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ジャズを永ーく、じっくり聴き続けている人
  • 別に意識してやる事ではないかもしれませんが、ジャズを永ーくじっくり聴き続けるコツの受け売りを一つ。
    若い頃は聞いたよなぁ
  • 音楽は色々ありますから、気の向くままに好きなものを聞いてい行けばよくて、Nelsonもウェスタン、ポップス、クラシックと遍歴しています。しかし、ジャズは何故か30年近く聴いて飽きないし、益々面白くなっています。この間も、Nelsonに手ほどきしてくれた高校時代の友人にメールを出した中で、「ところで、ジャズは」と聴いたら、「ウーン、、、今はなぁ」ということでした。今は大学教授の彼も、「若い頃は聞いたよなぁ」と言う部類のようで、こういう人は多く居られます。別にそれは良いとか悪いとか問題ではなく、ただ、そうであると言う事です。かの寺○さんは、一時期に余り深くのめり込んだ後、キレイさっぱりとジャズから足を洗う人をジャズ喫茶経営の途上で結構見てこられたので、極端に深く入り込んで、急にジャズの歴史にまで足を突っ込むような聞き方には賛成できないと言って居られます。もう少し、気ままに楽しみながら、という人が結構長くジャズを聞き続けているという観測をされています。このようにジャズを一時期だけ聞くというのではなく、一生の友としたいと言う人あるいは現にそうしている人も多く居られますが、そういう人はどんな人なんでしょうか。
    じっくり聴きの先輩
  • 就職してからのこと(30年ほど前)ですが、ジャズを20年近く聞き続けており、レコードを一万枚以上も持っている先輩と出会いました。実にひろく聴いている人で、休みの日は一日ジャズを聞いているそうです。今はもう60台後半で、恐らく所蔵3,4万は固く、収集もSPの方に行かれています。休みの日には朝からジャズを掛けっ放しなのですが、一緒に聞かせてもらっていると、実に時間がゆっくり進んでいき、何ともゆったりとしたジャズの世界があります。ゆったり目のジャズに時々焦れて(^^;;)、NelsonがDolphy等を注文すると、「○○さんは、こういうのが好きだねぇ」と微笑みながらも、「久しぶりに聞くか」と掛けてくれました。この程度の方になると、何でも持っておられます。ある時話されていましたが、サッチモのセントルイスブルースを古い順に全部聞きたいといわれて、探し出すのと聞くのとで2時間位掛かったということです。そんなにあるんですねぇ。ところで当時はLPですから、一定の手順があって、そして鳴り始めるんですが、先輩はいつも「○○さんが言うンで掛けたけど、これも熱気があって良いよねぇ」というフォロウを忘れない人です。そして「いいものを聴いたから、お返しに」とか言いながら、ゴソゴソやって、「これ知ってたっけ」と言ってジャケットを渡してくれながら、それを掛けてくれます。これが大抵の場合、当時のNelsonの知らない、しかしジャズの王道を行く大名盤な訳で、こういう風に色んな世界を教えてもらいました。Pete Jolly/ Little Birdしかり、Carmen McRae/ Second to Noneもそう、Ruby Braff/ Ruby Braff SpecialやVick Dickeson/ Showcaseなんかも教わりました。それと繰り返し言われたことがあります。
    ヴォーカルを挟む事
  • 先輩の持論によれば、何枚かインストを掛けると、必ずヴォーカルを挟む事が大事なんだそうです。あまり前のめりに、目先の気になるジャズにのめり込まずに、ヴォーカルで一息入れて、その間に次に掛ける演奏を物色する、というのがじっくり聴くには良いらしいのです。食の世界でも万漢全席とか、中世貴族の飽食とかあるそうですが、ジャズの世界でも、兎に角一日中飽きずに聞くことを一年中続けるのには、それなりの仕掛けがあるようです。料理でも箸休めとか、洋風でも間にシャーベットが出たりとか、少し熱を冷ますような事がありますが、ヴォーカルを挟むのはそれと同様の事みたいなのです。無論、そのためには箸休めになるヴォーカル盤をかなり持っていないといけない訳で、当時のNelsonにはそれほどヴォーカルに引き出しがありませんでしたから、先ずその辺を集めると言うのも、課題になりました。それと、CD時代になった今、全部聴き、一部聴き、一曲聴き、ジャンプ聴き等の聞き方の問題もあるでしょう。
    落第生の実践
  • これはやってみて分かりましたが、実に効果があります。聴いていて、煮詰まると言う事がなくなり、しかも新しい見方、連想が生まれて、不思議な事に、更に聞く意欲が出てくるのです。そして、ココが大事なことですが、「一日中ジャズを聞き続けても飽きることがない」のです。煮詰まらないから息長く聴ける、ということでしょうか。しかし、落第生は及第点は取れません。この教えを忘れてしまって、ついついある傾向のものばっかりを聴いてしまうのです。例えば、Coltrane等は聴き始めるとある種のトランス状態になってしまうのでしょうか、殆どの場合、次から次へと聴き続けてしまいます。何なんだろうこれは、と考えるとColtraneの命日に某ジャズ喫茶等でやる「Coltraneは全部やる」式のことと同じか、と気付きました。世の中には、他にも落第生がいるわけです。安心、安心、、
    音楽番組でも
  • 実は、音楽番組でも息の長い番組ではこれを良くやっているようです。昔青木啓さんの番組で、「それではこの辺で、一息入れていただくとして、○○の歌をお聞きください」なんてやってました。やはりインストが続くと、番組の雰囲気が煮詰まってきてしまうので、ヴォーカルを挟むのは昔から採られてきた手法のようです。だまされたと思って、何度かやってみると良いですよ。そのうち、ヴォーカルの次に、又何を掛けるかが楽しくなったり、次のインスト曲がまた新鮮に聞こえて、「それじゃぁアレも聴くか」となること間違いなし、です。

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