1963: Take Ten/ Paul Desmond この人独特のマネの出来ない滑らかなアルトによる黒いオルフェに、ギターなどが綺麗にまとわりついて聞きものです。特にギターのアドリブの後半に実に巧いオクターブ奏法による泣かせフレーズの挿入があります。
1964: Second to None/ Carmen McRae これが決定盤の歌詞かどうかは知らないが、歌詞と歌唱の両輪が噛み合った名唱。「貴方と過ごしたあの目くるめく幸せの夜が明けて、恋は破れた。あの日々はどこへ行ってしまったの」という歌詞で、「Where Did It Go」という曲名まで付けている。おセンチと言わずに、恋する女の切ない想いに耳を傾けてみてください。この余り知られていない隠れ名盤を再発したソニーは偉い。
1978: Love for Sale/ Derek Smith ピアノトリオ。「A Day in the Life Of a Fool」と題されているので見落としていましたが、紛れもなく黒いオルフェです。基本的にキャラキャラの人であり、そういう人がバラードをどう料理するかという興味があります。出だしは、まぁ、ノー・リズム、テンポ・ルバートですが、アドリブに入ると本性丸出しで、やり過ぎではないほどにスウィングしまくりで、、、「コレもありでしょう」と納得できました。