ジャズCD収納法の現状
ジャズCDもある程度溜まると、その収納法に困るので皆さんそれぞれに工夫があるわけですが、Nelsonの現状は、、、というお話
- アナログ時代は数百枚のLPに関して、部屋の実態に合わせた日曜大工の箱や棚を利用していました。CD時代になっても、最初は便利性だけに着目したLPの補完媒体と考えていましたので、CDの扱いは適当なプラ箱を重ねるに止まっていました。そのうち、世の中が完全にCDベースとなってしまい、プレィヤーも良いのが出るようになったのでこちらに重点が移りました。数百枚入りのキャビネット2台くらいで止まっているうちは良かったのですが、CDは更に増殖を続け(まるで他人ごとみたいですが(^^;)、困り果てる事になりました。LPに較べてCDは面積は小さいものの、厚みが結構あり、体積にすると2,3割しか減少していないのです。半年位、ああでもない、こうでもない、と思案投げ首という状態が続きました。
市販のソフトケースに、、、
- 今、手元で確認すると、音楽の友社の「音の書斎」が出たのが1996年、平成6年頃ですか、これを読んでCDをプラケースから出して、市販のソフトケースに移すことを決心しました。今は、これに満足しているというのが現状です。
先ずは、「音の書斎、あなたのレコード棚見せてください」を御存じない方に、、、
- 担当編集者が、恐らくは中古レコード店等の調査により突き止めた市井のコレクターに接触し、その収集の奇矯さを報告すると言う趣向のムックで、クラシック、ポップス、ロック、ジャズ、歌謡曲等々、ありとあらゆるジャンルの隠れた蒐集家が登場しました。実に面白い内容だったので売れに売れたのでしょう、直ぐに続編も出ました。市井の、と書いたのはバラカンさんその他の著名人も出ますが、大半の方が凄いコレクションを持ちながらも、特に名前を聞いたことはありません。Nelsonの先輩も出ていませんから、世の中には数万枚程度持っている人ならザラにいるという証左でしょう。夫々の人が、そのマニアックな収集の成果と経過を披露するわけで、いわゆる収集の観点からも、「もっと頑張んなきゃぁ。」と勇気(^^;)付けられる本です。コレクションのマニアック度については、実に面白いお話ばかりですが、ここは収納の話ですからそれには触れません。その本を買って読むか、図書館で探してください。
収納に関する苦悩
- このムックでは当然、収納のことも語られるわけで、それは涙無しには聞けない感動の苦労話の連続です。第一巻でコレクションの収納の苦労が語られ、第2巻ではCDに特定した収納の工夫の成果が披露されていました。はっきり言って、家屋がコレクションの重量で傾いている人等珍しくはありません。実家に倉庫を持つ方、マンションをもう一室借りている方、コレクションの狭間で寝起きしている方等々、思わず「ウン、ウン」と頷いている自分に気が付きます。殆どの人がアナログのLPやEPが主体ですが、一部の人は今様にCDベースな訳で、色々と家の改造や、果ては地下生活者的な小細工までをしておられます。ある人はケースはそのままに特注の棚を揃えることで切り抜け、別の方はケースからの脱却で切り抜けようとされていました。ケースからの脱却では、販売時に付属してくるビニールの包装にCD本体とブックレットを入れ込む、レンタルCD屋の厚手通い袋を手に入れてこれに移す、自らプラスティック業者に設計図を提示して特注する、と種々の方法が掲載されていました。共通しているのが、プラケを蛇蠍のごとく忌み嫌う姿勢です。これを読んで、まぁ、それ程の量ではないNelsonとしては、市販のソフトケースの採用に踏み切りました。
フラッシュ・ディスクランチの袋
- これは、厚手のビニール袋と、不織紙の内袋からなるもので、一枚用と、2枚用があります。プラケを分解して、CD本体をこれに移すと厚みが3分の一以下になり、既存の収納棚の容量が一挙に3−4倍になってしまいます。CDは不織紙の内袋に入りますから、むしろプラケ時代よりも出世しているとも言えます。全体としてプラケースと同じ大きさで既存の棚がそのまま使える上、厚みがガクッと減るわけです。移行作業は簡単で、ジャズを聞きながらの鼻歌交じりの作業です。ここで、又マニア話をすると、この作業が病みつきになり一日中やっちゃったとか、車の運転中の信号待ち時間にやるとかいうマニアがらみのアブナイ世界があります。お店の場所が下北沢なので、店長の椿さんから何回も分けてもらっていましたが、今は大手のショップで買えます。その間、内袋を少し丈長にする、上端のベロを折り易くする溝を追加する等の改善もなされましたし、マチをたっぷり取った複数枚用のセットも追加発売される等、椿さんの入れ込み方も尋常ではありません。便利さを確認した後のNelsonは、一瀉千里で移行を進め、もう2千枚近くがこの方式になっています。今やマニア間で定番化したこのやり方についてはネットでも詳しく載っていますから、興味のある方はどうぞ(http://member.nifty.ne.jp/boogie/fdr_sc/他多数あり)。なお、フラッシュ・ディスク・ランチさんは、アナログ中古店で、実に濃い品揃えの良店ですが、何故かCDのアクセサリーを手がけられています。直売の方が少し安いです。
うちの子供なんかは、、、
- 世代の違いをはっきり感じるのは、子供がカセットやCDを裸で扱ったり、放り出してあるの見た時です。うちの子供は、携帯用として、写真アルバムと似たバインダーにCDを何十枚も裸で入れています。これはスペース効率は良いようです。しかし、Nelson世代には「裸」が耐えられません。海外出張の時等は、裸ではなく、このソフトケースに入れて数十枚持って行って聴いています。まぁ、インレイが無くても演奏者なんかは知っていますが、あった方が気分が良いです。子供のやり方と効率は似たようなものでしょうが、これはやはり世代の問題でしょう。裸で扱ったからといって、傷が付いて困ったと聞いたことはありませんから、別に大丈夫なんでしょう。変なところで、粗末にしたくない気持ちが出てしまいます。
空いたプラケは、、、
- これに移行すると、当然空きケースが一杯発生してしまう事になります。これを捨てるかどうか、特に新品のピカピカしているケースは、中々捨てにくいものです。古いもので汚れたり、割れたものは気楽に捨てる気になります。例の若手評論家でお医者さんの方などは、それが捨てられずにマンションの台所を一時占拠しているということですから、正に泣き笑いの世界です。Nelson自体は、人にあげたりするときに又ケースを使いますから、ダンボールで何箱か取って置く他は捨てています。えぇ、不燃ごみです。当然ながら、デジパックとか紙ジャケは移行せずにそのままですし、ボックスものは解体する気があれば別ですが、箱も資料として貴重と考えると、やはりそのままとなります。従って省スペースの仕上がりは、3倍程度に落ち着きます。
図解すれば、、、
- 右掲の一番上は、所蔵スペースの変化を示したもので、プラケ中身、すなわちCD、ジャケット、インレイ、帯等をソフトケースに移すと、厚みがほぼ3分の1になります。2枚組みも同様であり、分解が複雑になりますが、落ちついてやれば簡単です。2枚組の場合は、更にスペース圧縮効率が良く、4,5分の1にまで厚みが減ります、移行作業としては、先ずは、プラケを3つの部品に分解して、必要物を取り出します。この分解は、余り力を使わずにダマシ、ダマシやることが大事で、そうしないとプラスティックがわれて飛散します。そしてジャケット、CD、インレイの順に、3つを重ねて、ゆっくりとソフトケースに滑り込ませれば良いのです。これを好きなCDをかけつつドンドンやって行くと、数十枚もやれば空きケースの部品の山が出来ます。これを元のケースの形に戻すのを、一枚づつやるのはかったるいので、一山積み重ねておいて、一気に押し下げる人が居ます。するとそこここで原型に戻り始めるんですが、その時に「パキ、パキ」音が連続的に出ます。「これが、実に何とも気に入っちゃって、ヤミ付きです。」という方も居られるそうで、まぁ、アブナイ世界かも知れません。
敢えてデメリットを挙げると、、、
- 上記のように、収納スペースの激減に満足しているのですが、敢えてデメリットを挙げると以下の通りです。Nelsonはこれ位気にしませんが、それが気になるなら、今までどおりスペース不足の悩みと付き合い続けるしかありません。
- CDの背文字が畳まれてしまうので、読み取りにくくなる。指で一寸押すとタイトル等は読めるが、遠見にタイトルを識別するのは困難。
- 袋の表面は透明、裏面はザラつかせて不透明と、隣り合う袋相互の滑りを良くする工夫がされているが、あまりギッシリ詰めると、それでもやはり取り出し時に、隣の袋が引っ付いて、一緒に出てきてしまう。
- 不要盤を定期的に売りに出す人は、元のプラケに戻して売るんでしょうから、恐らく一定量の別置プラケをおくスパースが必要である。空のプラケは中高音の吸音、散乱に使えるので、部屋の隅などに積んでおけば、部屋の音質改善に使えるが、、、
棚自体
- 棚は、いわゆる多列重層の文庫本用の棚、東急ハンズの棚その他一杯ありますから、御自分のコレクションに合わせて、コレクションの将来の展開も考えたうえで決めるのが宜しいかと。先日、インドネシア製の黒檀色の組み立て棚を見つけて、都合5台ほど調達しましたから、当分、Nelsonは後顧の憂いなく入手に努める事ができるという理想の状態です。しかしカミサンからは不審の目で見られております。先ず第一に、「これでさらに買い込みに熱が入るのではないか」という当然の疑念。もう一つは、要らなくなったケースを捨てない事にあきれて、「何やってんだか。」というもの。まぁ、どちらに転んでも、趣味の世界は他人には理解しがたいものです
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