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アドリブするは、唸るは、、、

アドリブ中に唸る癖のある人がいます。「ウルサイから厭だ」という方も居られますが、本人は止める気はありません。特筆すべきはベースの場合で、運指に力が要るからでしょうか唸る人が多く、それが「ユニゾン・ハミング」という名前が付くほどに人気があります。当たり前ですが、管を口にくわえている人にはやり難い技です。ライブの経験が多い方は御承知でしょうが、観客に聴こえるかどうかは別にして、殆どのジャズメンが、実は多かれ少なかれ唸っています。リストが出来てから気付きましたが、殆どがライブ盤です。ヤッパ、盛り上がっちゃうんですかねぇ。
  1. Bowin' Singin' Slam/ Slam Stewart (Bass)
    ベースによるユニゾン・ハミングの元祖ともいうべき人です。この人の場合たまにやるのではなく、むしろ「Bowin' Singin'」という売り文句で、出し物にしています。アドリブ自体がしっかりしている上でのハミングですから、人気が出たのも当然です。
  2. Hawkins Alive At the Village Gate/ Major Holly (Bass)
    Slam Stewartと並ぶユニゾン・ハミングの名手です。この人の場合は、「ツィーン、ツィーン」と聴こえるように唸っているかのようです。
  3. Black Orpheus/ 鈴木 勲 (Bass)
    鈴木さんもアドリブ中に唸った人です。看板の「黒いオルフェ」では、ベースのアドリブが盛り上がってきた所で、「イェイ、イェイ、、、」と興奮を洩らしています。Blue Cityでは、ニューヨーク時代にSlam Stewartの演奏を聴いて以来、自分でも時々やるようになったユニゾン・ハミングもやっています。
  4. Summertime/ 大由 彰 (Bass)
    この盤の4曲目では、イントロにすっげぇピチカートとアルコの両方でソロを聞かせながら唸り始めた後、テーマに受け渡す時にオン・リズムにして大声で唸るのが、バッチリ決まっています。また、順番が回って来てアドリブをする時も、完全にユニゾンで唸っています。それが演奏の熱気に繋がっていて、決して邪魔ではありません。
  5. Pike's Peak/ Dave Pike (Vibraphone)
    ヴァイブには唸る人が多いんですが、この人も凄く唸ります。この盤の「Why not」なんかでは、唸りっぱなしです。
  6. Herbie Mann Live at the Village Gate/ Haygood Handy (Vibraphone)
    この人も唸るヴァイブです。この盤でもウリの「Comin' Home, Baby」のアドリブ、5分半辺りで唸り始めています。次の「Summetime」では、イントロから唸っていますねぇ
  7. The Historic Mocambo Session '54/ 守安 祥太郎 (Piano)
    パウエル系には多いので、トシコおばさまもそうですが、守安さんも夢中になると唸ります。例えば、この横浜モカンボでのライブ記録でも、一曲目の「今宵の君」では、4分辺りから8分まで、誇張ではなく、正に火の出るような熱いピアノ・ソロをやっています。そして盛り上がって来ると、感極まった唸りが出ています。コレだけ凄まじいアドリブをやれば、息も上がるでしょうし、息継ぎが唸りになるのも仕方ありません。
  8. At the Blue Note,The Complete Recordings/ Keith Jarrett (Piano)
    この人は、この盤に限らず、殆どの曲で唸ります。「ケルン・コンサートは良いけど、あの唸り声がどうも、、、」というクラシック・ファンは多いようです
  9. The Sound of the Trio/ Oscar Peterson (Piano)及びRay Brown (Bass)
    Oscar Petersonは、興に乗ると「ウンニャ、ウンニャ、、、」とやり始めます。このシカゴでのライブ盤では、冒頭の「Tricrotism」がベースの巨人、Oscar Pettifordのオリジナルです。当然、Ray Brownがテーマをやりますが、かなり速い運指が必要なようで、さすがのRay Brownも唸ってハズミを付けています。続くOscar Petersonのアドリブも、最初っから唸っています。更にRay Brownのアドリブも、よく聴くと相当に唸っています。そして見事なエンディングはリフ仕立てで、延々と盛り上がりますが、当然ながら御得意の「ウンニャ、ウンニャ、、、」が出ていますね。
  10. Misterioso/ Johnny Griffin (Tenor Sax)
    管で唸る人はたまに居ますが、この人は盛り上がってくると唸ります。このライブ盤でも、2曲目そして、特に3曲目の「Let's Cool One」ではソロのアドリブを手がけており、それへの入り及び途中で唸っています。管ですから、フレーズの切れ目にブレッシングがあって、その吸い込みが唸りに聴こえる場合もありますが、この人は意識して唸っています。
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