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藤倉 RG174U等の極細同軸ケーブル (1)
  • (お断り) 数十万円のケーブルを現実に使って満足されている方は、以下のメモはお気に触るはずですから、読まないで下さい。
  • RG174U CDプレイアーとプリアンプを繋いだりするライン・レベルの信号ケーブルには、シールド付きの同軸、シールド無し、ツイスト等があり、素線も縒り線・単線等と色々です。また、その単価も1米あたり百円から数十万円までピンキリです。「使うケーブルによって出て来る音が違う」といえば、違います。その違いはかなり主観的であり、同じケーブルについて多くの人の言うことが互いに矛盾しています。この話が出てから十年以上経つのに、二重盲検法等を使った、しっかりした評価の報告は見たことがありません。はっきり言って、オーディオ関係メディアの怠慢と思えます。海外の雑誌やサイトをみても同様であり、洋の東西を問わず、「それがオーディオというものだ」ということのようです。太いの、細いの、と色々で、同じメーカーの製品でクラス設定などもしているようですが、音と値段とがどういう関係にあるのか、正直な所、サッパリ納得できません。その程度のもんですから、「どれにしようか」と真面目に悩んではいけません。色々なケーブルを、フザケていじりまわせば良いんだと考えています。遊ぶ気になった時、藤倉のRG174U等は持ってこいなので、ここに紹介しておきます。
    詳しい仕様
  • このRG174Uの詳しい仕様などは、別にメモしましたので、そちらをどうぞ。上図に見るとおりマッチ棒程度ですから、極細といって良い外形です。硬くはありませんので、取り回しがメチャ楽です。その分、皮むきや半田などの作業には、慎重さが必要です。価格は、並み居るケーブルでも最低クラス、メーター2百円以下です。しかし、私見では音は標準レベルに達しています。当初は「少し中音が多めで、高低の端があまり出ていない。」感じがしますが、少し時間が経ってエージングが済むと、「他のケーブルは、高低の端が持ち上がり過ぎているし、中音の歯切れも足りない。」と感じられます。恐らく、これよりも良いのは一杯あるんでしょうが、これが丸ッきりダメとは思えません。特性インピーダンスが75オームじゃないのが気になるような方には向かない、そういう精神構造の方向けのケーブルとも言えます。
    太けりゃァ良いのか、細くなきゃァダメなのか
  • 世の中には、「青蛇」とかあだ名されるようなブッといケーブルがあり、「あれでなきゃぁ」とする愛好者も居られます。一方、細身のケーブルながら良い音がするというものもあります。どうも、「太けりゃァ良い」、「細くなきゃァダメ」という物ではなさそうです。現にこのRG174Uなんかも、結構良い音がします。電力を輸送する電源及びスピーカーのケーブルならいざ知らず、ライン・レベルのケーブルでは、太さ、特に素線径が音質の決定的な要因とは思えません。素材の純度・縒(よ)り方、導体と絶縁材の組み合わせ、接続用部品、前後の機器等によって、音が決まり、また音が変わるようです。そう考えると、RG174Uのような2.5ミリ径の頼りないケーブルでも、「しっかりした音がする」ことがあってもおかしくない、と納得できます。ライン・レベルのケーブルでは、ケーブルと接続端子の接合がしっかりしていれば、少なくとも「細いから導通に支障を来たす」なんてことはないようです。Nelsonは、根がへそ曲がりなので、細いケーブルでもソコソコ良い音がするというのが痛快で、遊びまくっています。
    取り回しが楽
  • 大蛇級のケーブルを使う方の嘆きは、太くて重いことです。さらに、殆どが曲がりにくいので、取り回しに苦労しておられるようです。また、それらほど太くない場合でも、ケーブル自体は一応堅牢に作られていますが、接続部品の強度はそれに追い付いていません。WBTその他のプラグなら、少しはマシなようですが、、、抜き差しに伴う過負荷、そして使用中の継続的な曲げ負荷等によって、ピン・ジャグが接続不良を起こしたり、場合によっては接続部が破損してしまうそうです。XLRなら少しは問題は緩和されるでしょう。これは、前後の機器に用意されている接続部が、そこまで大仰な「大蛇に噛みつかれる」ことを想定していない設計に止まっているためでしょう。柔らかい線は容易に曲がるので、接続部の破損などには、まず無縁です。また、ケーブルの錯綜する箇所で、例えば「電源ケーブルとは直交させたいナ」と思っても、曲げにくいケーブルでは適正配置が困難です。細目のケーブルなら、気の済むような交差の仕方に出来ます。
    極細ケーブル
  • この手のケーブルは、他にもかなりあります。カナレ等にもあります。金田式7本ヨリで有名なモガミには、「2497」という名声を勝ち得た製品がありますが、アレは音は良いものの、太くて、硬くて、使いにくい部類です。同社の「2511」はそれとは違って、結構細かったと思います。ただし、「2511」も硬かったような気がしますから、下記に述べるようなお遊びには、「RG174U」等の細くて柔らかいのが最適です。別に同軸でなくても、細めの単線のツイストも、インピーダンスの低い箇所ならば、シールド無しで充分に使える場合があります。
    色んな遊び方
  • RG174U等の極細同軸線をそのままRCAケーブルに仕立てるのは、使い方としては序の口です。序の口とはいっても、最低の基準に達した音がします。仕上がりで2千円程度と安いので、レファレンスや予備として持っていておかしくありません。既製品もあります。面白いのは単純なRCAケーブルの先でして、色んな遊び方が出来ます。その辺は、別にメモしました
    某ハイエンド誌も、、、
  • この雑誌(Stereo Sound)は一応の編集方針があるのでしょうか、あまりケーブルの話は掲載しません。でも、最近号で、上杉、三浦、柳沢3氏の座談記事として、珍しく取り扱っていました。内容は、Nelsonの話とも符合しています。大見出しを見ると、それが要約されています。
    • 上杉「条件によって、ケーブルの評価は変わる
    • 三浦「自分の求める音の実現には、ケーブル選定が不可欠
    • 柳沢「迷ったら、シンプルなものに戻るのが吉」
    色んな方が色んな試行をする中で、時に冷静になることも大事ということでしょう。

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