。また、Don Pullenも更に輪をかけて頑張って居り、例の「コブシ転がし弾き」で圧倒的な支持を受けています。確か映像でも眼はうつろ、ヨダレだらだらだったCameron Brownの粘っこいベースも素晴らしいものです。前年とこの回との間にDanny Richmondが死んだということで、映像ではLouis NashのドラミングにDanny Richmondのそれをカブラセて写し出していましたネ。とにかく、この人たちの普通の演奏と違って、判りやすく楽しめるボサノヴァですから、これだけの評判になったんだと思っています。どちらかと言うと、87年の方が普段に近い、狂った演奏だと言えるでしょう。
    • Hello: 古野光昭、本田俊之、板橋文夫他
      これは、何かのジャズ番組から録画しておいたものだと思います。板橋さんのファンなので、ライブの時に、所蔵の十枚以上のLPを持参して、サインしてもらったことがあります。「オレより持ってンじゃん。あぁ、こんなのもあったなぁ」とか言いながらサインしてくれました。カミさんがその時に、「昔やった、古野さんとのLionel RichieのHelloは覚えてますヨ」と言ったら、「そんなのはやってない」と言い出して、カミさんが困ってました。現にこっちはその音源を持っているし、別の機会の「Grand Slam」で古野ー板橋録音を持っているんですが、別に言い争いはしませんでした。この演奏は、本田が「泣きのアルト」をフル・トーンで聞かせ、板橋さんも良いアドリブをとり、古野さんは正に彼の持ち歌に溶け込んだような良いアルコを聞かせています。こういう凄い演奏でも、本人は忘れているんですねぇ。
    • In a Sentimental Mood: Michel Petrucciani、Gary Peacock、Roy Haynes
      これは、マウント富士88かと思いますが、記憶が定かではありません。ペトさんが普通に始めて、途中で倍テンポ入りをして、また元に戻ります。その間のGary Peacockのサポートの凄いこと、聴き惚れます。それにしても、この体格で、ピアノの大きさの方が目立つのに、そのピアノを完全にねじ伏せた「アノ指力(ゆびぢから)」に、ア然とした記憶があります。今でも、ネットで「アレ良かったなぁ」という書き込みが時々ありますね。
    • Birk's Work: Dizzy Gillespie、James Moody、Walter Davis Jr.、Ron Carter他
      これも、ジャズフェス物ですがどこのかは記憶していません。Dizzyの持ち歌で、ミュートでやるのは型どおりです。James Moodyは、何時もどおりで、可も無く不可もなし。次のWalter Davis Jr.が、ナントもグルーヴィーな、良いピアノです。ゆったりとした流れが絶妙で、手癖といえばそれまでですが、良いフレーズが出まくります。そしてこういう古い人に付き物ですが、ベースへの手渡しが実にナントも堂に入っています。恐らく、プロに言わせれば「うまく解決に持ち込んだ」と言うだけのことなんでしょうが、それを楽しむのがジャズです。そしてRon Carterのベース。悪い癖のプーーンというグリッサンドは殆ど使わず、しっかりしたウォーキングに「泣きのフレーズ」を混ぜ込んで、途中から裏で入るリフにもすかさず反応したりと、「お主、やるのぉ」の連続です。
    • Summertime: McCoy Tyner他
      これも出所不明ですが、ライブだから10分以上にも及ぶ長めの演奏で、この人のピアノの特徴が良く出ています。
    • These Foolish Things/ Richie Cole他
      これも出所不明で、巨泉さんのテレビ番組だったかなと思います。来日して熱い演奏を聞かせたので評判になったので、早速番組でも取り上げた、なんて経緯かと思います。その中でも、Richie Coleがヴォーカルを聞かせたこの曲は、ジャズへの情熱、メンバーの紹介等を即興の歌詞で聞かせていました。ダミ声ながら、実に堂に入った、巧さの光るヴォーカルで、「役者やのォ」と感心しました。ある程度ジャズメンをやっていると、色んなクラブでやりますから、その気のある人は自然にこういう裏技もこなすようになるんだと思います。、、、と書いてきて、このカセットが見付かりません。どっかにあるはずなんですが、暫く探すことになりそうです。兎に角、これはお宝の音源です。

    • カセットデッキからの入力を再生しつつ、プリから出力を出します。Nomad Jukebox3には、ミニジャッグ入力から、プリの出力を入れて、本体の中でデジタル化します。プリからテープ録音用のTape Rec出力を取り出し、RCA-ミニジャッグ変換コードを使って、Nomad Jukebox3に繋ぐだけです。本体のメニューから、「ライン録音」、「アナログ録音」、「スタート」とジョグダイアルを追っていけば、簡単に出来ちゃいます。このときは、パソコンと連携している必要は無く、単体で録音、変換が可能です。ただし、カセットの内容が流れで入ってしまいますから、次の項目のMP3 Cutterで編集して、トラック毎に分割する必要があります。残念ながら、ZenやiPodにはこの機能はありません。
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