- 先ずThe Little Giants/ Johnny Griffinを皮切りに
- Introducing/ Joe Gordon
- Memorial Vol 2/ Wardell Gray
- For Musicians only/ Dizzy Gillespie
- Swingin' with/ Bud Powell
- Amazing Bud Powell Vol. 5
- Sheriff/ Modern Jazz Quartet
- Getting around/ Dexter Gordon
- Wayning Moments/ Wayne Shorterといったところです
正に、序章から、「もうジャズ真っしぐら」状態です。そして大事なことは、こういう愛聴盤を心行くまで鳴らすために、佐久間さんはアンプを作り続けてきているということです。大好きな、熱いジャズの盤を聴くのに最も適したアンプを作る、それが佐久間さんのやり方なのです。
欧米でも評価抜群
佐久間さんのこういう工夫の事を書くと、「また変人の事を殊更に取り上げて」とおっしゃるかもしれません。「佐久間アンプに方形波を入れると、サイン波になって出て来る」という有名な逸話があります。多くの人がそれを知ったうえで、出てくる音の素晴らしさに参ってしまい、「それはそれ、これはこれ」と賞賛しておられます。「音は特性じゃァない」を地で行っておられるのです。佐久間さんは欧米での評価も高い人です。そして彼等は、佐久間さんの独自の研究を支えている音楽に対する情熱に、深く共鳴しているようです。例えば、佐久間さんは英国のラウザーというとても使い難いスピーカを、洋酒の樽に埋め込んで、ある種の盤を聴く時に鳴らすと良いということを考案されました。また、チューバの根本にアルテックのユニットを付けて鳴らすという手も編み出されました。さらには、「カートリッジの出力を直接DATに放り込み、そのDATの出力にイコライズをかけて、スピーカーを鳴らすと実に良い」ということを国内で認識させました。そして自前で欧州での試聴会を開催し、手練の方の揃ったイタリアやフランスで、その良さを実証して、喝采されたのです。欧州では音楽が生活に深く沁み込んでいるとよく言われます。そういう音楽愛好家が、言ってみれば常識ハズレな方法で佐久間さんの再生する音楽を聞いて、感嘆置くあたわずと絶賛するのです。一旦そこが判れば、彼等は率直に尊敬の念を表わします。これは米国でも同じです。今様のカッチリした、広帯域、低ノイズだが、どこか肌寒い再生音に違和感を感じた米国のマニア、コニサーはその反動で、今、真空管アンプを見直しています。その動きの中で佐久間(サクーマ)式を認識し始めているようです。是非御一読を
ジャズのために良いことであれば、どんなに常識ハズレでも試してみて、しかも良い結果を得られているのが佐久間さんです。そういう方の本ですから、アンプ製作本と思い込まずに、是非図書館ででも手にとって見てください。
少し前に、佐久間さんが別掲の平岡さんとやっているジャズ番組を、そのまま本に起こした「DJ」: 平岡正明・佐久間駿対談が出版されました。後付けで考えると、成る程この二人は息が合うはずで、その通りの面白い本になっています。まだ書店の店頭にあるはずなので、手に取って見てください。ジャズが判る方には、絶好の読み物ではないでしょうか。
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