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リム・ショット (Rim Shot)

  • スネアに限らず、ドラムスは、まぁ、皮を叩くのが普通ですが、このリム・ショットはふちを叩くのが面白いところです
    ハナ肇のギャグ
  • クラシックの世界で有名な打楽器奏者ツトム・ヤマシタもそうなんですが、ドラマーというか、パーカッショニストは、ご商売として楽器を叩いて音を出すだけではなく、その性癖としても、楽器に限らず、どんなものでも叩いて音を出すのが好きなようです。こんなハナ肇のギャグを覚えておられるでしょうか。彼がソロの番となった時に、先ずはシンバルを普通に叩きます。次に、そのうちにスティックを中心の止め金具付近に移し、更にスタンドの柱を上から下に叩いていきます。次に、3本足を叩き、床を叩き続けて移動していって、舞台の端から消えていくというギャグです。彼が、寄り目などを交えつつ、それに熱中する様子が笑いを呼びました。事ほどさように、ドラマーはモノ叩き偏執狂的な面があるのです。
    モノから出る音
  • 打楽器でメロディをやるのは普通はかなり難しいことです。打楽器奏者は、旋律は無理としても、リズムそして音色による表現に賭けるしかなく、その意味で音色に対して、他の楽器をやる人よりも執念深いのです。自分のイメージする音楽を展開するには、どういう打音が一番ピッタリ来るのかを、絶えず追い求めています。自分らしい音を出すために、あのように色んな打楽器を身の回りに置きまくっています。納得する音を求めて、日頃から家中の音が出るものをほとんど叩きつくして、さらには音の出ないものからも音を出してみて、、、という試行を人知れずやった上で、ギグでその時の曲、面子、雰囲気等に一番合うものを叩く、、、と思われます。こちとらは、「へぇーー、あれからあんな音が出るのぉ、、、でも、気分だよなぁ」と感心するのです
    「Miles」でのPhilly Joe Jones
  • 前記した「Miles」は、6分弱の演奏ですが、イントロ無しの冒頭のテーマ提示から、アドリブ、後テーマまで、Philly Joe Jonesは一貫してシンバル・レガートと、4拍目のリム・ショットで通すという演出をしています。メディアム・テンポの快調なこの曲に、この歯切れの良いリム・ショットは、素晴らしいアクセントになっています。いつもなら、芸達者なPhilly Joe Jonesのことですから、フィルイン(オカズ)をそこここに入れ込んでくるんですが、恐らく御大の指示もあったんでしょうか、余計なことは一切せずに、シンバル・レガート+リム・ショットに徹しています。この曲では、ドラムスのアドリブが無いんですが、それでも、そこにPhilly Joe Jonesが居ることに気付かない人は居ないに違いありません。
    Roy Haynes
  • リム・ショットで有名な人に、この人、Roy Haynesがいます。この人のは、正に「引っぱたく」という感じが良く出ているので、印象的なのでしょう。ちょっと名盤からは外れますが、「Sugar Roy」の中でも、名曲「Moon and Sand」でリム・ショット攻めを披露しています。この盤は、細身な音ながら録音が良い盤として有名ですので、爽快なリム・ショットが楽しめます
    乾いた音
  • ドラムスでも、シズルの付いたライド・シンバルの連打や、響き線の付いたスネアによるロールなどは、付帯音があって、歯切れがウリではありません。トムトムや、リム・ショット、そしてうまく使ったハイ・ハットの歯切れの良い音は、爽快この上ありません。TPOがうまく設定してあれば、こういう乾いた音が実にハマルのです

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