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植草オジサンもの

  • 植草オジサンは、映画評論、文芸批評等もされていますが、ジャズ関係の随筆も多い方です。肩書きとしては、フランス文学者、英文学者、風俗評論家、ジャズ評論家、映画評論家、コラムニスト、イラストレーターということになるのでしょう。恐らく晶文社の本が一番多いのかと思われます。
    その横顔
  • 植草オジサンもの 植草さんて誰だヨォ、という方は、別項の植草甚一叔父さん
    ジャズとPornography
    に横顔を紹介しておきましたので、そこを御覧下さい。50代になってから急にモダンジャズに興味を抱き、最初の半年にジャズを600時間も聞き、レコード店に200時間居た、というのは有名な逸話です。芸術に広い知識と理解を既に持っており、恐らくは世にある大抵の遊びの何たるかも弁えた「いい年をしたおとな」が、当時のモダンジャズにそれほど夢中にさせられたのです。50年代から60年代のジャズはそういう魔力を持っていたのだ、と今更ながらに気付かされます。そしてその新鮮で、オドロキに満ちた「赤子のような視線」を持ち続けて書かれたジャズに関するエッセィは、「他の凡百の書き手を顔色無からしめた」というほどの上質のものでした。外国語、外国文学、映画等々に関する該博な知識が根底にあるので、一見とっぴな事を言っているようでいて、よく考えると正鴻を得ているので舌を巻くことがよくありました。その書かれるものの特長は、例えば下記のような出版物のタイトルをみれば、自明でしょう。60をとうに過ぎていたに違いない方が、「ぼくたちにはミンガスが必要なんだ」というような標題を選ぶ事自体が、その人の確固たる生き方を如実に示しています。こういう物書きは、当時でも、殿山泰司さん位しかおられませんでした。(一寸、筆が滑っています)
    どういうものを書いておられたか
  • 晶文社のものを拾い上げてみると、次のような本が出ているようです。
    • (単行本類)
    • ジャズの前衛と黒人たち
    • ぼくは散歩と雑学がすき
    • ワンダー植草・甚一ランド
    • 雨降リだからミステリーでも勉強Lよう
    • 映画だけしか頭になかった
    • こんなコラムばかり新聞や雑誌に書いていた
    • 知らない本や本屋を捜したリ読んだり
    • 植草甚一読本
    • (植章甚一スクラップ・ブック)
    • ぼくたちにはミンガスが必要なんだ
    • モダン・ジャズのたのしみ
    • バードとかれの仲間たち
    • マイルスとコルトレーンの日々
    • いい映画を見に行こう
    • ヒッチコック万歳!
    • ぼくの大好きな俳侵たち
    • ハリウッドのことを話そう
    • サスペンス映画の研究
    • ぼくの読書法
    • J・Jおじさんの千夜一夜物語
    • 江戸川乱歩と私
    • ポーノクラフイー始末記
    • J・J氏の男子尊計
    • カトマンズでLSDを一服

    「モダンジャズの発展」
  • 上記の他に、スィングジャーナル社からは「モダンジャズの発展」という400ページものも出されています(上掲、68年刊、800円)。目次から植草さんが採りあげたジャズメンの名前を拾うと、次のようです。Gillespie、Parker、MJQ、Monk、McLean、Miles、Rollins、Brownie、Silver、Coltrane、Evans、Tyner、Dolphy、Cecil Taylor、Don Ellis、Mingus、Ornette Coleman、Konitz、Burton Green、Shepp、Marion Brown、Sun Ra、Sanders等々。僅か十数年の間に、こういう広い範囲のジャズについてそれなりのことを書くレベルにまで聞き込んだということが一つ。そして、見れば判るとおりに、結構前衛気味の人がお好きなんですが、同様にインテリっぽい鍵○さんなどと違って、地道に、熱いジャズも聴かれていることが伝わってくるので、却って前衛ものに関するお話が耳に入りやすいというのが二つ目の特徴でしょう。
    コラージュのこと
  • イラストレーター、という肩書きを冗談で紹介しましたが、色んな本を読んでいる時に目に止まったイラストを、読書に飽いた時などに切り抜いて、組み合わせて遊ぶのも植草さんの趣味でした。上記した本の殆どが、そういうコラージュで装丁されており、それがまた「気分」であったのです。
    どれでもいいから、先ず読んでみませんか
  • 百万言を弄するよりも、先ずは図書館に行って、植草さんの本を何冊か借りてきて読んでみてください、という方が早分かりです。ジャズが好きなら、そしてジャズが持つ不思議な魅力は何なんだ、とお考えの方は、植草さんの本を是非読まれるべきだ、と信じます。

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