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もう寿命が尽きてるのに・・・



  • 先日、ウォーキングの途中で、大好きな「Hello」(古野光昭:b, 本多俊之:as, 板橋文夫:p)が愛用のMP3プレーヤー(Creative Zen)から流れて来たので、元気が出て早足での土手往復が出来ました。Nelsonの昼食後のコースは近くの大きな河の沈下橋と国道の橋の間を適宜、その日の気分に合わせて数種のコースを選んで歩くものです、万歩迄は行かないまでも数千歩程度位であり、土手を行き交う方も多いコースです。
  • 我がオンボロZenはこれで十数年も使い倒しており、もうバッテリーがヘタって来ています。ウォーキングで使った後に充電を忘れると、翌日は「Low Battery!」表示が出てしまって、再生を拒否する年代物です。又寒さにも弱くて、外気温が数度に下がって来ると、矢張り突然に「Low Battery!」だと言い出します。聴き初めにしっかりと保温が効いたダウンの中ポケットに入れてしまい、始終我が体温程度に温まって居ればご機嫌なんですけどねぇ。
  • ネットでMP3モノを安く売っていますが、今出来のモノは大容量のSDを差し込むと曲が一杯入るようなんですが、自分好みのArtist、Album、Song TitleによるPlay Listが自前では作れないので、Nelson向きではありません。オンボロのZenには痒い所手が届く「Creative Centrale」という「iTune」気味のソフトが入っているので、中々に手放せません。
  • そのZenには、例えば「Nelson's 1000」(自分好みの本線モダンジャズの詰め物(orz)なんてプレイリストが作ってあり、これを「ランダム聴き」にして楽しめる移動は実に快適です。その日のウォーキングでも良い演奏がドンドンと出て来て実に良い気分だったので、その辺をメモします。
  • メモの出だしに書いた通りに、歩き始めから「Hello」が来て、その後のランダム聴きで続く数曲に・・・「ウン、ウン・・・そぉ、そぉ・・・」と唸るほどに好きな演奏のトラックが続いたのが、下記のリストの曲群でした。(動画へのリンクは直ぐに切れる可能性がありますが、取り敢えずには便利だから付けておいた方が良いとの意見が多いので付けてありますが、リンク切れが起きたら勘弁。)
    1. Hello/ Mitsuaki Furuno
      (コレは手持ち音源)
    2. Lullaby Of The Leaves/ From This Moment on/ Marian McPpartlad
      (女流ピアニストの演奏ながら、ベースがキレイに録れていて、彼女も気合を込めています。)
    3. Stella By Starlight/ Trio Vol.2/ Hampton Hawes
      (ノー・リムズからビートが付いて来て、その後はパウエル派の見事な節回しで唸ってしまいます。)
    4. Moon Ray/ Out of the Afternoon/ Roy Hayens
      (シンバルが雲間からお月様が顔を出させた掴みに続いて、決して奇抜に聞こえないマルチ・リードのカークが出て来て、更にトミフラが来て・・・店内の皆がコソコソ話を止めて聴き入ったモノです。)
    5. Corcovado/ Getz Au Go Go/ Stan Getz, Astrud Gilberto(汗臭いのばっか聴き続けていると、こういうのが来るともう一口、コーヒーを啜ってる感じが、店内のそこここでしてましたね。)
    6. わたらせ/ スマイル/ 森山 威男
      (森山威男 (ds)、国安良夫、松風鉱一 (ts,ss,fl)、板橋文夫 (p)、望月英明 (b)による、ゆったりと聴かせる快演。)
    7. D Bass-ic Blue/ John Hicks/ The Power Trio(Cecil McBeeの書いた良い曲の



      ピアノトリオ版の良い演奏です。)
    8. Buster's Tune/ David Fathead Newman/ Return to the Wide Open Spaces
      (冒頭の1分28秒辺からです。本線モダンジャズ系のビッグバンドの快適な演奏で、ファットヘッドのテナーが見事です。)
    9. ・・・・・

    choice・・・と言うのが途中からヴォイス・レコーダー録りした、その日の曲順でした。
  • 上記の流れがその時のNelsonのウォーキング気分にピッタシの曲群だったわけですが、ZEN任せのランダム選曲が、その時の自分の気分に完全に合致するなんてこと等それ程起きることでもありません。実は、その日のウォーキング時には某官庁に居られた敬愛する人生の先達のことを思い出しながら歩を進めておりまして、一寸余談を敢えてその話をしてみます。
  • その先輩は、某役所にNelsonが出向していた時に出会った方のひとりでした。役所のキャリアの方々は皆さん有能ですが、悪く言えば冷徹で出世一本鎗なんですが、その方はその中では変わり種に属する方でした。暖かな人間味をお持ちで、部下や我々出入り法人の者の立ち場になった配慮が出来る方でした。当時は未だユルユルな時代だったんで、身内同士の飲み会なんかをでっち上げた慰労会でも、その人柄の一端が滲み出る立居振舞をされるので、「こういう方は多分、役所では生き辛いんだろうなぁ・・・」等と心配させる程でした。
  • 弊社の幹部から漏れ聞く所でも・・・究極的には次期次官候補選びも含めた人事を取り扱う官房秘書課の評価は峻烈です。その先達も40代になって直ぐに世に言う「人工衛星扱い」をされ始めて、出先巡りを繰り返されることなった・・・そうです。御本人も承知の上での役所内での奇矯とも言える振る舞いを、出先でも変えずに一貫して筋を通されたのには敬服していました。この国の役所のキャリアへの処遇は良く出来ていて、50代半ばまでは退職金通算が効く関連事業体を転々とし続け、最後のご奉公は民間への天下りであり、公的な身分から離脱するので官員としての退職金を貰ってしまい、一丁上がりとなるのだそうです。その頃のいつもの飲み会でのその方の持ち歌は、たしか「心凍らせて/ 高山 厳」だったと記憶しますが、それが出ると民間側の幹事役などが「旅の終わりに/ 冠二郎」等で追い打ちをかけるなんてのが、その頃の有り勝ちな展開だったことを思い出します。
  • いくらそうなんだとしても、ウォーキング中に聴くMP3での上記曲群の中に、「心凍らせて」や「旅の終わりに」が出てくる筈はありません。それでも、ジャズだってそういう情感に満ちた面が無いわけではなく、上記Dのわたらせなんかが聴こえてきた次が、「Requiem for ODAGIRI, Kazumi」と題してアップされているHush a bye: 小田切 一巳 (ts)/ 森山 威男なんかで追い打ちが掛かる展開はありえます。この演奏だと、我が板さん(5分40秒辺から10分30秒迄の5分間!)も入っているのでNelsonとしてはオキニであり、上記の曲群流れに続いてコレが出て来ても違和感はないでしょう。余談はこれくらいにすると・・・
  • ご存じの方が少ないのは承知していますが、このサイトには「ジャズ的自画像の勧め」というセクションがあり、そこでNelsonは、「ある瞬間にジャズファンが共感を覚えた一群のトラックをリストしてみて、視線を少し引いて遠目で見てみると、そこには個々のジャズファンの赤裸々というか、直截な姿があるのでは無いか。」と言うことをメモしたつもりです。
  • その伝で行くと、ある日の午後のウォーキング時に、手持ちのMP3プレーヤーCreative Zenに収めたジャズ・トラックを、ランダム聴きモードで聴いた上記のような曲順のリストは、取りも直さずNelsonの自画像になっているに違いありません。
  • まぁ卑近な例として適切かどうかは別にして、皆さんにもこういう「機械的な選曲なのに、何だか妙にピッタシと心に響くなぁ・・・」とお感じになった経験があると思います。機械的な選曲とまでは言わないまでも、相手先回りの空き時間にちょっと立ち寄ったジャズ喫茶で、他人さまが選び聴かせた数枚の盤だからこそ・・・自分の好みなど知る筈もないマスターに「裸にされてしもぅたやんけ・・・」と気付く事だってあって、「まぁこの路線で、俺はしばらく生き続けるんだろうぁ・・・」と納得されることでしょう。そんな秘事を、MP3プレーヤー如きに見透かされるとは・・・なんて深刻にならずに、「まぁ、それもアリかなァ・・・」では無いでしょうか、御同輩。
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