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4バース・チェンジ (4 Bars Change/ 8 Bars ...)

  • 普通は4バース・チェンジと言いますが、英語の感覚で言うと「バー」と濁るべきではないかと思われます。
    Max Roachの妙技
  • 4バース・チェンジでは、フロント(陣)は旋律楽器ですから、当然原曲のコード進行に従ってアドリブをします。そのアドリブと、ドラムスのアドリブとの掛け合いは、曲想を生かしながらも、ドラムスのめりはりの効いたスティック捌きとが、巧く調和しているのが醍醐味です。その意味では、例えばMoritat: from 'Saxophone Colossus/ Sonny Rollins'等でのMax Roachは、実に爽快なやりとりを聞かせてくれます。この10分に及ぶMoritatの演奏では、テナーとピアノのアドリブに続いて5分25秒から6分30秒まで、テナーとドラムスによる4バース・チェンジがあります。実にもう、なんとも名人芸としか言いようがありません。そしてこの4バース・チェンジの間も、Doug Watkinsの強靭なベースが、二人をガイドするようにしっかりとコード進行をサポートし続けている事を聞き取ってください。ドラムスは元来は無音程の楽器と言えるのですが、Roachは数多居るドラマーの中でも「唄うドラムス」として有名ですから、フロント楽器のアドリブに対応した、まるで旋律楽器じゃないかと思わせるようなドラムスの叩き方を披露してくれるわけです。
    丁々発止の掛けあい
  • もう一つ、Crackle Hut: from 'Max/ Max Roach'も聞き逃せません。この演奏は6分足らずですが、その4分9秒から5分7秒までで、素晴らしいバース・チェンジが聴けます。Kenny DorhamとHank MobleyがMax Roachに挑みますが、平気の平左でMax Roachは2人をあしらいつつ、ここ一番で得意の手癖、「ツチャーッ、ツチャーッ」まで繰り出して、リーダーの貫禄十分です。もう一例、先に挙げたYou'd Be so Nice to Come home to: 'Art Pepper Meets the Rhythm Section'では、3分48秒から4分52秒までが4バース・チェンジです。Art PepperとPhilly Joe Jonesが掛け合いをやる裏で、Paul Chambersがしっかりとコード進行をウォーキングで押さえています。それに合わせて巧にアルトを聴かせるArt Pepperもスゴイですが、その動きに呼応してPhilly Joe Jonesが、色んなドラムスの叩き方で変化に応じているのも見事です。
    チェイスとの違い
  • 4バース・チェンジで丁々発止とやりあう、と言えば、「そんじゃぁ、チェイスじゃんか」と思われるかも知れませんが、これは違います。チェイス、あるいはバトルも、やはり4小節位づつ交代しながら掛け合いをするんですが、基本的に旋律楽器同士でアドリブの妙を競い合うものです。一つ例を挙げるとすれば、Jackie McLean、Donald ByrdそしてHank Mobleyと、フロント陣が何と3人も居るConfirmation: from '4,5 and 6/ Jackie McLean'でのチェイスは圧巻です。この11分を超える熱演では、先ずフロントの3人とピアノのMal Waldronが夫々、起承転結の良く決まった、素晴らしいアドリブを聴かせます。それぞれのアドリブの繋ぎにおける係り受けも絶妙でパーペキです。そして、9分18秒からがチェイスで、10分36秒まで続きます。Jackie McLean、Donald ByrdそしてHank Mobleyの3人が夫々に秘術の限りを尽くして渡り合います。名手Art Taylorも、このようなフロント楽器のチェイスを鼓舞しながらも、ドラムスの魅力をたっぷり聞かせてくれます。更には、たまにドラムス同士というのもありますが、これは特に「ドラム合戦」などと言います。ということで、4バース・チェンジは、上記したように普通は旋律楽器とドラムスが掛け合いをするものです。
    この楽しさ
  • 有名な4バース・チェンジを何例か挙げましたが、まだまだ一杯あります。皆さんにもお気に入りのがある筈で、それ程にこの「4バース・チェンジ」はジャズには無くてはならない楽しみです。
    近頃の若ェー衆と来たら、、、
  • お気付きかも知れませんが、近頃の若いのはこれをやりません。お決まりの手練手管と見下げているんじゃないか、と勘ぐって居ます。「大したアドリブも出来ないくせに、頭でっかちなんだから、、、」(と、つい筆が滑ってしまいました(^^;)

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