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1961年はどういう時期だったか

60年代の皮切りになる61年におけるジャズの動向を、録音時期順に好演盤で眺めてみるとしましょう。
もっと詳細を見てみたい方は、Those Groovy Yearsのセクションに、1961年に録音された好演盤がありますので、そちらもどうぞ御覧下さい。
  1. Explorations/ Bill Evans
    2月録音。マイルスバンドでの刺激ある演奏活動に未練を残しつつも、LaFaroという生涯の友を得たBill Evansはトリオ活動を本格的に開始しました
  2. Someday My Prince Will Come/ Miles Davis
    3月録音。エヴァンスからケリーへの移行期にあるマイルス・バンドは、またテナーでもトレーンが抜けたがっており、モブレィが繋ぎをやっていました。同時期にはブラックホークでのライブがあり、そろそろ速めの演奏が目立ち始めることになります
  3. Out Front/ Booker Little
    3、4月録音。ドルフィー、リトルのコンビも何かを掴んだようであり、マックスローチの影響下でこれが吹き込まれています
  4. The Quest/ Mal Waldron
    6月録音。マルもドルフィーとの試行を続けており、重厚なアーヴィンの参加を得て本作を入れました
  5. Live at the Five Spot Cafe/ Eric Dolphy and Booker Little
    7月録音。そのドルフィー、マル、リトルの三位一体化が実現するのが、7月16日NYのファイヴスポットでのこの演奏です。
  6. Wynton Kelly
    7月録音。ジャマイカ出で、マイルスバンドで活躍し始めたケリーも注目されるようになり、自己名義のトリオで本作を入れています
  7. Art + Perception/ Art Farmer
    9月下旬録音。アートが生涯の傑作であり、自己の路線を確立する本作をNYで吹き込んでいます
  8. The Complete 1961 Village Vanguard Recordings/ John Coltrane
    11月上旬録音。コルトレーンの方向も確立したようであり、NYで行われたこの演奏はライブ録音され、彼のカルテットの全貌が明らかになりました。この時期はドルフィーも出入りしています。当初は1枚分しか発売されなかったが、最近4枚組み、5時間近いセットが出て堪能できます
  9. Chris in Person/ Chris Connor
    この年のヴォーカルとしては、本作と次の物を上げておきます。クラブの雰囲気が実に良く出た寛げる作品です
  10. Straight Ahead/ Abbey Lincoln
    上記ドルフィー、マル、リトルも入ったアビーの傑作です

以上の10枚の他、Bash/Dave Bailey(3月), The Warm Sounds/Johnny Coles(4月), Doin' the Things/Horace Silver(5月), Boss Tenor/Gene Ammons(8月)、Leapin' and Lopin'/Sonny Clark(11月下旬), Zoot Sims in Paris(12月パリ), Portrait of Thelonious/Bud Powell(12月パリ)などもこの年の収穫です。このHPで、61年分が50枚近くあります
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