パブリック・ドメイン: 廉価版CDボックスものの隆盛
- この頃、ソフトショップやネットなどで、ジャズの昔の録音が廉価版CDボックスで出ているけど、、、というお話です。クラシックなどは以前からそうだったんですが、ジャズでも著作権が切れる50年と言う節目を超える音源が多くなってきたので、そこを狙うニッチな商売が成立するようになってきたようです
著作権とパブリック・ドメイン
- ジャズに限らず、小説、特許等々の知的な生産物に関しては、創作者の法的な権利が保護されていて、秀でた芸術家を守るために他人が勝手に利用することを制限しています。但し、何時までも保護し続けるのもまた文明・文化の進展を阻害するという考えからでしょうか、保護には期限があり、音楽の場合は50年、あるいは70年と言う節目を定められています。この期限を過ぎると、誰もが自由に複製などの利用をして良いことになっています。まぁ、実際には色々と個別の差異はあるようで、国によっては期限が50年だったり、70年だったりしますから、ある国で良くっても、他の国では駄目ということもあるようです。これらは、パブリック・ドメイン、公的な領域にあると称されていて、それ専門のサイトなどがあります。
隣接権
- パッケージとなったジャズのLPやCD等は、中身の音楽だけでなく、製品全体としていろんな人がかかわっており、それぞれの人がいろんな権利を持っています。たとえばライナー・ノートを書いた人にはそれなりの権利がある、、、といった具合です。ジャケットなども、原画を描いた人、それをジャケットの形にデザインした人、それをパッケージとして販売した会社の夫々が、それなりの権利を持っています。音源の方でも、元の録音テープ、ミックスをしたもの、マスタリングをしたもの、そして昨今ではそれをAD変換したデジタルデータ(細かいことを言えば、ハイレゾのデータとCD用のデータにも違いがあります)等々、様々の人の手を経て、製品としてのパッケージが出来るのです。
廉価版CDボックスもの
- 仕事で外国出張に行かされていた2,30年前には、移動日などにレコ屋に寄って猟盤をしていました。その頃から、特に欧州のショップでよく見かけましたが、時々、「フーン」と唸らざるを得ないような廉価版CDのボックスものに出会いました。当時でも、CD一枚あたり底値で100円程度の箱物がありました。マイルスのコンピに感心: Compilation、著作権、エージェンシーなどがその好例ですが、今でも、たとえばコルトレーンの箱物で、10枚組で1000円なんてのが、店頭にゴロゴロしています。こういう箱物は、そのためだけにリマスターなどの手間を掛ける訳もなく、素直に元のCDのデータを使っているようですから、聴くのに問題はありません。但し前記の隣接権がらみだと思いますが、ジャケットやライナー・ノート等はオリジナルのものが使えないようです。、まぁ、どんな演奏が入っているかを聴くには、これでも十分でしょう。
Mischief Music Limited社のレーベル:「RealGoneJazz」
- そういう中で、近年、この「RealGoneJazz」というレーベルが良く目に付き、またネットでも話題になっているようです。数枚のオリジナル盤の内容をギチギチに詰め込んで、まぁ、4枚程度のパッケージにまとめて、千円前後の値付けで販売しています。結構たくさん買いまして、面白がっていますので、その辺をまとめてメモしてみようと思っています。右掲の写真についても、後記します。
|