1958年が本線モダンジャズの当たり年だと言うのは良く知られていますが、その年に当時のジャズ界で頭角を表して、人気大絶頂のSonny RollinsがMetro Jazz(Verve)から出した「Sonny Rollins: Brass and Trio」盤(右掲)を大昔に入手した時に、この盤の中の「What's My Name」と言うトラックで出食わしたスパイスに気付きました。ピアノレスなんで、一寸音が乾きすぎた感があるからでしょうか、あまり話題になるトラックではありませんが、Nelsonは結構好きな方です。
この時期はレーベルの渡り鳥をしていて・・・
Sonny Rollinsが世に知られるようになったのは、Prestigeから数多くの名盤を出した頃からです。テナーでは跡継ぎとなるJohn Coltraneはまだまだ駆け出し時分で一本立ちしておらず、Miles Davisのリズムセクションとの共演録音の時に遊びに来たのでゲストに呼んでやった「Tenor Madness」盤でも、双方の力量の差は歴然としていました。大物となったRollinsは引く手数多で、Prestigeとの専属契約から抜け出し、Blue Note、Contemporary、Riverside、Metro Jazzとレーベルを渡り歩いていていました。この「Brass and Trio」盤自体は余り話題にはなりませんが、中々の良盤です。その盤では、後にその近くの橋上でほぼ毎日練習に励んだと言う「Grand Street」というトラックも良いんですが、それなりのスパイスが使われている「What's My Name」も、耳を傾けるに値します。