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「静か系ピアノ」の禁断の聴き方

  • いいオトナがそんなことしちゃぁいけない、とは思いますが、これが結構イケルので不思議です、というお話です。
    発端は、犬の散歩(^^;)
  • 犬の散歩中にディスクマンでジャズを聞いています。その時に、たまにヴォリュームを間違って大音量にしてしまうことが何回かありました。少しヴォリュームを落とすのですが、それでも結構な音量になることがあり、そのまま聴いてしまうことがあります。そのうちに、そこに「禁じられた世界」があることに気がつきました。つまり、常識はずれの聴き方なのですが、また結構良い場合もあるのです。
    自宅でも
  • そのうちに、上記の聴き方を自宅でもしてみて、やはり必ずしも「問題外」とは言えないなぁ、と思いました。誰にでも薦められるものではありませんが、もし、御興味があれば、試して見てください。聴く対象は、今のところ「静か」系のピアノトリオを試しています。(他にも、面白いジャンルがあるかもしれません。)例えば、Fred Hersch, Thierry Lang, Bobo Stensonなどのトリオと言えば、お分かりでしょう。Nelsonも、普通はこれらは常識的な中音量で聞きます。それでこの「禁断」の聴き方では、これを考えられないような大音量で聞くのです。すると、この人達のキレイな音楽が様変わりして、結構「激しめ」の演奏になります。「キレイ」、「静か」ではなく、「躍動的」、「激情に駆られた」演奏になるのです。そして、少なくともNelsonには、これはこれで良い演奏(再生かな)だ、と聞こえます。元来の製作意図からすると、こういう聴き方は「禁じられている」に違いありません。
    禁じられた世界
  • 元来の製作意図からすると、こういう聴き方は「禁じられている」のかもしれません。丹念に選ばれたキータッチに耳を傾け、ベースのサポート、大概はブラッシュでメリハリを付けるドラムス。これらを神妙に聴く、というのが普通です。元の演奏自体でも、ベースやドラムスがヒッソリとサポートしているものが殆どです。さて、ヴォリュームを異常に上げると、それが、様変わりします。ピアノのタッチも結構粗削りになりでも、ベースも唸り始め、ドラムスも結構叩き始める訳です。聞き逃していた微妙な微小音が、明瞭に聞こえます。サラサラ、というブラッシュが、バタバタと聞こえます。めったに聴かない大音量のブラッシュというのも、聞きごたえがあります。おとなしい演奏の筈が、なかなか「リキ」が入って迫ってきます。これは、ノイズレベルが驚異的に下がったデジタル録音ならではの新しい世界です。
    オカシナことを言うようですが、、、
  • 変な表現と承知の上で書きますが、そこに「力のこもった、怜悧な演奏」が出現するのです。そして恐らくそうではないかと想像しているのですが、元の演奏をスタジオで間近で聴くと、恐らくこんな音がしている筈です。それに、ライブで聴く時に、「このおとなしい筈の人が、結構リキ入れて演奏するなぁ。」と怪訝に思ったことなども想起しました。誤解を恐れずに言えば、「こういうホントウは結構メリハリのある演奏を、普段は考えも無く(そうするものだ、と他人に言われる通りに、)無批判にひっそりと聴いてしまっているのではないか。」というこじ付けの理屈も浮かびます。何と心得違いな、と憤慨されるのもごもっともです。一方で、買ってしまえばどう聴こうとアンタの勝手、という見方も出来ます。
    非日常の世界
  • 別に、どう聴こうと犯罪行為になる訳でもないので、何時もと違う聴き方をすると、また新しい興味も出て来はしませんか、ということです。
    と読んでこられて、オヤッとお気付きになりましたか。そのとおりです。この項は、この間の話の続編なのでした。

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