「レコスケくん」には参った
- 今一部の猟盤趣味の方には評判の「レコスケくん」、についてのお話です。
「レコスケくん」
- レコード・コレクターズ誌などで見かけていた「レコスケくん」が、何と単行本になってしまいました。これはNelsonとは畑違いのロック系の猟盤趣味の青年の、濃い趣味に係るアレコレ話をコミックに仕立てたもので、冒頭の「反り盤事件の巻」を一寸紹介してみると、こういうお話です。レコスケくんは、ある店で反り盤を何のかんのという作り話で売りつけられます。お察しの通りにレコスケくんは、直ぐに聞き飽きて買戻しを申し出ます。すると、「そんな反り盤は買えませんョ」と元の店主に軽くいなされてしまったのです。「ウォーッ、やるじゃん」と唸る話です。これを読んで、業界事情を知人の古物商に聞いてみましたが、「海千山千の骨董の世界でも、そこまでの話は聞いたことが無い」とのことです。そうかも知れませんが、でもまんざら起こり得ない話でも無さそうです。こういう話が、数十話纏められています。
いい年をして、、、
- もう分別もある「イイおとな」であるNelsonは、このコミックを某書店で見つけましたが、流石に「イャ、こういう本を買うのは、ちょっとまずいんじゃないかなぁ」と迷った挙句、年甲斐も無く買ってしまって、抱腹絶倒の目に合いました。結構深い話なので、興味のない方には面白くはないのでしょうが、その趣味のある方には、ニヤリとなる話ばかりです。それを承知で、という方は、お買いになっては如何でしょうか、とお薦めしておきます。ちなみに、ミュージック・マガジン社のレコード・コレクターズ誌2001年12月増刊号、「レコスケくん」、定価税込み千円です。
購買層
- 解説者が書いていますが、このコミックは売れる筈が無い種類の本だそうです。「釣りキチ三平」等は、釣りに惹きこまれる前の一般人を対象にしているのですが、このコミックはかなり深いところでの話であり、既にその道にはまり込んでいないと、面白くも何ともなく、従って買う気にならないからだとのことです。確かに、大の男がLPのカットアウトの位置やスリーブの有無などに、眼の色を変えるなんていうのはおかしな話だ、といえばその通りなのですから。
レコガール
- 先ほど「大の男」と筆が滑りましたが、じつは猟盤趣味は性別には関係がなく、女性でもかなり入れ込んでいる方が居ます。Nelsonも、中古店で「何だ、これは、香水の匂いがするぞ」と思ったら、隣の餌箱を女の子が漁っているという事を何度も経験しています。このコミックのもう一人の登場人物、レコガールさんが、またかなり教条主義に徹しておられて、LPの外袋と中袋の由来が違うのをサット見分けたりして、「そういうのには手を出さない」とおっしゃいます。取捨選択の基準がハッキリしており、基準に合致しない盤に手を出さないのは、いっそ気持ちのいいものです。「いやぁ、そこまで言うかね」という徹底振りで、拍手したくなります。
レコゾウ
- もう一人が、このレコゾウさんです。この人はレコスケの先輩格というか、猟盤街道の少し先を歩いている人のようです。色んなことを教えてくれるようですが、でも結構冷たい面もあります。例えば、ザラ紙ジャケット盤に木工ボンドを塗ってテカテカにし、「厚手ビニール・コートのヴァージョンだ」とレコスケに売りつけることも辞さない面があります。無論たまたま傍に居た、愛すべき我がレコガールさんは、直ぐに見破るんですが、、、
これを契機に、、、
- このような3人組に、中古店主などが絡み合って数十もの挿話が一冊の本になっているというわけです。再び解説文の紹介ですが、「このコミックを読んだのを契機にして、猟盤を始めました」というお子様が現れることを解説者と共に祈って、このメモを閉じます。
|