田村翼のデビュー作であり、Hampton Hawesに捧げられたBallad for Hampをじっくり聴いてみよう、ということです。メンバー等
上をクリックしていれば、右のフレームに出ています。Au Privave
デビュー作の冒頭曲から、Charlie Parkerとは流石の意気込みです。あるいは、セッションを聞かせるという想定で、先ずは指慣らしの、基本的なバップ・ナンバーということでしょうか。4ヴァース・チェンジもしっかり入れてあるし。フム、フム、とこの人の氏素性が分かる仕掛けになっています。バップ、結構なテク、軽快なタッチ、流麗なアイディア、等々、、、You go to my head
冒頭曲との関係からして、実に順当な2曲目のバラード。ノー・リズムで導入して、ころがすように曲を慈しんでいる、と思ったら、最後までソロで弾ききっている。ちょっとバラード解釈の片鱗を覗かせた、ということか。For Carl
そして、出たぁー。Leroy Vinnegarが作った、友人のCarl Perkinsに捧げた名曲の名演です。テーマ提示とアドリブを通じてのベースがスゴイなぁ、と思ったら翼さんの旧友の池田芳夫じゃないですか。テーマを提示してピアノのアドリブに入って、ヒャー、翼さんの美音・美旋律の連続攻撃。プロはこうやるんだよ、てなものか。これを受けて、ベースのアドリブも、輪をかけて歌いまくる。再度のピアノのアドリブも、先ほどの余韻を慈しみながらの好アドリブ。末尾の曲と、どっちにするか悩む、この盤のベスト・トラック。解説に記述があるので、ゴソゴソやってA World of Piano/Phineas Newbornでの同曲を聞き直したが、まるで違う曲かと思えるほど。翼さんの演奏の方が遥かに良い(^o^) In the first flight
翼 = flightというわけですが、とても日本人が書いたとは信じられないバップ色にニンマリ。アドリブも、先と打って変わったバップ・イディオムの連発で快調。Whisper not
名曲中の名曲。翼さんは、上ずらずに、じっくりとスィングさせて行く。別項でも書いたが、この曲のトミフラ版を聞いたのが、モダンジャズに入る切っ掛けになったという翼さんにとって因縁のある曲。シングル・トーンで転がしまくる。Softly as in a morning sunrise
これも名曲ですが、巧いリズム・パターンをリフのように入れてシングル・トーンで料理する上に、ベースが全面的にフィーチャーされて、気持ちの良いウォーキングを聞かせる。結局、最後までデュオで処理していることが判った。Ballad for Hamp