その例が「Autumn Leaves/ Keith Jarrett」であり、「 Nardis/ Bill Evans」もそうです。そのどれもに枚挙の暇がない程に多くのヴァージョンがあります。しかし、それ等は決してダレることなど無く、やはり上記「名演アリ」の格言の言う所に納得せざるを得ません。そしてこの二つの名演には、イントロでの「掴み」において、共通するアプローチがあり、その夫々が「この人でなければ、コレは出来ない。」と納得させるものがあるので、それに触れてみたいと思います。ここでは、「Autumn Leaves/ Keith Jarrett」だと、NYCは「Blue Note」での26分強のライブ録音と、「 Nardis/ Bill Evans」では、「Maintenance Shop」での14分近い演奏(日本でもDVD化されていて、多くの人がご存じの音源)とを例にとってメモしますので、一度お聴きになっておく事をお勧めします。
Jarrettの方は・・・
一方の「 Nardis/ Bill Evans」も同様で、長ーーいイントロがピアノ・ソロで奏でられて、その後前テーマ提示に移っています。しかし、ここではEvans本人がMCをしているからでしょうか、
「今からやるのは、MilesやCannonballとやっていた頃のMilesの曲で・・・Nardisです。」等と能書きを言います。(この曲は、実はEvansの作曲だという説が根強くあるんですが、プロですからその辺のことは微塵も匂わせない曲の紹介をしています。)他のヴァージョンでは、上記「Autumn Leaves/ Keith Jarrett」と同様に、何も言わずにそのままソロに入って行くものが殆どです。そしてJarrettと同じように、