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同軸スピーカーの長所と限界
  • 同軸スピーカーとは、ウーファーとツイターを一つのユニットに組み込み、その発音位置を同軸にそろえた形式のものです。オーディオの進展と共に、幾つかのユニットに再生帯域を分担させることが不可欠になっていますが、別個のユニットを複数駆動すると、発音源がバラバラになるという欠点が生まれますが、同軸構成の場合にはそういう欠点が無く、理想の「点音源」に近いという長所があります。Nelsonもそこに惹かれてこれまでに、テクニクスの8PX−1や8PW−1、そしてAltec409Bや409-8E等を使ってきました。コーン紙の真ん中がアルミドームであるユニットも同軸と考えてもよいとすれば、もっと多くのユニットがあります。
    短所は、、、
  • 結構好きなんで、短所は書きたくないんですが(^^;)、やはり現実には上記のように理想的なことにはなっていない場合もあります。問題は、両ユニットのつながりです。ウーファーの高音帯域では、分割振動の問題があり、ツイターには下限帯域で再生の苦しさがあります。別ユニットであれば解決の手が幾らもあるものの、同軸では最終的にウーファーの真ん中にツイターを持ってきて、1ユニットに納めなければなりませんから、そこにどうしても辻褄合わせというか、妥協が入ります。それを上回るメリットがある、というのが同軸派の主張です。
    開発の歴史
  • 諸説があるようですが、同軸構成を始めたのはJensen、それにWestern/ Altecが続いた模様です。JensenのG610は、時期的に早かっただけではなく、さらに3ウェイにまで構成を進化させました。形式としては、同軸ホーンとダブルコーンに大別できますが、ウーファーの中心に補助的なコーンを付けて高音を補強するダブルコーンは同軸に入れないという考え方もあります。その後、JBL、Tannoy、Electro Voice、Bozakと多くのメーカーが同軸を手がけました
    Jensen
  • JensenのG610は、ウーファーの真ん中をスコーカ-のホーンが貫通し、ツイターはウーファーのフレームに渡した橋の中心を外した位置に宙吊りではめ込んであります。ウーファーのコーン紙をスコーカ-のホーンの延長として流用するので、コーン紙は深絞りで奥行きがあります。3つのユニットの磁気回路は独立です。ウーファーは磁気回路が強烈で、オーヴァー・ダンプなのでホーン・ロードをかけるのが普通ということらしい。
    Altec
  • Altecについては、ここここに別途書いたので、ここでは繰り返しません。
    JBL
  • JBLには、古くはLE14CやLE12Cといった同軸ユニットがありました。いずれも当時の5センチ口径ツイターLE20を、前者は35センチ口径のLE14ウーファー、後者は30センチ口径の123ウーファーの中心に埋め込んだものでした。コンパクトな構成なのであこがれたことがあります。現在はLE175の流れを汲む小型ホーンを38及び30センチウーファーに組み合わせた2142、2152そして2155がありますが、一部はディスコンになっています。
    Tannoy
  • 今も健在な英国のメーカーですが、どうも日本と東南アジアの売上だけで食っているという噂がしきりです。2ウェイですが、Jensenに似たやり方で、ウーファーのコーン紙をホーンの延長に利用していますが、Jensenと違って磁気回路は共通のようです。かの五味さんを始め、多くのファンがいて、オートグラーフなどは神格化されんばかりの人気です。ユニット自体も、「Red Monitor」等といって愛されたようです。Tannoy IIILZという25センチのユニットに、人気があったりしました。箱鳴りをうまく使った音作りのようで、完成品を買うのが吉です。必ずしもクラシック向きということはなく、ジャズでもWestminster Royal等は良い鳴りかたをするそうです。
    Electro Voice
  • Electro Voiceの同軸ユニットにも人気がありました。ダブルコーンの30センチ口径のものや、ホーンを使った38センチ口径のものなどがありました。
    国産
  • 恐らく現行品で、同軸ユニットは無く、ロイーネのものがそれに近いのかもしれません。古くは、コーラル、パイオニアその他に良い製品がありました。コーラルの薄緑色のコーン紙と、弾丸型のイコライザーを中心に据えた20及び25センチの同軸は、店頭では元気の良い音がしていましたが、使ったことはありません。福音電気、というと「フっるぅー」と言われてしまいますが、今のパイオニアのホーン型同軸も、よく売れた製品だったと記憶します。
    ともあれ同軸は、、、
  • 今は、同軸ユニットを作るメーカーが限定され、自作の面白さは少なくなっているようです。英国のKEFでしたかが、「ユニQ」と称するユニットを中核に据えた既製品を作っており、これは派手ではないながら、良識ある人の支持を得ているようです。何か奥歯にものが挟まっていますが、つまりは「これで、ジャズを聴くのはなぁ」という気がします。恐らく誤解でしょうが、、、

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