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部屋の横使い(その1)
  • オーディオにおける部屋がもたらす影響の大きさは、軽視できません。そうと判っていても、Nelsonも子育ての最中は、聴き部屋なんてものは無く、リビングでジャズを鳴らしていたのです。リビングで優先されるのは、居心地であって、音が良いことではありません。子供たちは、階下から「ズンッ、ズンッ、、、」というベースのピチカートが聴こえてくる2階で勉強をするということを、自然なこと(^^;として育ちました。そのお陰で、今も音楽の流れる生活をしているそうですから、「良い教育をしたんだ(^o^)」と自画自賛しています。子供が居なくなった後を直ちに占領し、専用部屋を持てたのが、やっと数年前のことです。しかし、色んな工夫で確保した専用部屋であっても、他の部屋に囲まれています。部屋と機器の配置に問題があると判っても、「じゃぁ、この壁、ブチ抜きますか。」とか、果断に対処できるわけではありません。あきらめてしまうか、あり物の中で少し工夫するくらいが、関の山です。
    聴取位置での特性
  • 部屋の特性が気になれば、客観的なデータも眺めてみたいものです。カタログ掲載の再生カーブを見たり、自分で軸上数十センチでの特性を採ったりしている段階までは、「フム、フム、、、」なんて気楽な気分です。言う所の、「知らぬが仏」の段階です。その次の段階になると、聴取位置での特性が気になります。しかるべき機器を買うか、借りるかして伝送特性なんて採り始めると、先ず最初は、「ウヒャァーー、何じゃァ、この山・谷の連続は。」と絶句するしかありません。でも、専門誌のリスニングルーム探訪記事などに、結構良さげな部屋が載っていますが、どの部屋の特性も「山あり、谷あり」です。「まぁ、現実はこんなもんか。皆さん、こんな環境で聴いているんだ。」と判ります。でも、「こんな八ケ岳から日本海溝までの断面図かと思える曲線になっているのなら、スピーカーやアンプの2,3dBの起伏など、目くじらを立てることじゃぁ無いなぁ。」と落ち着きを取り戻します。とすれば、聴取位置での伝送特性や、残響特性なんて見ないほうが幸せかも知れません。「見ぬもの清し」とも言います。
    「FAV」
  • ここ数年のことでしょうか、@Niftyの(Web)フォーラム「FAV(オーディオ&ヴィジュアル・フォーラム)」で、「石井式リスニングルームが良さそうだ。」という書き込みを見かけるようになり、最近は専門誌でも特集記事が出るなど、その良さが認知されてきています。おっしゃっていることの裏付けも、一々実証的であり、頷けることが多くあります。今回Nelsonが試みた改装は、「日頃、手を付け難い所にも思い切った手を打とう。」という積もりなので、石井式で採りあげられていた「部屋の横使い」を中心に、出来る範囲のことはやってみようとしました。
    石井式
  • 石井式では、10分の1モデルによる周到なシミュレーションと、多くのユーザーの部屋を実際に調査することを通じて、いくつかの重要なことを提唱されておられます。関連記事及びHOTEI(こと松浦正和)さんから教えて頂いた同方式の概要を別記して置きますが、詳細は上記リンク先を参照ください。お読み頂いてお判りのように、Nelsonのように10畳前後の部屋で聴く場合、縦使いでは問題が出易く、それで困る場合の改善方法として、部屋の横使いという手が効果があるようです。そこで、部屋の縦使いと横使いについて、少しまじめに検討する気になったのです。
    これまでの縦使い
  • Nelsonは、「スピーカーとの距離を、ある程度取ることが必要だろうなぁ。」という漠然とした考えで、11畳くらいの部屋を縦長に使ってきました。大型に近いスピーカーを使っているせいでもあります。ある程度の配慮をした積もりですが、スッキリした音という意味では完全には満足していなかった状況です。自分では認めたくなかったんですが、今から思えば低音がモガモガ気味でした。良い音の部屋で試聴した直後は「何とかしなきゃぁなぁ」と思案するのですが、結局は「まぁ、こんなものかな」とアキラメ気分で、部屋を漠然と縦長に使ってきたのです。それを今般、部屋の横使いに挑戦してみて、良い結果が得られましたのでそれを「その2」としてメモしました。

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