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2016年11月某日:クラナッハ、Chiaroscuro、神保町さぶちゃん・・・

  • 西洋美術館の「クラナッハ展」観覧の道すがらの猟盤話の前篇です。後編はココにあります。 クラナッハ
  • 西洋美術館でクラナッハ展をやっているというので、重い腰を上げて花の都に見に行きました。今や記憶の彼方に埋もれつつある宮仕え時代には、ウィーンへ出張を繰り返していた時期がありました。真夏のカンカンの下で汗を拭いながら、あるいは真冬にコートを襟元までボタン掛けをしただけでは間に合わず、耳覆い付きの帽子まで被って大使館通いをした思い出があります。日本語を殆ど喋らしてもらえない日々の合間の空いた日に、美術史美術館でクリムトやシーレと並んで、このクラナッハの絵を見て翌日からの仕事に向けた英気を養った記憶があります。今回は日本初の展覧会と言うことで混雑しているらしいので、JRの駅構内にある同展の入場券売り場を利用したので、余り待たずに入館できました。当然ながら、美術史美術館以外の作品も展示されており、久しぶりの眼福を楽しみました。ゆっくりと見て回ると、昔は見落としていた木版画類にも見るべきものが多くあり、その中に多色刷りの木版画が数点あり、結構良い出来だと感じたのです。
    「Chiaroscuro」
  • その木版画が展示された一角で、展示物と共に「Chiaroscuro」と言う単語が何度も出て来るのに、いささか引っ掛かりました。Chiaroscuroと言えば、右掲した「Lou Donaldson」盤などを含めて、「Stroyville」等と共に趣味の良い盤を出しているレーベルで、こっちは米国の会社です。単語の末尾が母音で終わっているので、英語ではなく、欧州語だと見当を付けていましたが、今改めて調べてみるとイタリア語らしく、「陰影法」とか「明暗法」とかを指す美術用語のようです。そして本展覧会での注記では、「Chiaroscuro」に上付きルビで、「多色刷り木版画」と付記してあり、Wikiにもそういう意味も出ていました。クラナッハは、銅版画も製作しましたが、ルター版聖書などに見るように木版画でも開拓者の一人だったようで、しかもそこで数色を使い分けた多色刷りの手法を確立した人の一人だ、と解説してありました。なるほど、そういう意味だったのでした。「自分達のレーベルが狙うのは、ヒット作ではなく、あまり注目こそされなくても、ジャズの大事な側面に光を当てることが狙いなんだ。」と言う意味も込めてあるんだろうなぁ・・・と納得したのでした。既に発売している盤が数百種に及んでおり、Nelson程度のファンでも20枚くらいは持っている筈ですので、言ってみれば「渋いレーベル」としての評価は既に確立しています。
    杉本博司 ロスト・ヒューマン展、東京都写真美術館
  • 田舎から出て来てクラナッハだけと言うのも何なので、御徒町のインド料理屋で昼飯としてから、恵比寿のガーデンプレイスに足を延ばしました。ここでは、杉本博司さんの「ロスト・ヒューマン展」を見て来ました。インスタレーション気味の展示は、今までの同氏の展示とは若干毛色が異なりますが、中々に面白く感じました。例の「京都蓮華王院本堂(三十三間堂)の千手観音」を克明に撮影した写真の一部も展示されていて、コレはこれで目の保養になりました。
  • ・・・と言う所で前編はここまでとして、後編はココにあります。

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