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Norman's

  • Normans今回のニューヨーク行で一番面白かったショップが、Cooper Squareにあるこの店、「Norman's」でした。写真でもお分かりのように、大阪の日本橋などに良くある中古屋という感じのお店です。ここの主人のNormanは、まぁ、アラファトに似た風貌の持ち主で、一人で店を切り回していました。新しい客が入ってくるたびに、「Can I help you ?」と声をかけて、探し物があれば即座にその棚にまで案内しています。気さくな人柄で、お客さんと気楽な冗談を言いながら、店内を駆けずり回っています。これで年中無休とは、ヴァイタリティーがあります。奥さんが日本人ということで、お子さんと一緒の写真を見せてくれした。隣に「メンクイ」というラーメン屋があるのが写真で見て取れますが、値段が全て10ドル近くで、まぁ、それほど食いたくなるような店構えでもなく、寄っていません。この近辺は、St. Marks Placeといって、レコード屋が一杯ありますが、JAストアとか、日本人関係の店が多い区域でした。
  • いわゆるオール・ジャンルという品揃えで、実に幅広く品物が揃っていました。ジャズも結構豊富に在庫しており、気に入った理由は本線ものが一杯あるからなんですが、スィング、フリー、チャカポコと何でも一通りは揃っています。さらに、ボックス物にも力を入れているらしく、モザイクのものなどがほとんど揃っています。「ジャズ物を見て回ったけど、実に良いコレクションで、気に入った。」と褒めると、「品揃えには自信がある。しかし、ジャズはそれほど売れ筋ではないので、在庫の質をキープするのに苦労するょ。」と語っていました。
  • 最初に行った時から肌合いが合う感じがしたんですが、ライブの予定が迫っていたんで、取り敢えず数枚買うだけに止めました。そして、2回目に行った時は、十分に時間が取れる日を選び、全数チェックを敢行したのです。いやぁ、結構良いのが続々と見付かって、20枚近く買うことになりました。途中でNormanが拾い上げたものをのぞきに来て、「ウン、これは良い盤だ。」とか、「これが良いのなら、こっちもどうだ。」とか、「これはなかなか無い盤で、めっけ物だょ。」とか、盛んに煽ってくれます。その会話からすると、彼も本線モダンジャズが好きで、それもあって良い品揃えなのかと推測できます。それがNelsonの勘違いで、実はロック専門だとしたら、彼の商品知識は実にレベルが高いと思います。良い買い振りだったからか、「Dexter Gordon/ Ben Webster」のライブDVDをオマケに付けてくれました。さらに、中華街の帰りに、「この辺だったな、、、」と思ってバスを降りると目の前がこの店で、「バス停を下りたら目の前がこの店だったんで、素通りできなくなって」とNormanにいいながら、また数枚買いました。その結果は、以下の通りです。
    1回目(6月7日)
    1. Money in the Pocket/ Cannonball Adderley (Capitol 77568) $14.99
      これは1966年録音という、古い録音の掘り起こし盤です。例の「Mercy, Mercy, Mercy」盤と同時期のライブ録音で、そっちが余りにもヒットしちゃったんで出しそびれたんだそうです。コテコテに近いファンクの香りが嬉しい演奏ばかりで、これもめっけものでした。
    2. Impressions in Blue/ Monty Alexander (Telarc CD85578) $14.99
      敬愛するRay Brownに献呈した盤で、いつものカリビアン色は抑えて、じっくり弾いている曲が聴かせます。
    3. Live at the Both/and Club/ Dexter Gordon (BPM BPE6101) $14.99
      ピアノのGeorge Dukeが1970年に一緒にやった時の出来が素晴らしかったので、自分のレーベルで権利を取って発売した掘り起こし盤で、完全な未発表トラックばかりです。30年経ってもその時のことを覚えていただけあって、内容もすこぶる素晴らしく、デックスおじさんも余程調子が良かったのでしょう。これは、堀出し物でした
    4. Boss Horn/ Blue Mitchell (Blue Note 3813) $9.99
      これも古い録音の掘り起こし盤で、素直な音出しながら聴く人を惹き付ける魅力がたまりません。Duke Pearsonの作編曲が中心なので、乗れること請け合いです。

    2回目(6月9日)
    1. Yesterdays/ Erroll Garner (Savoy ZDS4422) $14.99
      この人のSavoy音源は手持ちが無いはずなんで、買っときました。例のアフター・ビート全開です。
    2. Clubhouse/ Dexter Gordon (Blue Note 4228) $9.99
      フロントをFreddie Hubbardと二人で、そしてBarry Harrisトリオが脇をやるという1965年録音です。その当時、結構発売する作品が多かったんで、出しそびれていた盤だそうです。「I'm a Fool to Want You」のバラード・プレイは、別に難しいことは何もやっていないのに、ため息が出るばかりです。RVGのスタジオ録音ものです。これはお勧め
    3. Tenor Titans/ Dexter Gordon and Ben Webster (Impro Jazz IJ516 DVD) Gift
      オマケに貰ったDVDで、古い映像でした。
    4. The Message + Desert Winds/ Illinois Jacquet (Lonehill Jazz 582305 $17.99
      この人のテナーに配して、Kenny Burrellのギターという寛げることが保証付きの盤です。オルガンではなく、ピアノが付き合っているので、コテコテではなくって、きれいな仕上がりです。
    5. One Long String/ Red Mitchell (Mercury SSC 3063) $12.99
      1969年のパリ録音です。まだ若かったBobo Stensonのピアノが新鮮でした。
    6. Seasons/ David Murray (Pow Wow PWD7468) $17.99
      1998年録音で、表題どおりに季節がらみのタイトルを持つ曲ばかりを採り上げた、バラード集といっても良い盤です。脇が、Roland Hanna、Richard Davis、そしてVictor Lewisという名手ぞろいで、録音も良いんで楽しめました。
    7. Play Morricone/ Enrico Pieranunzi (Cam Jazz CAM5012) $15.99
      イタリアの大作曲家モリコーネの曲を演奏するという趣向の盤で、ベースのMarc Johnsonのサポートを得て、Enrico Pieranunziが心を込めて唄い上げていて、何んとも素晴らしい出来です。これも、お勧めです。
    8. National Collection/ George Roberts (TCB 9080) $17.99
      1990年のスイスにおけるライブ録音で、ゲストにClark Terryを迎えて、脇がDado Moroniのトリオという仕立てです。この人のアルトはなかなかの美音ですし、Clark Terryも交えたライブなんで寛げました。
    9. Zoot Suite/ Zoot Sims (High Note HCD7170) $14.99
      1973年という古い録音ですが、渋いJimmy Rowlesトリオをバックにしたライブ録音ものです。ベースのGeorge Mrazも良いですし、好調だった頃の演奏なんで、思わず聴き入りました。
    10. Strings/ Jim Snidero (Milestone MCD 9326) $9.99
      このアルトイストの紐付き盤は聴いたことが無いんで、先ずは試しにと買ってみました。Renee Rosnesのトリオも付き合っていて、スローでも破綻しないどころか、しみじみさせる良さがありました。
    11. Close up/ Jim Snidero (Milestone MCD9341) $9.99
      Eric Alexanderをゲストに、David Hazeltineトリオをバックにして、アルトを吹きまくる盤です、
    12. TNT/ Steve Turre (Telarc CD83529) $14.99
      彼のトロンボーンに、ゲストのJames Carter等のサックスを組み合わせた2000年録音です。
    13. Together/ McCoy Tyner (Milestone OJCCD955) $14.99
      Freddie Hubbard、Hubert Laws、Bennie Maupin、そしてBobby Hutchersonと、この人と相性が良いジャズメンが集まっており、いつものタイナー節が炸裂していて、ニンマリです。
    14. Misty/ Sarah Vaughan with Quincy Jones (Mercury 846488) $14.99
      Quincy Jonesバンドをバックにしたフランス録音の2枚をまとめた盤で、ボックスマン小山さんの発掘になるものです。こうして聴くと、「まぁ、実に唄のうまい人だったなぁ」と今更ながらに思いました。
    15. Incomparable Sarah Vaughan (Just Jazz JJCD1010) $12.99
      Roland Hannaのピアノ、Richard Davisのベースが付き合った盤で、かなり古い、1960年頃のライブ録音です。ラジオ音源かとも思われますが、そんなに音は悪くはありません。トリオをバックにした程度のこじんまりした、こういう編成でのサラも捨てがたい良さがあります。、
    16. Ramblin'/ Jack Wilson (Fresh Sound FSRCD 372) $17.99
      ちょっと珍しい人の、ちょっと珍しい盤です。Roy Ayersのヴァイブが入っていて、いつものJack Wilsonとは違う面が聴けて、貴重な盤です。

    3回目(^^;(6月20日)
    1. Get Ready/ Carl Allen/ Rodney Whitaker Project (Mack Avenue MAC1034) $15.99
      これは、このCDの発売記念パーティーに偶然出くわした翌日に、おっとり刀で買い込んだ盤で、ライブで聴いて興奮したまんまの演奏ばかりでした。本線がお好きなら、絶対のお勧めです。
    2. Live at the Iridium/ Monty Alexander (Telarc CD83610 2CD) $9.99
      この人は、一頃ほどにはバリバリ弾きをやらなくなったようで、それが良い方に展開しているようで、良い味が出てきています。テラークなんで音は保証付きであり、これも、お勧め
    3. Left Bank Encores/ Gene Ammons/ Sonny Stitt (Prestige PRCD11022) $12.99
      こういう古手のサックスの掛け合いは、いつ聴いても良いものです。

  • この他に数枚買っていますが、昔入れ込んだ「Kingston Trio」ものなんかで、ジャズではありません。。
  • いやぁ、この店が日本にあったら、毎週のぞきに行きたいくらいのもんです。品揃えが、Nelsonの好みにあっています。

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