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Hi Fi Stereo Guide

  • 「Hi Fi Stereo Guide」「Hi Fi Stereo Guide」は、Stereo Sound社が刊行したムックで、ある時点で国内で入手可能なオーディオ機器を網羅したカタログ本です。同社の看板雑誌「Stereo Sound」の増刊号と見ても良いのでしょうが、毎年の元旦日付で、かなり長い間刊行されていましたが、今は見かけません。とうに入手不可能なムックなんですが、記憶に止める価値があると思い、メモしておきます。
  • ほぼ一万件の機器について、「スペックが並んでいるだけ」という、興味の無い人には「馬っ鹿じゃないの」と酷評されるに違いないマニア本です。ある時コタツの上に置いたままにしてあったのが、カミサンの友人の目に止まったらしく、「へぇ、こんなイケナイ本(^^:があるんだ。」とか、「奥さんも大変ねェ」とか、カミサンは色々と同情されてしまったそうです。定価が5千円もしますが、好きな人にはこたえられない貴重な内容ですし、一寸したオーディオ・ショップにはバックナンバーも含めて、必ず置いてあった、商売上の必携書でした。つまり、中古オーディオの値付けに際して、安からず、高からずの売り頃の値段を付けるのには、発売時の定価とウリになるスペックとが、商売上欠かせないらしいのです。
    構成
    この本の構成は、その時々のオーディオ事情に応じて変わりましたが、たとえば以下のような感じで、殆ど全ての機器が掲載されていました。
    • Speaker Systems
    • Loud Speakers
    • Integrated Amplifiers
    • Control Amplifiers
    • Power Amplifiers
    • FM Stereo Tuners
    • Receivers
    • Compact Disc Plyers
    • Record Player Systems
    • Cartridges
    • Tone Arms
    • DAT
    • Open Reel Decks/ Cassette Decks
    • Hi Fi VTR/ VD Players
    • Mixers
    • Headphones
    • Microphones
    • Kits
    • Recording Tapes
    • Accessories
    目次の後ろに、ジャンル別・価格順一覧表が付いており、その後は、もうデータの洪水です。そして、巻末にはメーカーのカタログ請求先が掲載されていました。
    収録データ
  • 個々の機器に関する記述は克明であり、それぞれの機器に応じて必要なスペックが網羅されています。ですから、何かの時に、「エェーット、あれはどれ位の外径寸法だったっけ。」なんて時には、強力な味方になります。
  • 例えば、「Altec 604K」同軸ユニットについての収録データは、次のようなものであり、過不足がありません。他の機器においても、まぁ、必要なことは大体掲載されているので典拠としての網羅性は抜群でした。
    • 形式
    • 口径
    • 再生周波数帯域
    • クロスオーバー周波数
    • インピーダンス
    • 最大入力
    • 出力音圧レベル
    • レベル・コントロール
    • バッフル開口径
    • 外径寸法
    • 重量
    • 備考

    副産物にしては、、、
  • 同誌は、オーディオ誌であり、毎号の新機種紹介は目玉記事です。それを読めば、記事の片隅にこういうデータが載せられているのは、御存知でしょう。この「Hi Fi Stereo Guide」は、その副産物でした。新機種だけではこの企画は成立しませんが、一定の期間刊行が続けば、必要なデータが貯まります。それを写真付きでまとめれば、このムックが出来上がるわけでしょう。それの値付けが、5千円です。分野こそ違いますが、「Swing Journal」誌は、年初一月号の付録に、同様の手法で編集された「Jazz CD/ LP/ AV Complete Databook」を出しています。未だに刊行し続けており、現在はデータベース処理を加えて、曲名、ジャズメン索引も付加していながら、値付けの無い付録です。両誌の刊行部数に大きな開きがあるのかも知れませんが、この件に限定すれば「Swing Journal」の方が読者サービスに熱心だ、と言えるかもしれません。

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