Piano TrioといえばBill Evansと決めている方は沢山居ます。微妙なハーモニー、綺麗なタッチ、小節の枠を超えたアドリブの展開等が渾然一体となった独自のスタイルはピアノ芸術の新たな展開であったことは確かです、その後のピアニストに与えた影響の大きさから言っても随一の人でしょう。人気の一部は、悪癖のために晩年は食事もロクに採らずに、アメ玉を舐めることで栄養補給をしていたンじゃないの、と言われるような破滅的な生き方に何故か惹かれて、ということもあるのかも知れません。Riverside、Verve、Fantasyと移籍してもこの人の本質に変わりはなく、特にScott Lafaro、Chuck Israel、Eddie Gomezそして晩年のMark Johnsonと、Bassistとの息の合い具合で、途轍もない名演を多く残して呉れました。多くのピアニストが敬慕の念を表明しており、A Postcard from Bill/ Frank Collett (1994)等を含む多くのTribute盤も出ています。そのピアノの要諦に触れたい方には、Marian McPartland's Piano Jazz Interview with Bill Evansも「なーるほど」と頷ける興味深い盤です。
The Bill Evans Trio