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「Blue Note Photography」

  • 「Blue Note」レーベルは、出だしこそインディー・レーベルとして発足したものの、その確固たる本線狙いの路線をゆるぎなく進めていく中で、モダンジャズを代表する位置を占めるに至りました。そしてその中身たる音楽のみならず、卓抜したジャケット・デザインも強く支持されました。そういうカヴァー・アートのネタとなったのが、この本に収録されている諸々の写真群です
    Francis Wolff
  • Blue Noteレーベルの副社長格であるFrancis Wolffは、50年代から、60年代にわたってレーベルが使う写真のほとんどを担当しました。それらは広告のみならず、ジャケット及びライナーノートの挿入写真として活用されてきました。Wolffは2眼レフのローライ・フレックスを常用し、フィルムはコダックの白黒しか使わなかったようです。このカメラを使って、録音風景のみならず、ちょっとしたアイデアに基づく街頭スナップによって、BNレーベルで録音を行った数々のジャズメンの、ナマの姿を切り取ることに成功しています。彼はそのカメラを通して、50,60年代に花開いたモダンジャズの創作活動の熱っぽさを切り取って行ったのです。
    BlueNote
    (Sonny Clark)
    特に、アフリカン・アメリカンの真っ黒な顔を、それも素晴らしい才能を持つ人物として、真正面から撮って、それをデカデカと使うことは、50年代頃にはまだ、世の常識とはかけ離れた行為だったことに留意すれば、かなり破天荒な冒険であったのです。
    トリミング
  • Wolffは、それなりに自分の写真には愛着と自信があったので、Reid Milesが情け容赦もなく自分の作品を切り刻んでしまうので、当初は釈然としなかったといわれています。しかし、そうした果敢なトリミングの結果として仕上がったジャケット・デザインの秀逸さに気付き、またジャズファンからそのデザインを褒められるにつれて、むしろ、自分の写真がどうジャケットに仕上がっていくかを楽しみにするようになったそうです。
    Jimmy Katz
  • BlueNote
    この本には、90年代からBNの写真を担当したJimmy Katzの作品が、後半に掲載されています。Katzは根っからのジャズファンで、Art TaylorやJackie McLeanに紹介されて、BNの写真担当をするようになったようで、初めて聖域であるRudy van Gelder(上掲)のスタジオを訪ねた時は、あの入口の木のステップの所でしばしたたずみ、「John Coltraneが、この階段の所に居るWolffが撮った写真があったなぁ、、、」と回想したそうです。最初の仕事は、Joe Lovanoの録音だったというのですから、まぁ、BNが身売りした後の頃なのでしょうが、、、

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