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The Great Jazz Trio

  • The Great Jazz Trioは、Hank Jones (p)、Ron Carter (b)そしてTony Williams (ds)が70年代後半に組んだトリオで、Live at the Village Vanguard Vol. 1, 2(最近になって残りテープAgainも発売)が発売されたときの鮮烈な印象は、「エッ、Hank Jonesってこんなピアノ弾いたっけ」というものでした。この時期は本人もかなりハイになっていたとあとで述懐していますが、たしかに例えばMilt Hinton等の御常連とやっていたときと違って、Ron Carterの抑えるコードは相当に新しい感覚のものであるし、Tony Williamsの自在に繰り出すリズムとおカズは、恐らく当初本人をまごつかせたに違いありません。が、そこは年の功とやはり天賦の力量で、直ぐに「なるほど、こいつ等の手口は読めたぞ」てなもんで、少なくとも残された録音には素晴らしい一体感と刺激に満ち溢れていました。この企画自体はTony Williamsが声をかけて実現したらしいのですが、60年代から70年代前半はスタジオ仕事ばかりしていたHank Jonesはコレを機に、怒涛のように、というのはこの人に似合わない表現ですが、かなり多くの作品を発表するようになりました。
  • 無論、売れっ子のRon CarterとTony Williamsがそれほどの時間をこのユニットに割けるはずは無く、直ぐにメンバーが変わるのは致し方ないことです。Buster Williams、Mads Vinding、Al Foster等々、この名前で数年間にわたっていろんなメンバーが出入りしました。 (TV-CMでニコッと笑って見せたりするんですから、売れた名前を大事にすることは当然で、このお爺さまも結構食えない感じはします。)といっても、50年代にHank Jonesが聞かせていた、端正で、キレイなピアノという路線から踏み出した事からの後戻りは無く、新味もあるし、またメリハリもあるというスタイルは変えていません。
  • とは言え、やはり今The Great Jazz TrioやHank Jonesを聴くとすれば、やはり元祖のメンバーのものが質が際立って高いことは否定できず、聴き応えのあるのもその時期のものでしょう。Jackie Mcleanやナベサダとやったものなどもお奨めです。

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