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ALTEC 6041 (1)
  • ALTEC 6041は、1970年代にJBLが4343を出して、プロ用の世界に4ウェイを参入させた時に対抗して出した製品です。4343は発売されるや、アジアの小国で、何故か家庭用の最高峰として持てはやされ始めました。当時、ALTECのプロ用機種、612及び620モニターは、同軸2ウェイ・ユニットである604-8Hを搭載したものでした。ALTEC 6041指を咥えてJBLがアジア市場を席巻するのを見ているわけには行かなかったんでしょうか、日本の代理店の誰かが、「604-8Hにスーパー・ウーファーとスーパー・ツイターを付けて低域、及び高域を補強すれば、簡単に4ウェイになるじゃん」と安易なアイディアを出したのかも知れません、本社に要望を出します。「まぁ、余り手間もかからないし、、、」となったんでしょう、本社は無視できない需要があるアジア向けとして、そのアイディアを採用したALTEC 6041を売り出した、、、なんてところではないでしょうか。最近も、米国の「高能率スピーカー・マニア」の掲示板で、「米国では見かけない6041というのは、ナンなんだ」というスレッドが盛り上がりましたから、満更根も葉もない想像ではありません。、、、というのは、Nelsonの邪推です。「604-8Hの基本的な性能は抜群なんで、ちょっと上下の端を補強すれば、世界最強だ」と信じて、苦労して開発したものでしょう。
    製品の諸元
  • ALTEC 6041この6041の諸元は、次の通りです。
    • 使用ユニット:416-8BSW(サブ・ウーファー)、604-8H(同軸2ウェイ)、6041T(スーパー・ツイター)
    • 能率: 100dB
    • インピーダンス: 8オーム
    • クロスオーバー周波数:350、1,500、8,000Hz
    • 最大入力: 65W
    • 寸法:63 X 114 X 47センチ
    • 重量:95キロ
    上記クロスオーバー周波数の仕様は、JBL4343を強く意識したセッティングで、ユニット自体の性格からすると、もっと別の設定が可能です。右図に見るとおり、かなり超ど級のシステムで、スッゲェ音がしそうです。しかし実際は、帯域が広がったせいもあってか、むしろ穏やかで、伸びのある感じです。アジア向けであろうが、無かろうが、聴いて結果がよければ、由来は問題ではありません。しかし、百キロ近い重量はかなりのもので、とても一人で持ち運びできる限界を超えています。種々の位置調整等は、下に敷いたジュート・シート上を、少しづつ上手く滑らしてやるしかありません。御興味がおありの向きに参考までに書いておくと、30年前の発売価格がペアで130万、30年経った中古品はその4分の一程度と考えてください。市場人気の高い組み格子ものではないので、買い易い価格ですね。
    システム構成
  • 6041は、御覧のとおり40センチユニットが上下に二つ、雁首を並べています。内部も上下二つに分かれて、間にはしっかりした仕切り板がありますし、所々に仔細ありげな補強のリブ板が付いた頑丈な箱です。下のユニットは、当然ウーファーで、416-8BSWが装着され、ユニット下左右にパイプ・ダクトが二つあります。容積は612モニター程度で、200リットルまではない感じです。416-8は、元来300リットルとかの大き目の箱で良い低音を出すので、この程度の容量では最適ではありません。ここではBSWという枝番の付いたユニットですから、その点を補い、スーパーウーファーとして使用するために、何らかの仕掛けがしてあるのでしょう。下ユニットの右横には、4ウェイですから3個のアッテネ-ターが設置されていて、レベル調整が出来ます。30年前の中古ですが、幸いガリは出ていません。裏面下部には、ネットワークが金属性ボックスに封入されて、顔を出しています。中の部品には興味がありますが、やたらとネジが多いので、暇が無いと分解し切れません。ネットワークをバイパスして、マルチ・アンプによる直接駆動もできるのは、JBLの4343を意識してのことでしょう。上部には604-8Hと6041Tが装着されています。システムがミラー配置のため、6041Tは左右の箱で対照的な位置に付けてあります。箱は共通なので、使わない方の穴はサランで蓋はしてありますが、604-8Hのウーファーの息抜きになっています。サラン・ネットは木枠つきで、ツラ一のバッフルから数センチ飛び出ています。躯体は見たところでは、パーチクル・ボードに木目付き板張りと思います。
    もっと詳しいお話は、、、
  • ここまで読まれて、もっと詳しいお話を聞きたい方は、Altec 6041 (2)を、どうぞ御覧下さい。
    聴いた感じは、、、
  • 前記しましたが、意外におとなしい音です。無論、スーパー・ウーファーがありますから、低音はたっぷり出ます。ちょっとブカブカする気がしましたから、上図のとおり左右のパイプ・ダクトにセーターを突っ込みました。中音及び高音を受け持つ604-8Hは350ヘルツ以上しか入りませんから、息抜き穴が付いた100リットル位の小さな箱に押し込められていますが、無理の無い駆動です。スーパー・ツイターは8キロヘルツ以上といいながらも、耳を近づけると結構働いており、アッテネーターの通常位置はレベルがかなり高めにセットしてあります。その方が存在が目立って、聴いた気がするのかも知れませんが、少し変わったセッティングですから、直してあります。30年ぶりに買った既製品(^^;)だから欲目があるのかも知れませんが、悪くない音です。後は部屋との馴染み、床との接触面の調整で少し変わっていく筈です。この箱のままで上下の仕切りに大穴を空け、604-8H単独駆動をすると、620モニター等価になると気付きました。しかし既製品というものは、そこまでいじるものではなく、このままの姿で楽しむものなのでしょう。

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