「水鏡(みずかがみ)」、「ジャズ鏡」
- たしか、三鏡とか言ったと思いますが、平安期の歴史伝承物語に、大鏡、水鏡、増鏡というのがあった筈です。神武建国以来の世相をそれなりの史観もまじえて語り手が述べるのを聞き取ったという形式だったと記憶します。そういう世の流れを記録しようとした作者が、「さて、タイトルは何としようか。」と考えて、「世の流れを写す」のだから「鏡」でどうだろうか、と思いついたんでしょう。鏡物、とも総称したようです。
サイト色々、主催者色々
- 個人が主催するジャズ・サイトが色々とありますが、その内容は様々です。それが、ネット社会における個人サイトの面白さでしょう。国外のサイトも同様で、克明な調査に基づく膨大なデータ量を誇るサイトもあれば、微笑ましいファン・サイトもあります。我がサイトも、Nelsonの怪しげな嗜好丸だしで、個人サイトの典型的な例ではないでしょうか。至るところで珍妙な私見が開陳されており、「読みでがある」という誉め言葉よりも、「ヘキエキするような体臭に参ってしまった」との声も、有るやに聞きます。例えば、メールで、「本線モダンジャズ」とは一体全体、如何なるものか、という質問を頂いたことがありますが、ことほど左様に、方言というか、訛りがきつくてもやっていけるのが、個人サイトです。それでは、Nelsonのサイトとは、どんなものなのでしょうか。
各種ナビ
- 先ず、ナビからです。このサイトのもっとも大きなウリは、恐らく「曲名ナビ」でしょう。ナビは、演奏者、楽器、作曲家とありますが、主催者がもっとも力を入れているのは、曲名ナビでしょう。実際に訪問者の反応が一番多いのが、この曲名ナビだそうです。こういうナビは、好き勝手に作ろうと思えば簡単です。しかし、ちょっと使ってみると分かりますが、このサイトのナビは、それなりに客観性があり、網羅性もありますし、またその曲の演奏を含む盤がクリック一発で、同一画面のまま、それがどんな盤かが分かるのは、実に便利です。これは、行き当たりばったりで作ってるんじゃぁないことは、明白です(ホントカネ)。この主催者は、自分の趣味を少し抑えて、広くジャズを見ようと努力しているに違いありません。データの正確性にも「ある程度の意を払っている」と主催者は称しているようですが、それにも限界があり、主催者が言う「本線モダンジャズ」とかいう範囲を超えるものは、殆ど採っていないようです。わがままなサイトのようで、上記したように、時に訪問者からクレームが付いても、(傲岸不遜にも)誤魔化すか、無視しているようです。
「Those Groovy」等々
- 「Thoose Groovy なんちゃら」とかいう、特定の側面に焦点を合わせたセクションは、最初は2,3セクションだったのが、今や、10近くになってしまっています。個別の内容も、訪問者のためと言うよりも、主催者個人のためのセクションとも思える、病的な突っ込み方です。まぁ、特定のキーワードでのネット検索で飛んできた、その側面に特段の興味がある方になら、面白いかもしれません。しかし、フラッとここに寄ってみただけの方にとっては、息苦しいほどの入れこみが、いっそ興醒めです。しかし、これは個人サイトにはありがちなことで、それがいやなら、読者を広く設定したジャズ雑誌でも立ち読みに行けば良いだけのことです。そして、これらの種々雑多な「Thoose Groovy」の氾濫から分かることは、「この主催者はあることが気になると、一定の期間、そのことを突き詰める癖があり、次には別の側面でそれを繰り返す」らしいことです。「まぁ、オッサンがそういうのが好きなのは判るけどなぁ、、、」というところでしょうか。
、、、と棚卸をしたところで
- というふうに、棚卸をしてみると、上記した我がサイトの特徴は、良かれ悪しかれ、Nelsonという人間の特徴に他ならないことを、口惜しながら認めるしかありません。つまり、クサイ趣味をもった市井のジャズ親爺で、一生懸命に正気を保とうと努力をしてはいるようです。しかし、如何せん生まれつきのヘソ曲がりらしく、「こんなのでも何かの役には立つはずだ。」と言い訳しつつも、書き散らかしは止められない、てなところです。そうであるとして、今更ながらに気付くことは、「個人サイトは、主催者の心を写しているんだなぁ。」ということです。このゴッタ煮のようなサイトの現状は、取りも直さず、今のNelsonの聴き込んでいるジャズの実態、そのままです。このサイトのようなジャズを、Nelsonは日夜(にちや)聴いているのであり、それ以上でも、それ以下でもない、ということでしょう。今は、「ヴァース」や「バトル」に眼が行ってしまった、一種の躁(ソウ)状態とでも言いましょうか、、、
となれば、、、
- 世に個人ジャズ・サイトは、ゴマンとあります。Nelsonもいろんなサイトに、フラッと遊びに行きます。その訪問の度に、「このオッサン、、、失礼、この人は、こういうジャズを、毎日毎晩、聴いとるんやろなぁ。ホント、人それぞれやなぁ」と納得というか、認識を新たにしています。「世の中、色んな人が居るんやなぁ、、、」ということ、つまり、「ジャズ・サイトは、主催者の姿を写し出す鏡ではないか。」と思った次第です。オシマイ。
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