リズム に関するスパイスのネタが続いていますが、この話題で忘れてはならないのが、名演「Sock Cha Cha/ Benny Golson」です。ココ何回かのメモと違って、リズムが全面に出て来て演奏の色を染めてしまうというアプローチではありません。それなのに、歯切れの良いリズム・パターン が正に「スパイス」になっています。この曲が入った右掲の「Free」 と言う盤はArgoレーベル から出ていて、同レーベルらしい楽しいジャズが聴けます。そしてその中でもピカイチと思えるのがこの「Sock Cha Cha」です。こういうキャッチィな演奏に目が無い故いソノさん が自分のDJ番組のタイトル・チューンにしていたと言う昔話をここにアップ していました。
今回、この演奏の動画 を探していて見つけたら、そのアップ主の方も古手のジャズファンなのか、ちゃんと「数十年前のFMジャズ番組テーマ曲」 と付記されていて、「おっ、物覚えが良いですね、ご同輩!」と同感したのでした。それでもまぁ、もう忘却の彼方に置き忘れている方が多いのは詮方ないことで、アクセスが500回に満たないのは残念です。
この演奏は、彼の名演の一つとして「Those Groovy Tracks 」 でも重ねて採り上げています。読み返してみると、我ながらリキの入った熱いメモになっているので、このメモで上塗り はしません。演奏の中身についてはここでは省略して、この2か所に譲りますので、リンクで飛んでご笑覧くだされば幸甚です。
Nelsonとしても特に思い入れがある演奏であり、一時は聖地でもあって良く通ったけど、80年代に閉店してしまった「自由が丘ファイブスポット」(いソノさん経営) に行った時などは、必ずこの曲を鼻歌 で唄いながら地下階段を降り、ザッと辺りを見回してから着席したものでした。
右掲の通りに面子は、御大Golson(ts)、Tommy Flanagan(p)、Ron Carter(b)、Art Taylor (ds)という感じで、皆に出番があります。このセクション絡みで言えば、ドラムスのArt Taylorがいつもより軽めながら、しっかりとリキを入れて叩いているのにはいつも唸ってしまいます。
ココにも目配りを・・・
演奏の中身の話を省略しはしたものの、一点だけ、触れておきたいことがあります。我がサイトの「4 Beatじゃなくっても、、、」 で「ジャズ・ワルツ」についてメモした時に、「テーマは3でやるけど、アドリブでは普通に4にすることも多い」 と書いたのと同じことがココでも行われています。
この曲は多分、「AABA」なんだと思いますが、そのBメロではメリハリのあるリズムのサポートは止めさせて、 明らかに普通の4ビートの乗りにしています。そして、次にAメロに戻るとまた、リズミカルになります。これは、Golsonお得意の「一粒で二度美味しいセカンド・リフ」 と通じる手で、一旦転調したかのように雰囲気をガラッと変えて置いて、又もとの雰囲気に戻るのが、とてもシャレています。
変に冷たい梅雨で農家の方はかなりお困りの筈であり、Nelsonも体調の維持に苦労しているので、このメモでは演奏の中身の記述て手を抜きました。昔の熱気ムンムンの2か所のメモにリンクを張ることでお茶を濁した御蔭で、メモがダダ長くならずに済みました(orz) 。