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Real Gone Jazz社のアンソロジー(1)
  • 下掲の写真は、昨今、結構話題になる機会が多いReal Gone Jazz(以下「RGJ」と略す。)のボックス物です。英国のMusicmelonというレコード会社が、パブリック・ドメインの範疇に入る音源を使って、軽く300以上のアンソロジーを出しているようです。ここで示した例は、PrestigeレーベルによくあったJam Sessionものを7枚>集めたアンソロジーです。ジャム・セッションらしく、特に「こういう路線を新しく打ち出すんだ。」とかいう意気込みがない代わりに、いつものライブでやっている雰囲気で、こなれた曲をヘッドアレンジのみで始めてみたという感じのトラックが続きます。中の一人が妙に気張って、何コーラスもソロを取っても、周りはニヤニヤして放置プレイ。「こいつの引き出しがいくつかあるか、やらせてみりゃ良いじゃん。どうせ今夜のギグは明日の日付になってからだし、それまでの暇つぶしに何か録音しておくと、ワインストック(社長)が後で、小遣いくらいは出してくれるらしいから、、、」なんてのが、このシリーズなのです。題して、「The Prestige All Stars Seven Classic Albums」、4枚のCDからなるボックスです。

  • RGJは、ちょっと今時不思議なことが多いレーベルで、自社のサイトもあるんだか、ないんだか、どんなものを出しているのか、出してないのか・・・このご時勢なのに、その辺が詳らかではありません。ネット上にある情報は、殆どはRGJを売る側の販売サイトさんのもので、たとえば日本の場合だと、多分卸の会社を通しているでしょうから、そこが持っている情報が全部なのだと思われます。従ってどういう構想で、どんな工夫をしていて、これからどうしたいのかなどの一次情報が、一切不明だと言えます。Nelsonはご承知の通りの年金生活で、何しろヒマだけは一杯あるので、その辺を色々と調べる気になりましたので、お付き合いください。話が長くなるので順序を追っていくこととし、(1)アンソロジーの概要、(2)個別の箱物の内容などについてメモしていきます。

  • 先ずこのレーベルを出している会社ですが、は「Musicmelon社」といい、公式サイトはmusicmelon.co.ukなんですが、そのサイト自体がもう存在していないようです。例の「Internet Archive 」というWayback Machineサイトに行ってみても、普通なら遡及出来る筈ですが、2000年頃からある筈なのに、その最初期のサイトのデータ自体もありません。英国には法人の登記簿サイトがあるのでそれを開いてみても、まぁ、こっちの読み方が悪いのか、余り会社像が見えてきません。
    Musicmelon社のアンソロジー
  • この会社のアンソロジーには、盤毎の解説などはなく、右掲のような既発売リストが付いているのみです。既掲の「Properbox社」ものは、その辺にも気配りがしてあって、2,30ページの物が付いていますから、コレは方針の違いだと思うしかありません。この辺が、既存盤に寄生するパブリック・ドメイン物の辛いところです。つまり、音源自体は自由に利用可能で、このデジタル全盛のご時世ですから、別に純正マスターを借りてこなくとも、板起こしと言われるLPからの再生音をデジタル化することから、市販のCDそのまんまをパクっても自社用の音源は作れますから、それをCD化するだけで済みます。しかし、ソフトとして市販するには、音が出るだけではなく、原盤オリジナルの、あるいは新作のジャケット、ライナー・ノートと言われる解説、それらを店頭でパッケージ物として販売するプラケ等の仕立て等がいります。このReal Gone Jazz社の物はその中の「解説」の辺を手抜きしており、それがイヤなら買わなきゃ良い、、てくらいのものでしょう。

  • それに何故か、イギリスの音楽著作権管理団体「MCPS」のロゴが入っていますが、長靴盤ではないという積りなのでしょうか。(余談ですが、例の「あなたのPCの能力が危険なほど低下しています」という怪しげな誘導警告広告では、「当方は、MSのパートナーです」という但し書きが付いていて、うっかりした人なら「MSの関連会社なら信用できるな」と誤解してそのリンクをつい踏んでしまうように企んでいます。それと同様に、) このボックスに「MCPS」のロゴが付いていても、別にそれだからと言って有難がる必要はホボ無さそうです。念のために、今、山手線の構内なんかで昔よく売られていた長靴ものらしきCDを見直してみました。この「エコー産業」さんのCDにも麗麗と、今を時めく「JASRAC」さんのロゴが付いていましたが、「JASRAC」さんがこのCDの何を保証してるのか、してないのかは、寡聞にして存じ上げ無いのと同様のことかと思われます

    以下、ちょっと残暑が厳しすぎて、書く元気が出ないので来週回しです。。

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