- 前回のメモで、ジャズ・ファンとして決して自分の蛸壺に安住するのではなく、「新境地を切り開く」ことに触れる中で、音源ファイルの取り扱いについて知る所をメモしてみました。今回は、さらに音源ファイルの大きさやID3タグ等も知っておいた方が便利だと思い、その辺をメモしてみます。
映像(MP4)と音声(MP3)
- 同じ演奏を視聴するとしても、映像の方が音声よりもずっと容量が大きいことは良く知られています。近年登場し、今ではどこにでもある記録媒体となった「CDR」や「DVDR」に記憶できる容量は、CDRならCD約一枚分程度の600MB前後であり、DVDRなら映画一本分程度で約4.7GB、4700MBで、数倍とかなり大きくなります。これは、こういう録音・録画媒体をメーカーが売り出す時に、消費者を掴むために設定した標準の大きさだったわけです。映像や音声をネットやPCで扱う場合はかなり圧縮するのが常です。
- ジャズの演奏を見せる動画サイトの一例として、「Nina Simone - Antibes - Juan-Les-Pins - 1969」(彼女の1969年の南仏ジュアン・レパンでの公演〉の約25分の白黒動画で言うと、MP4だと約120MBであり、それから音声だけを抜き出してみると、MP3だと約23MB程度と数分の一になります。(余計な事ながら、この動画では彼女は名オリジナル 「Four Women」を唄っています。また題名をもじって彼女の娘も含めた4人で唄ってみたヴァージョン(Lisa Simone, Dianne Reeves, Lizz Wright, Angelique Kidjo)も聞きものですから、一度はお聴きください。)
- こういった容量の大きさは圧縮比により変わり、粗い画面だったり、モノラルの少し割れるくらいの音声でも良ければ、ファイル・サイズはもっと小さくできます。Youtubeにある上記動画を我がPCで実際にいじってみると、MP4の映像で117MB、MP3のマズマズの音声だと24MBです。
音声(MP3)なら、1分で1MB
- 大雑把に言うと、MP3ファイルは1分で約1MBに圧縮されていますが、元映像のMP4ファイルや、元音源のWAVファイルの数MBという大きさから圧縮されて、かなり小さくなっています。これは、USBやSDカードで言うと、1GB辺りで1000分程度に当たり、ジャズだと平均で5分としたら、200トラック分に相当します。わがDAPであるZENは内蔵16GBなので、まぁ、3000トラック収納という事でしょうか。
ID3タグとは・・・
- MP3ファイルに、アーティスト・作成年・曲名等の情報を付記するための、規格、という程に固いものではなく、まぁ、申し合わせみたいなタグです。MP3ファイルが、圧縮性や、WAVやCDAなどの音源元ファイルからの変換の容易さによって使い易さが認識されるにつれて、その音源の演奏者やタイトル等も一緒に付けておく方が良い事が知れ渡って以来、ほぼ「規格」同然の便利な情報として、重宝されています。PCで音楽を聴いて楽しむ際に使うアプリだとほぼ必ず、このID3タグを使っています。殆どの場合にMp3ファイルをコピぺすると、このタグもファイル属性情報として黙っていても一緒について来ます。、
ファイル属性
- ファイル属性というと、Explorer画面の上端欄に、「名前」「更新日時」「種類」等と表示される情報です。取り扱うのが音楽ファイルなんで、ID3タグには音楽に特化した、下記のような情報が当初は集められていました。
- 30バイトの曲名文字列。
- 30バイトのアーティスト名文字列。
- 30バイトのアルバム名文字列。
- 4バイトの日付文字列。
- 30バイトのコメント文字列。
- 1バイトのジャンル番号。
- ・・・・・
規格じゃないと書きましたが、それ以降数多の改訂があって、今では原型をとどめていません。それでもやはり音楽関連の情報ばかりです。例えば上の「ジャンル番号」なんて使われ始めてすぐに、1桁じゃ足りないと判りましたから、今は2バイト使っている・・・とか改訂が常時なされています。
皆で改良、充実させる・・・
- このID3 タグは好きなように拡張することが出来ます。まぁ、Ubuntuの世界なんかと同じですね。Explorerでも、上の見出し欄の一つで右クリっクすると判りますが、デフォルトの属性以外に100近い属性が追加で表示されて、それらを追加表示できます。音楽アプリでMP3ファイルの一覧表示をして見ると表示されますが、その時使うファイルに向いた属性を表示させることが出来ます。
ジャケットも・・・
- このタグに入るのかどうかは知りませんが、このタグと同じように便利なのが、元音源ファイルが収録されていたCD等のジャケットです。このタグ編集用のアプリを使うと常備されているので、例えば編集中に「Gracenote」等の音源情報データベースに探しに行ってくれて、見つかればタダで持って来てくれます。これで、MP3ファイルを再生する時、Itunes、RealPlayer、GOM等のアプリは、元ジャケを表示してくれるというのは、良くご存じのことでしょう。これらのデータベースは、Wikipediaと同様の共用データベースで、コレを使ったけど未だそのジャケットが登録されていない場合には、市井のユーザーがジャケ写をアップして、データベースのUpdate化に参加できるようになっています。
- まぁ、MP3についてはこれくらいは知っておいた方が良い気がします。元音源のCDなんかよりも音質が落ちますが、ずっと小さな容量で便利に使えるので、「皆で使い易くしようよね」精神が発揮されている訳です。
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