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2003年5月某日

  • 猟盤では、行きつけの店で、新規入荷のチェックを怠らない努力の継続が必須です。とはいえ、やはりたまには新天地ものぞいてみたいものです。Nelsonが、ショップを初訪問するとどういうことになるのか、そんなある日のお話です。
    中古市からたぐって
  • 以前に、近隣のデパートで中古市があって、「First Time Out/ Clare Fischer」盤にめぐり合った話をメモしました。それを出品していた店は、池袋にあります。その中古市では、かれこれ20枚以上も、その店の餌箱から拾い上げたもので、店の名前をしっかり記憶したのです。ビッグP館裏の中古店で、まさか在庫を空っぽにして、その市に出品した筈がありません。「本拠の在庫の量と質をチェックするのは面白そうだなぁ」ということで、「そのうち行ってやろう」と考えていました。
    たまたま、、、
  • たまたま5月20日に、仕事の関係が早めに片が付きました。ちょっと足を伸ばすと、池袋に立ち寄れそうな按配です。でも、そんな可能性を想定していなかったので、店の所在はウロ覚えです。昔、オールナイトによく通った池袋文芸座の近所です。「ここら辺か」と当りを付けた街頭で、周囲を見渡しても、看板が見つかりません。小雨が降っていたので、携帯から104にかけて、お嬢さんに調べてもらいました。聞いた電話番号にかけて、店の方角を教えてもらった頃には、かなりの降りになってきました。
    いざ、店内へ
  • 電話で聞いたとおりに歩いていくと、店は直ぐに見つかりました。ビル脇の階段を上がって、2階です。傘を閉じて入った店内は、CDに限らず、アナログ、ヴィデオ等が山積しています。これは、見込みがありそうです。先ず、入り口に30枚位ジャズがあったので、ちょっと調べて、一枚は拾いましたが、「エーーッ、この在庫で、こんなもんしか無いのぉ。ロック店かよォ。」という感じです。さっき電話に出てくれたらしい店員さんに、「ジャズは、コレだけなの」と聴くと、「そこは新着です。ジャズの在庫分はこっちです」と連れて行ってくれた一角には、5段3列位もの分量のブツがありました。破顔一笑、「ナルホド、こうで無きゃァな」と納得しました。
    それでは、、、
  • 落ち着いて物色と行きますか。初訪問は、行きつけの店とは、事情がまったく違います。店によって、商品配置にクセがあり、それを飲み込むことが最初です。ここは、楽器別、名前順という標準の配列です。それぞれ仕入れのルートが違いますから、その店にしか無い盤というものも、あります。定番もののほかに特色が仄見える盤があるので、初回の訪問では、かなり収穫があるのが、普通です。ここも初訪問ですから、結構見慣れない盤が目に付くので、目に止まった盤から、ドンドン拾っていきます。まぁ、Erroll Garner、Ray Brown、Charlie Mariano、Paul Smith、Eugen Cicero、Sonny Rollins、Bud Powell、Ornette Coleman、Michel Camilo、Eddie Lockjaw Davis、Dexter Gordon、Elise Bianchi、Helen Merrill、和田直、Laurindo Almeida、Michel Legrand 、Eddie Harris、Al Cohn、Archie Shepp、Lou Levy 、Bob James, Herbie Hancock, Eliane, Brad Mehldau、Dave Grusin、Jim Hall、Tom Harrell 、Sam Jones、Charlie Haden、Pat Metheny、Freddie Hubbard、Kenny Drew 、Max Roach、Clifford Brown、Stanley Turrentine、Ted Curson、、、てな感じです。
    調子に乗り過ぎると
  • 2列目の途中まできた所で、「結構な数の盤を拾ったなぁ」と、財布と相談しました。購入する候補の山を、千五百円単価ぐらいで、目の子計算すると、「ちょっと、ヤバイかなぁ」という感じです。店員さんに聞いてみましたが、「カードは駄目で、現金商売のみ」だそうです。とりあえずその山で計算してもらったら、全部買ってしまうと、手持で足りますが、余裕がもう数千円しかありません。まだ、未見の棚が1列以上ある時点でこうすから、もう少し軍資金が要りそうです。銀行のCDが閉まる時刻になっているので、少し考えてから、やはり軍資金を補給することにしました。
    ヒッデェ土砂降りの中を、、、
  • その銀行に行くがまた大変でした。既に本降りになってしまっています。近くの銀行に辿り着いて、少し引き出して、店に戻りかけました。池袋の、北口というんですか、頭のつかえるトンネルのある方です。土砂降りな上に、水はけが悪く、道路は水溜りだらけです。てなことで、服はズクズク、靴の中もグチュグチュになってしまいました。賢い人たちは、ビルの軒下で様子見をしています。「オイオイ、君はそこまでして、何故に、猟盤などするのか」などと、他人ごとのように独言しながら、2階にある店に戻りました。さて、もう一段残っています。フト、棚の上を見ると、Secret Sessions/ Bill Evansのボックスもの等もあります。「今日はそこまでは手を伸ばさないでおこう」ということで、眼前の棚を漁ることにしました。また小一万円分ほど拾って、そこで「本日は終了」としました。フゥーーッ
    店主さんと
  • さっきは留守番の店員だけだったのが、今はもう店主も在店です。先々のことがありそうなんで、一声、かけておきました。「この間、○○の中古市に出店してましたョね。それで、オタクの店のことを知って、「池袋なら」と、店を見に来たんですョ。」と話し掛けると、「それは、どうも、、、」とか話が弾んで、支払いまでの間、近くあるセールの予告などで、暫く会話を交わしました。獲物は、アナログ用の袋に満杯です。その膨らんだ袋を、雨だからというので二重にしてもらって、店を出ました。雨は、相変わらず本降りです。
    もののついでに、、、
  • 常識的には、どっかで雨宿りをすべき状況ですし、これだけの荷物があるんですから、引き上げるべきでもありましょう。しかし、Nelsonは非常識にも、更に「雨宿り」を口実に、「中古ばかりではなく、新盤もチェックしなきゃァ」と、同じ通りの某タ○ーさんを、続いて攻撃しました。「ホンマ、オッサンも好きやなぁ。」ここで暫く漁っていれば、雨も小止みになるでしょう。ここは、結構品数があるので、やはり10枚近く見つかって、一息付きました。5枚組で千円(^^;とかいう、この頃よく目に付く超廉価ボックスを眺めているうちに、「おぉ、そやそや」と、Keith Jarrettの新盤「Up for It」の発売が近いことを、フト思い出しました。それで、売り場の主任さんに「発売は明日だよネ」と、声を掛けました。そうしたら、「ヘ、ヘ、ヘ、、、もう入荷してますヨ。国内盤がコッチ、輸入盤はこれです。」と嬉しい御答がありました。「発売日前だけど、やっぱ店頭チェックはしてみるもんだなぁ」と思いつつ、無論、速攻でゲットです。外に出ると、想像どおりに雨は小止みになっており、パンパンに膨らんだバッグを抱えていますが、ここまで来てるんですから、次はウニオンです。「エーッ、もう一軒行くンかいや、オッサン。」手持のバッグは、以前にテネシー州の、とある町を訪ねたときに、役場の人がくれた町の紋章入りのケブラーものです。しっかりしている上に、小物入れも充実しています。更にジッパー付きのマチがあり、底が伸縮自在です。収穫が少なければ細身に、多ければガバッと広めに使えます。さて、ウニオンさんですが、3店目ですから、さすがに満腹感があり、それほど熱心に見る気にはなれません。新盤と中古を3枚ほど拾って、早々に退散しました。本日は、ブッチャケ、ちょっと買い過ぎでした。いつも、こうではありませんョ、ハイ。
    「裏を返す」
  • 遊郭用語では、初訪問の後、2度目に再訪することを「裏を返す」と言います。色遊びでは、初回は店側が損をして客を楽しませます。遊び人は、初回の印象如何にかかわらず、必ずその店を再訪するのがしきたりです。若干の散財をして、初回の借りを返して、「それでおあいこ」と、埋め合わせをします。それが礼儀だったので、表の次、ということで「裏を返す」という表現が生まれました。それとちょっと趣旨は違いますが、冒頭に書いた中古店は品揃えがしっかりしており、また寄ることになりそうな気がします。いずれ、「近いうちに裏を返す」ことになりそうです。
    、、、オシマイ。

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