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JBL HL87
  • JBLの「HL87」は、中々味のあるモノですので、手持ちを分解しながら、特長をメモしてみました。これが取り付けられる本体のLE175DLHについては、こちらをどうぞ。
    「HL87」
  • choice「HL87」は、面白いホーン・レンズ(HL)です。ホーンには色んな種類があり、今はバイ・ラジアルという形式がはやっていますが、このHL87は原点に近い形式で、円錐ホーンと呼ばれる形式です。そして円錐ホーンであれば、同社にはHL91/ 92/ 93というようなものがありますが、これはそれらとは違って、ホーンの先にパンチング・メタル製のレンズが付いています。左に示したHL87ホーン全体は、円錐ホーンとその先のレンズに分かれていて、両者はネジ止めされています。この「HL87」を分解すると、パンチング・メタルがクッションを介して重ねられており、メタルの共振をダンプしています。下記するように「ナルホドねぇ」と思わせる仕組みになっており、そのデザイン上の仕上がりの良さには微苦笑しました。
    これをバラバラに、、、
  • choiceこのレンズを分解して、バラバラにしてお見せしたのが右図です。上段左から右に、更に下へと順番に並べてあります。最後にあるのがレンズを収納している躯体で、この中にパンチング・メタル(穴明き鉄板)と緩衝材が交互にパイのように重ねられて、全体が音響レンズを構成するというものです。先ず、上段左の最初の2枚は、レンズとホーンがつながる部分の緩衝材で、コルク製らしきドーナツ盤があって、その内円周にヤシの繊維らしきドーナツ盤がはめこんであります。私見では、中高音で鉄板が共振する筈がありませんから、キャビネットに取り付けた時にウーファーなどから妙な振動を貰わないようにしているのでしょう。この両者が先ず一枚目で、2枚目に穴開き鉄板が来て、次にまた緩衝材が来て、、、という具合です。3番目のものは、数枚一緒にしてしまっていますが、一定の半径の穴が開いていて、穴明き鉄板と緩衝材とが交互に数枚重なっています。
    一旦絞って、また開くとは、、、
  • 次が中段にあるもので、真中の穴が何故か一旦小さくなって、3番目のように完全に穴が無くなります。この位置がレンズの焦点という考え方のようです。そしてここから音の拡散が始まるということなんでしょうか、また穴がだんだんと大きくなっていきます。下段の3番目が穴が最大の大きさになったもので、これが最後のレンズ躯体に接しています。これらが組み上げられて、最初に示したようなHL87ホーン・レンズになっているというわけです。真中の穴が最初一定で、次にすぼまっていき、それから広がっていく理屈は、判ったようで判らない仕組みです。恐らくは、最初にアイディアがあって、何度か試作してみるとなかなか具合も良さそうだったので、「まぁ、理屈は兎も角も、、、」てな感じで、製品化されたんじゃぁないかというと、きっと怒られるのでしょうが、、、
    梨地仕上げ
  • 仕上げは、梨地塗装になっていて、見ているだけで和みます。このレンズにより、高音成分は円錐ホーン特有の尖った指向性が、理想的な球状の指向性に和らげられる、というのが宣伝文句です。まぁ、ピン・ホール・カメラの原理からの類推が成り立つのであればあり得る話ですが、ホントウの所は判りません。話半分でも、音を拡散するホーンの開口部に障害物を置くので、何らかの拡散はあるのでしょう。
    さらに大型も、、、
  • 「HL87」の大型のものが、「375」と組み合わせる「HL88」です。「375」と「HL88」のセットは、中古で50万円程度ですから、今でも人気が高いのでしょう。「LE175DLH」は、ずっと小型ですから数万からあり、十万円はしません。ごく古いLE175DLHや、プロ用ですと、バッフル板に固定するクランプが付いていますが、民生用はネジ止め式で、フロントから落とし込んで装着します。
    ということで、、、
  • これは、モノとして結構面白いし、外見もそれなりなので、ワザワザ一項を設けて、説明する気になりました。ご退屈さま、、、

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