The One and Only --「この曲はこの人」百物語、について
- The One and Only --「この曲はこの人」百物語、についてのお話です。
心に残る演奏
- どなたもそうであるように、「これでジャズが好きになった」とか、「何度聞いてもこの演奏だけは飽きが来ない」とか、「これがあるから、ジャズは止められない」という演奏が何曲かあるものです。そういう演奏の中には、「皆が皆、異口同音に良いと言う」ものと、そして「あんまり他の人が良いと言わないけど、僕は好きだヨ」というものがあります。音楽は聴いて楽しむものですから、人と一緒にワイワイ言って楽しむものもあって良し、一人で御満悦というのもあって良しの世界です。
The One and Only --「この曲はこの人」
- 「枯葉」なら、誰でも演奏しますから、すごい演奏が一杯ありますが、普段ジャズでは採りあげられない曲や、オリジナルの曲でのスゴイ演奏は、出ると大評判になったり、一部の人の脳裏に残ります。そういう演奏が出ると、「持ち歌」化してしまい、他のジャズメンはあまりやりません。何といってもオリジナリティーが物を言う世界ですから。ということで、The One and Only、日本語で言えば「この曲はこの人」という演奏が生まれてしまいます。
その曲だけでも、買う価値あり
- スゴイ演奏というものは、そんじょそこらに転がってはいませんから、ある盤の中でも、その一曲だけがスゴイのが、普通です。そして、その一曲のために、2千円位の出費をする、そういう価値がある演奏が結構あります。無論、身銭を切って買ったんだから他の曲も聴きますが、でも結局良いのはその演奏だけということになってしまうこともあるのです。特に、CD時代になって飛ばし聴きが簡単になりましたし、マイ・コンピをMP3で作るのもお茶の子さいさいです。色んな曲をしっかり聴く事も楽しみですが、お気に入りの曲をしゃぶり尽くすのも楽しみの一つです。
百物語
- Nelsonの場合、そういう演奏が沢山あります。ザッと眺めて百は有りそうなので、「百物語」としてNelsonが気に入っている所以を、その演奏のあれこれとしてメモすると言うか、勝手なことを書き散らしてみよう(^^;)と思いました。「このオッサン、変な親爺やけど、なるほどジャズが好きなことは確かみたいヤ。そんなに良いと言うンなら、今度ジャズ喫茶でリクェストしてみるか」とならないまでも、「俺ももっと色んなジャズをドンドン聴いてみよう」という契機になれば、めっけものです。採りあげる曲は、上記したように、「おなじみの曲」と「とっておきの曲」の2種類があります。
おなじみの曲
- おなじみ、という曲に2種類あります。まず、曲自体が有名で、しかもある人の演奏が極めつけ、という場合です。もう一つは、曲自体は誰もがやる曲じゃないけれども、その演奏が有名で、誰に聴いても「あぁ、その曲って、アノ人がやってるやつネ」という場合です。メディアでもそういう演奏は、何度も記事になります。
とっておき
- 何かの時に、スゴイ演奏に出会うことがあります。聴けば聴くほど、なかなかの演奏と確信が持てます。でも、メディアでも見かけませんし、友達との話題にもなりません。「良いんだから」と友達に聞かせると、「コリャ、良いや」と言うこともありますが、「別にどおってこと無いなぁ」と軽くいなされたりもします。「そうかなぁ」とは思いますが、一人で聴きなおすと「ウン、やっぱ良い」と再確認できます。それが「とっておき」です。他の人に良さが判らなくっても良いのです。自分の部屋で自分が楽しむんですから、自分が良いジャズだと思えばそれで良いのだ、と思います。ここで挙げたのは、そういう「Nelsonのとっておき」です。御賛同頂く必要はありませんが、人それぞれに好きな演奏があり、Nelsonの場合はここで採りあげるような曲の演奏なのです。
好みの括りかた
- でも、そういう自分の好みをある程度客観的に捉えておくことも、時に役立ちます。ある程度守備範囲を言葉で表現できると、ショップの人が「○○さん、こういうの好みじゃなかったっけ」と向こうから声を掛けてくれることがあります。図星を指される事がイヤだなんて思わずに、「良い盤が見付かって良かった」と前向きに捉えましょう。となると、「アンタの好みはどうヨ」と言われそうですが、友達に言わせると「Nelsonは、何でもありのダボはぜ」だそうです。Evans、Coltrane、Rollins、Miles、Pepper、Woods、McLean、Petrucciani、Grossman、Montoliuと、どれを聴いてもウハウハなんだから、「目の前に餌が落ちてきたら直ぐ喰らいついて、釣り上げられるハゼみたいな奴」。まぁ、身に憶えがあるので甘受しています。
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