NEC A-10X (2)
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NEC A-10Xプリメイン・アンプの特徴の詳細は、以下のとおりです。
「リザーブ電源方式」
- 既に、「電源、について」でメモしてありますが、アンプにとって電源は活力の源です。そこでも書きましたが、特に、大入力があっても電圧降下しない電源が、極めて重要です。低インピーダンスで、電圧降下しない電源を、「レギュレーションが良い」と評しますが、こういう電源を得ることに努力を傾注したのが、本機です。電源を強化するいちばん簡単な方法は、無限大の容量のコンデンサーを用意することです。どんなに大きな出力を出せといわれても、平気の平左で必要な電力を供給するに余りある電力を蓄積しているコンデンサーがあれば、怖いものはありません。NECの「リザーブ電源方式」は、「見かけ上は無限大の容量の直流電源があるに近い」ということを売り物にしていました。その詳細はよく理解していませんが、電源回路に普通ではやらない冗長性を持たせてあるので「予備電源付き」を標榜しており、直流電力の供給が枯渇しない工夫をしたもののようです。
スパルタンな設計
- NEC A-10Xでは、イコライザーを省略し、殆どパワー・アンプに近い仕様になっています。プリメインですから、ヴォリュームと入力切替スイッチは付いていますが、色んなアクセサリーが無い、いわゆる「スパルタン」な設計になっています。その仕様は、カタログで見ると、次のようなものです。
- 出力:60ワット(8オーム、両チャンネル駆動)
- 入力:1ヴォルト(18kオーム)
- 外径寸法:430 x 177 x 480 mm
- 重量:31キロ(おい、おい、勘弁しろょ)
- 定価:17.5万円
そして、仕様の数値には出てこない特徴としては、次のようなことがあります。判る人には判る、まったくアマチュアの発想かと思える凝り方です。
- トランスから電圧増幅段までを、完全にツィン・モノラル構成
- 2オームでのダイナミック出力が各320ワット、3オームでの定格出力が可能、BTL駆動では320ワット(6オーム)。
- 各入力のレベルは前面パネルからの直結シャフトにより入力端子直近で調整、高低の2段に切り替え可能
- スピーカー出力に強力なDCサーボを加えて、通常は常設される保護リレー接点を排除
- 電源ケーブルが、躯体底部中央の電源トランス直下から外部に引き出されており、筐体内強電配線を排除
- 一個600グラムもある躯体の足は、直接にトランスを支えており、そのままインシュレータとなる上に、更に平面接地と一点接地が簡単に切り換え可能
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