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ディスコグラフィー (Discography)

  • ディスコグラフィー (Discography)は、言ってみれば音楽の書誌、文献学のようなものですから、それなりに調査がされており、一生の仕事に近い労力を要します。
    詳細なデータ
  • ディスコグラフィーは、ジャズの演奏の目録ですから演奏者等を記述するわけですが、しっかりした物には、以下に示すような、もっと詳細なデータが記述されています。
    • 参加した演奏者。(ただし、曲によって出入りがあるところまで記述してあるものは稀です)
    • 演奏曲目
    • 録音日時・場所
    • レコード・CD番号。(国、時期による番号の違いも明記するのが普通。無論、未発売でも、録音されていれば記戴される)
    • マトリクス番号。(トラック毎に録音物を特定する番号で、各社独自の付番系列がある)
    • ジャケットその他。(昔の物にはあまりこれはないが、最近はこれが付いているものもあるようです。

    録音日時中心の編成
  • 一般的なディスコグラフィーでは、録音物を録音日時中心の編成で記述してあります。従って、何回かに分けて録音された盤は、別々の場所に、何度も記述されています。こういう方法をとるのは、やはりその方が、あるジャズメンの活動を把握するのに適しているからです。個別盤中心の編成にすると、何回かに分けて録音が行われた場合は、演奏者や曲目があちこちに飛んでしまいます。また、昔から再編集しての再発、未発表録音物の発掘が行われていますから、やはり録音日時順の編成が一番やりやすいようです。この順番だと、ある時期に誰と誰とが音楽的に気が合っていたかも判ります。
    未発表ものも、、、
  • よく「新たな発掘物」、「埋もれていた好演奏」、「世界初の、、、」などという売り込み文句を見ます。そうすると、「そんなの有ったんかいな」という声が出て、「○○のディスコグラフィーに載っている○年○月の録音なんじゃないか」となります。これが出来るのは、克明なディスコグラフィーがあって、その未発売物も収録しているからです。例えば、ピッツバーグ大にあるサイトでは、Eric Dolphyの完全ディスコグラフィーを載せていますが、これには最後の録音である「Naima」や、先頃出た「Illinois Concert」等の録音データは、ズッと前から載っており、発売されて調べてみると「コレだなぁ」と判るようになっているのです。というように、世の中には録音されていながら、発売されておらず、「そういう録音があるのは確かだ」というものが一杯あるのです。更に言えば、レコードか、ライブかでもメモしたように、世の中には録音セッションよりも、ライブセッションの方が数が圧倒的に多いのです。
    わが国でも、、、
  • 有名な藤岡さんによるJohn Coltraneの例を挙げましたが、Internetでは、もっと色んなディスコグラフィーがわが国にはあり、特にご紹介したいのが次の2サイトです。ジャズで秀逸なのは、Cleanhead's Blues & Jazz Pageというサイトで利用できる、BLUES AND JAZZ DISCOGRAPHYのLINKS PAGEです(http://www.bluesandjazz.net/discographylinks.html)。主催のCleanheadさん自体は、恐らく、Dee Dee Bridgewaterや、Eddie Jefferson等のファンなのだろうとは思いますが、更に踏み込んで、包括的なディスコグラフィーのリンク・サイトとなっています。BluesとJazzに関連するディスコグラフィーを、精力的にお調べになっていて、そこに直ぐ飛べるのです。しかも、一人のジャズメンについていくつかサイトがあれば、それも網羅されています。大抵のジャズメンについて調べるのなら、このサイトから先ず手繰って行くと、知りたい事に辿り着けるのでは、と思います。Nelsonも、いつもお世話になっているサイトです。また忘れてならないのが、我がサイトで良く出てくる「Mr. Manriのjazz不完全Discography集」(http://member.nifty.ne.jp/mrmanri/)です。サックスに重点をおいたと言って良いかと思いますが、素晴らしいディスコグラフィーです。こちらは、ディスコグラフィー自体で、リンク集ではありません。玄人好みの渋めのジャズメンばかりですから、存在自体が貴重です。大変な筈のデータ収集をものともしない、Mr. Manriの熱い思い入れがこちらに伝わってきます。
    ということで、、、
  • ディスコグラフィー、と一口に言っても、色々と話の種はあります。まぁ、取敢えずはこれくらいにして置きます。

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