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音色の鳴らし分け

    音色の鳴らし分け
  • これは、誰もが気にします。楽器には、金管・木管、鍵盤、弦、打楽器と色んな音色がありますし、またそれに肉声も加わります。音楽は、楽器や声を通じた音ですから、元の音が忠実に出ることが必要です。今、何という楽器が鳴っているのか、さらにはテナーバトルの時にどっちが吹いているのか、それが見分けられなければ、興ざめです。中には、「ベーゼンドルファーの音がしている」とか、「セルマーの音だね」とか、おっしゃる方も居ます。それぞれの楽器の音は、個々の人が経験で心得ていますから、それと似た音が出るほうが、幸せというものでしょう。
    例えば、ラジオだと、、、
  • 昔、ドライブ中に「Eastern Man alone/ Charles Tyler」がラジオから聴こえてきて気に入り、TBSに電話をかけてこの盤を手に入れたことがあります。でも、実はその時、「今やってたジャズのヴァイオリンの演奏が気に入ったんだけど、、、」という聞き方をしたのを憶えています。レンタカーのAMラジオの音は、その程度のレベルで、走行中のノイズの中から聴こえてきたアルトが、ヴァイオリンに聞こえていたのでした。無論、家で聴くオーディオでそんなことがあっては困りものです。
    Stan GetzとSonny Rollinsでも、、、
  • 少し聴いていると、Stan GetzとSonny Rollinsとで、またMiles DavisとLee Morganとで音色が違うことに気付きます。サックスの人は、音色を決めるリードを厳選しています。自分でリードを気に入るまで削る人も多いと言います。それ程に、ジャズメンは自分の音色を持とうとしています。ギタリストでも、自分のチューニングを秘密にしている人が多く居ます。Nelson御ひいきのペトさんも、「Steinway Concert Grand」でしか録音しないのです。強奏であれ、弱音であれ、「Sonny Rollinsらしい音」が出てくれないと、「どっか調子が悪いなぁ」とシステムを撫でたり、さすったりすることになります。「その人らしくないので、どうも音楽に浸りっきりになれない」という状態は、マズイと思います。

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