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アルトのワンホーンは、ゴリゴリ感というよりは、少し軽目というか、軽快な音、旋律、展開のスリル等を楽しむ、ものであろうか。無論、「泣き」も重要な要素。
- Blues Walk/ Lou Donaldson
BN1500番台でも出色の盤。表題曲が有名だが、良く聞くとコンガが実に良く効いている。Lou Donaldsonは、名盤A Night at Birdland with Art Blakey Quintetで、Clifford Brownとフロントを張ったヴェテランだが、そこでの瑞々しいパーカー系のあるとも彼だし、後のAlligator Boogalooなどの調子良いアルトも同じ彼である。どっちがどうと言うべきものではなく、人間というものはそんなに単純なものではない、ということに過ぎない。
- Swing, Swang, Swingin'/ Jackie McLean
Jackie McLeanも良い演奏が一杯あるが、「泣きのマクリーン」ならコレ。Let's Face ...他、この人ならではの叙情性が決めてか。ジャケットがDonald Byrd/ Pepper Adams Live at the Half Note Cafeで中身がこの盤という、いわゆる「キズ盤」を安いから買ってもっており、中身だけはブ厚いオリジナル物なのでキープしているが、さてどうしたものか。
- Sits in with the Oscar Peterson Trio/ Sonny Stitt
実にスムーズ。正に、心の中から自然に湧き出てくるままに吹いていそうに見えて、それが真似できない至芸となっている。一寸外せば、「何だ、適当に一丁上がりにした、平凡な演奏じゃない。」となるところが、そういうレベルに堕さないところが凄い。
- Meets the Rhythm Section/ Art Pepper
「暫くホンチャンのジャズメンとやっていなかったので、ちゃんとやれるか心配だった。」のに凄い演奏をしたからエライ、という解説が一時は幅を利かせていたが、今はそれが是正されて絶頂期の録音という解説が多くなった。それはArt Pepperの足跡の1957年近辺をみれば分かるはずで、この前後の時期の録音は素晴らしい演奏が目白押しです。従って、冒頭のYou'd Be So Nice ...からして、聴くものを引き込み、続く曲もすべてが良い出来で、正に神が微笑んだとしか思えない名盤。
- This is Criss/ Sonny Criss
快調アルト。アルトの芯の音を聞かせるという感じで、しかもキレイにSwingしている。辛口ぶって「一本調子だ」なんて言わずに、このスムーズな流れに身を任せる事が大事ではないか。
- Last Date/ Eric Dolphy
アルトだけではないんだけど、、、肉声としてのジャズを聞かせるタイプなので、キレイという音ではないが、人を動かす芸術である。楽器を鳴らす、ということに淫しないで、自意識を鮮明に維持しているのがよく分かる
- Live at the Showboat/ Phil Woods
グラミー賞を取ったのも当然の、正にジャズの本質を突きつける素晴らしい演奏が目一杯聞ける。(元はアナログ2枚組み)兎に角、この人にかかるとアルトという楽器が鳴らしてもらって嬉しがっていることが伝わってくるので、こちらもその気になる。
- Parker's Mood/ Sadao Watanabe
ナベサダの本格的な演奏。「アドリブに入ると、若い人がしらけるので、本格的なジャズはやらないようにしている。」ということらしいが、たまには我慢できなくなるわけで、流石に日本の第一人者だけに「本気でやればやっぱスゴイ。」
- Big, Sweet n' Blue/ Norris Turney
Duke Ellingtonが寵愛したアルトで、もう70を超える古老。その年で、これだけ柔らかくて、ビッグな音は希有。伊達に年は取っておらず、今時の若いもんにこんな芸はできまいと意気軒昂。
- Jazz Nocturne/ Lee Konitz
コーニッツとバロンの連携が凄い。少し昔よりは疲れが見えなくも無いが、昔もこの人は若干粘り気味だったから、変わらないとも言える。ジャズは必ずしも腕力ではないことを知る盤
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