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ブロック・コード (Block Chord)

  • ブロック・コード (Block Chord)は、モダンジャズではピアノが通り相場で、恐らくシングル・トーンとの見た目の違いからでしょうか、手指を塊にして弾く形を形容して、Locked Handsとも言います。
    Red Garlandの妙技
  • モダンジャズでは、ブロック・コードと言えばRed Garlandです。例えば、Billy Boy: from 'Milestones/ Miles Davis'はクインテット盤の中でやったピアノトリオ演奏ですが、最初のテーマ旋律の提示から最後まで、かなりブロック・コードを多用して、一気通貫という感じです。また、C Jam Blues: from 'Groovy/ Red Garland'では、最初こそ珠玉のようなシングル・トーンを聞かせますが、3分52秒頃にはブロック・コードに突入して、4分12秒まで続けます。巧く曲想を生かした、実に素晴らしい仕上がりになっています。管が入ったAll Mornin' Long: from 'All Mornin' Long/ Red Garland'等の9分37秒からのブロック・コードもいけます。
    オスピーだって、、、
  • ヴァーチユオーソであるOscar Petersonも、この手法では抜きん出ています。例えば、Night Train: from 'Night Train/ Oscar Peterson'では、最初っからこの調子の良い曲を、得意の饒舌気味のピアノで弾きまくり、それをRay Brownのブッ太いベースがしっかり支えて展開され、3分25秒辺からはブロックコードも交えながらの驚異のアドリブで名人芸を聞かせます。Chicago: from 'The Trio/ Oscar Peterson'でも、ライブゆえのサーヴィスもあってか、御当地ソングChicagoをうまく聞かせます。聞き覚えのあるイントロに続いて、テーマをフェイクしつつ、黒っぽいフレーズにブロックコードが絡んでいます。9分にも及ばんとする、正にヴァーチユオーソの面目躍如たる演奏に他なりません。
    あの「クレオパトラの夢」でも、、、
  • 普段は余りやらないようですがBud Powellも、Cleoptra's Dream: from 'The Scene Changes, The Amazing Bud Powell Vol 5'で、ブロックコードをやっています。この演奏は、シングル・トーンや、両手ユニゾンが入り混じっていますが、特に2分45秒辺から3分15秒辺までの間、急に音が分厚くなる部分があります。そしてどうやらハーモニーも聞こえてきますので、これはブロックコードではないかと思います。
    その他の人は、、、
  • この手法は、やる人はやる、やらない人はやらない、というもののようで、同じピアノの偉人でも、Bill Evans、Thelonious Monk等は、あまりやらないのではと思います(これは自信なし(^^;)。
    ということで、、、
  • 別にブロック・コード総ざらえをやる気は無いので、この辺に止めますが、なかなか味のある手法と言う事でしょう。

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