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ライヴ、生録会そして追っかけ

  • 話に聞き、レコードで親しんできた演奏者が、目の前でプレィしてくれるライヴは、とても楽しいものです。さて、ライヴといっても、大ホールで聴くのと、こじんまりした店で聴くのとでは大違いです。戸外のジャズ祭も独特なものです。
    大ホール
  • Nelsonがジャズを聞き始めた数十年前には、今ほどジャズメンの来日頻度が多くなかったですから、一般的にはジャズを殆ど大ホールで聴く状況でした。学生時代のロリンズ、ピーターソンらの公演は、県民センターとかでしたから、殆どN響を聴くのと同じ感じでした。幕が開いて登場してきて、何やかやとやってアンコールがあったりなかったり、それで明るくなってドヤドヤとホールを出てくる。無論、それでもやはり眼前に演奏が展開されるのは特別の感慨があり、それなりに興奮し、楽しんだのですが、、、日本人ジャズメンでも、ナベサダ、日野兄弟などは、結構な人気がありました。現在でも、ライブ録音で発売される新盤は大ホールで録音されたものが多い。しかし、今ではこの聞き方も、one of themとなっています。他の接し方が結構幅を利かすようになっているからです。
    小人数ライヴ
  • 小さ目のハコで、ジャズメンの顔が見えて、ピアノのタッチや、ベースのピチカートを間近で見るのは、演奏は兎も角も、一種特有の体験であり、一度経験すると病み付きになります。これも、最初の経験は学生時代で、FM生録セッションでした。それまで大ホールで芥子粒ほどにしか見えなかったジャズメンの汗が飛び散っていたのでした。シンバルが、あのようにシュワン、シュワーンというものだとは知らなかったのですから、一体何を聴いていたのか、と驚愕しました。その後、ピットインを中心とした小人数ライヴが日本でも盛んになり、近所のジャズ喫茶、サテンドール等の酒も出る店、西荻アケタのような余りキレイじゃないが熱気はすさまじい店等々を巡り歩きました。隣町にライヴスポットがあり、時々出かけますが、そういう環境が全国的に成立しているようです。確かに、オンザロックなどをやりながら、御贔屓の演奏を聞いていると、ウーン、これも悪かないなぁ、と良い気持になります。人によっては、必ずドラムの傍に座って、耳がおかしくなる音量のブッ叩きをエヘラエヘラと聴くのが良いという人も居り、ピアノの手の動きを食い入りように見詰め続ける人もおり、とそれぞれの楽しみ方があるようです。
    ○○東京
  • いまやそれが、ナントカ東京などといって、出演ジャズメンも一流のところが現れます。それなりの質と値段の飲み物と料理が注文できて、今までのライヴとはまた少し雰囲気が変っているのが良いのか、御隆盛のようでなによりです。とにかく、スケジュール表を見ると、ヨダレの出そうな素晴らしい人達が目白押しのようで、なるほど本場米国との差が少しは詰まったかな、と言う気はします。雰囲気もなかなかオトナになりかけた日本の余裕も出てきたようですが、そうなればなったで、濃い、熱気ムンムンの黒っぽいジャズの雰囲気は保ち難いようです。(お金の余ったおじさんが若い子をナニする準備に使われたりするらしく、困ったもんです。)
    追っかけ
  • 今も若い方はされているのでしょうが、Nelsonもずっと昔は板橋さんや、田村翼さんのライヴを、ピアかなんかで調べて、近くでやっていれば都合を付けて、覗きに行ったものです。後で、そういうのが嵩じると、追っかけと呼ばれると聴きました。板橋さんは、とにかくピアノの前でもだえながら音を繰り出すのが、何とも気に入っていました。分厚い音で、男っぽく迫るなかに、じつに情緒纏綿たるメロディも混じるので、人気がありました。田村さんは、スィングの達人という感じで、何てことないヨ、と軽くアドリブを積みかさねていく様子に感服しました。今田さんが、まだフュージョンずく前も、結構聞いたものです(オッサン、またエライ古い話しとりまんなぁ。ヘェ、済んまへん)。今なら、男性ヴォーカルの新人や、はやりの女流ピアノあたりが追っかけの対象でしょうか。
    生録会
  • かなり特殊だったんだなぁ、と今になって思い返すのが、生録会でしょうか。2トラ38センチのオープンリールデッキが大流行した時代が20年くらい前にありまして、そのデッキで自分で録音してしまおうという会です。その手のライヴでは、主催者がマイクを立て、参加者はミキシングの済んだラインで出力を貰います。参加者は、持ち込みのデッキで、自分で音量調節をして録音し、その自前テープを持って帰る、というものです。参加料はライヴ入場料程度のものでした。先輩がティアックのデッキを持っていてこれをやっていたので、Nelsonも助手と称して時々同席させて貰いました。その頃は、デンオンやテクニクスがこの手のデッキを売っており、またルボックスなんて舶来物も見かけました。今のCDも結構良いですが、それでも2トラ38(ツートラサンパチ、と呼んでいた)には敵いません。音の鮮度が天と地ほど違いました。恐らく、録音スタジオでマスタリングなどをやっている人は、毎日そういうピチピチの音を聞いておられるのでしょう。今は、こういう催しはなくなりましたが、ライヴが聴けて、その上録音済みのテープが手に入り、参加しなかった人も集めて後でまた盛り上がれるという良い企画だったと思います。
    ジャズ祭
  • マウント富士、斑尾あたりから、日本の屋外ジャズ祭も結構盛り上がりました。真夏の炎天下、または夜の暗闇中でそこだけは昼間のような照明を受けてのジャズ祭は、結構乗れます。いわゆるVSOPのよみうりランドにおける演奏、マイルスの西新宿の空き地での演奏などが、大評判の走りなんでしょうか。兎に角、ビール呑みの、スタンディングオヴェイションありの、PAのけたたましさに顎を出しの、焼き鳥の串にむしゃぶり付きの、演奏よりも身振り手振りばかりが目立つお祭り男達にアキレの、ペットはやたらハイノートばかりヒットしの、楽しんだ方が勝というのは世界共通のことのようです。一時ほどではないにしても、TVで月遅れくらいで放映してくれるのも楽しみです。後になって、あのPAは何とかならないか、という感想が雑誌に載ったりもします。しかし、ジャズ祭の最中は、そんなことを気にしていたら損でしょうね。ということで、夏は全世界的にジャズメンの稼ぎ時となっているものと思われます。

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