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Deep in a Dream--Sonny Clark, Al Caiola, and Chet Baker

  • Jimmy van Heusenの作った曲で、Deep in a Dreamという題名の曲があります。直訳で「夢深く」、少し崩して「夢一夜」くらいの意味でしょうか。この佳曲をめぐっての話題です。
    最初は、Sonny Clark盤
  • Nelsonが京都シャンクレールに通っていた頃に、Sonny Clark Trio(BLP1579)という盤が気に入りました。先ず、演奏。「朝日のように、、、」などの良い演奏があり、ベースがPaul Chambers,ドラムがPhilly Joe Jonesというピアノトリオ盤で、程なく輸入盤を手に入れました。ジャケットがまた秀逸で、BN初期に良く見られた単純な意匠の色違い組み合わせ、という手法なのですが、鍵盤がこの手法で表示されている正にデザインの勝利といったジャケットです。例えばこの盤の「朝日、、、」によって、Nelsonはピアノトリオによるジャズの、テーマ提示、ピアノのアドリブ、バックとの絡み等々の何たるかを判った気になったのです。この名盤のことは兎も角、ついで「Leapin' and Lopin'」という盤の存在を知り、苦労して神戸元町のヤマハで見付けてゲットしました。そしてこの盤でDeep in a Dreamという曲を知ったのです。この盤はCharlie Rouse(ts), Tommy Turrentine(tp), Clark(p), Butch Warren(b), Billy Higgins(ds)というクインテットで、2管編成の正にジャズっぽい演奏が続くB級名盤として知られていました。そのA面2曲目にこのDeep in a Dreamがあり、この演奏だけが雰囲気が違います。Ike Quebecというテナーがワンホーンで、このバラードを演奏しているのです。Ike Quebecは40年代に活躍した人ですがその後ぱっとしなかったところを、Alfred Lionがもう一度引っ張り出したのだそうです。Leapin’ and Lopin’の録音が61年11月13日で、Ike Quebecの再出発第1作が同26日、その後年末から年明けにかけて3枚が録音されているので、Alfred Lionが販売戦略としてLeapin’ and Lopin’でIke Quebecのテスト録音をし、製品としても顔出しをさせたのは当然かもしれません。このIke Quebecの演奏が実に素晴らしく「音吐朗々と心の丈を歌い上げる」というスタイルで、クライマックスではフルトーンが出ます。Ike Quebecの演奏振りは、ホーキンス風のススス、、、も交えた正統派テナーで、その後一定の評価を得ました。、、、ということで、先ずは出会いということです。
    次にAl Caiola盤
  • ということで、NelsonにとってDeep in a DreamといえばIke Quebecという時期があったわけですが、暫くしてひょんなことでSavoyのAl Caiola盤を見付けました。レコードのタイトルも、そのままDeep in a Dreamです。Al Caiolaの名前は、例えば荒野の七人の音楽でとか、知ってはいたのですがジャズもやるとは知らずにいました。この盤ではハンクジョーンズトリオが付合っており、なかなかの好演です。(この曲について、あの寺○店主がAl Caiola盤が極め付け、と主張していますがそれには首肯しません) これも白黒ながらジャケットが秀逸で、ギターをつま弾くAl Caiola自身が夢を見ているという見立てで、美女の顔が宙に浮かぶ、というものです。正に「夢一夜」の世界です。ギターの名手が演奏するDeep in a Dreamもなかなかのものでした。、、、とここまでの段階で、Nelsonはこれはインストルメンタル曲と思い込んでおり、歌詞があるのだということにうかつにも気づかない状態にありました。
    そして、Chet Baker盤
  • 昨年、このHPを立ち上げ、曲名navigatorなどをいじくっていた頃に、はてDeep in a Dreamなんてのはどうするかな、と迷っておりました。この辺まで入れると沢山あって大変です。という時に、Jazz WorldレーベルのChet Baker盤「Hot and Cool Chet Baker」を店頭で見かけました。2枚組みで、60年代の欧州録音、George Arvanitasなどが入った演奏もあり、これは買いかな、と触手が動きますが、実はこの人の盤は既に60枚以上持っているので、もうこの人の盤をこれ以上は買ってはイケナイ、という自制も働くのです。初期に静か目のものを買い込み、その後ホットな演奏における彼の良さに気づき、更に買い続けたのですが、買ってみないとHot かCoolかは判りませんし、この人は発売件数が凄いのでこんな枚数になっちゃった、というわけです(^^;) もう少しこの盤を良く見ると、1枚目にDeep in a Dreamが入っています。そうか、ウーン、と考えて、やっぱり買いました(^^;)。聴いてみるとこれがヴォーカル入りだと判明し、そこで初めてDeep in a Dreamが歌曲であることに気づいたわけです。演奏は、Chetらしい味の出た、実に良い展開です。歌詞を調べてみると悪くはなく、Chetを買い過ぎという批判も一部にはあるが、この盤はアタリだったなぁ、ということになりました。ジャズも色々ですが、Deep in a Dreamなんて小唄を追いかけてみると、結構こんなこともあるのです。
    とはいえ、、、
  • なお、現在、Deep in a Dreamは曲名navigatorには入っていません。しかし、上記したSonny Clark, Al Caiolaの両盤は、演奏者navigatorを引けば出てきます。最後のChet Baker盤は最近の入手であり、まだデータベースに入れていません。Chet Bakerはすでに9枚挙げており、追加の判断が困難です。

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